今日、2/8のGoogle Doodleは伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風」(Etsuko and Joe Price Collection所蔵)であった。
Googleのデザイナーは巧みですね。Googleのロゴを上手くあしらい、また枡目もちゃんとデフォルメして配している。さらに斜め上からの視点にすることで屏風であることも直ぐに分かるようにしてある。
オリジナル作品の画像はこちら(右隻)。
(より引用)
枡目描きという特徴的な技法を使っているこの作品は、若冲の代表作として美術ファン以外の一般人にも認識されていると思われる。
しかし。
「この作品は若冲のものではない」と強く主張する研究者が居る。東京大学の佐藤康宏教授である。
佐藤教授は、卒論で若冲を取り上げたおそらく日本初(本人談)の研究者であり、若冲研究でもすぐれた成果を残している。若冲に関する著作も複数ある。そのうちの入手しやすいものが東京美術「もっと知りたい伊藤若冲」である。昨年改訂版が出された。
もっと知りたい伊藤若冲―生涯と作品 改訂版 (アート・ビギナーズ・コレクション)
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- 出版社/メーカー: 東京美術
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一方。
「この作品は若冲作品である」と強く主張する研究者もやはり居る。明治学院大学の山下裕二教授である。
この「鳥獣花木図屏風」の拡大図版を掲載した本の著者でもある。
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このお二人は東大の先輩と後輩である。そして両教授とも、奇想の画家の一人として若冲を「再発見」したといえる辻惟雄先生(MIHO Museum館長)の教え子である。
では、各教授の「この屏風絵が若冲作品である/ない」主張点を、各著作を元にして提示していきたい。
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