銀河英雄伝説に映像の原則はあてはまるのか

落ちるアクシズ、右から見るか?左から見るか?<『逆襲のシャア』にみる『映像の原則』> - HIGHLAND VIEW 【ハイランドビュー】
とても面白い記事。なんでファミリー劇場でやってる銀英伝を録りためてあるのをチラと観返してみた。
英伝は原則同盟が下手(右向き)、帝国が上手(左向き)、という決まりごとがあったとどっかで目にした気がしないでもない。銀英伝の戦闘はあえて平面的にしてあるので、相手の背後をとると向きが変わることで位置関係をわかりやすくしてあるのを感じる。
興味深いのはカストロプ及びアムリッツァ(前哨戦含む)でのキルヒアイスが下手(右向き)なこと、キフォイザーでは上手(左向き)なんだけど。アムリッツァの場合逃げるヤンの前に立ち塞がる役割だったり、同盟軍の無防備な背後を衝く役割だったり、上手(左向き)のラインハルトに呼応して同盟軍を包囲する構図を作り出しているのだろう。キフォイザーの場合はラインハルト陣営であるというスタンスが上手(左向き)という以上の意味はなさそう。
映像の原則的に意味が見いだせるのはカストロプだね、前任者が失敗しており、困難が予想される惑星攻略戦、というシチュエーションはキルヒアイスが下手(右向き)なこととマッチしてる。
同様なことはイゼルローンを巡る攻防について顕著で、第7次イゼルローン攻略戦において、第13艦隊は当初下手から描かれているんだけど、イゼルローンを手に入れてヤンの司令部がイゼルローンに移動すると途端に上手の描写になる。ゼークトは帝国軍なんだけど結局下手のまま虚空に消えることになる。
ところが、要塞VS要塞、ラグナロク作戦に伴うイゼルローン戦役の場合、ガイエスブルク要塞及びケンプ艦隊、ロイエンタール艦隊が上手(左向き)なんだよね。
回廊の戦いにおいてはイゼルローン及びヤン艦隊は一貫して上手でラインハルトが下手になるけど、これはまあラインハルトがヤンという壁に挑むという意味を感じさせるものになってるのかな。
新領土戦役においてロイエンタールが下手、ミッターマイヤーが上手なのはリップシュタットのように反乱軍=下手、正規軍=上手という区分けなのか。それともドラマ上の意味があるのか。
シヴァ星域の会戦ではラインハルトが下手、ユリアンが上手なんだなあ。回廊の戦いと同じ構図なのはどういう意味が。ユリアンの勝利(条件的な)は確定的に明らか、ということなのかな。

とまあ、ここまで観てみて、やっぱり最初に書いたように単に帝国を右側に、同盟を左に描いた銀英伝世界の標準地図(星図)に基づいているだけなんじゃないかと思えてきた。回廊の戦い以降のラインハルトが下手なのは単にハイネセン方向からイゼルローン方面に攻め込んでいるから、という事実に基づいているだけじゃないのか。ドーリア星域の会戦も単にイゼルローンからハイネセンに向かっているという位置関係に従っているだけ、とか。査問会のときにレダ?号は右から左にハイネセンに向かってるんだよね。しかも到着時のハイネセンは左上に描いてある。