神さまってなに?/森達也

神さまってなに? (河出文庫)』を読んだよ。不思議な存在。

2009年に単行本で刊行されていたものを文庫化したもの。その単行本は「14歳の世渡り術」シリーズの1冊だったみたい。う〜ん、世渡り術か…。確かに、生きるとか考えるヒントにはなるかもしれないね。
で、神さまって何なんだろう…ということで、筆者の森達也が熱く語るのが本書。

まずは、宗教について。

自らが死ぬことを知ってしまったから、人は宗教を必要とする。でももしも仮にそうだとすれば、これはとても危険なことでもある。なぜなら死への恐怖を和らげるという宗教のシステムは、時として生から死へのハードルを、引き下げてしまう場合があるからだ。
そう、それが戦争と宗教との密接な関係に繋がっていく。人類の歴史はその繰り返し。いつまでも止められないし。

そして、世界三大宗教の歴史を辿っていく。
まずは、日本ではおなじみの仏教。その起源とか伝来は歴史の教科書に譲るとして、日本では神道vs仏教の構図になることがしばしば。そして、最後は神道の話になって、政治に利用されたことも。だから、

もちろん利用するほうが悪い。でも利用されるほうにも利用されるだけの責任はある。特に宗教は利用されやすい。だからこそ僕たちは知らねばならない。宗教の歴史を。意味を。機能を。そして神さまを。
と筆者。そう、これが筆者の一番の主張なんだと思う。

そして、キリスト教の章でも、

何度も念を押すけれど、信仰の心そのものが人を殺戮するわけではない。ただし宗教は火のようなもの。使い方を間違えれば大変なことになる。でも自らが死ぬことを知ってしまった人類は、この先も信仰を絶対に手放せない。
と言い、神さまを知ることの重要性を主張しているよ。

最後はイスラム教。ここでも、

ブッダが言ったこと、イエスが言ったこと、ムハンマドが言ったこと。これらをきちんと言葉どおりに解釈していれば、世界の歴史は今とはずいぶん変わっていたはずだ。
と言う。これは本当にそう思うよ。どう考えても、自分なりの解釈とか都合のいいように受け止めたりし続けている人類としか思えないよね。だから、戦争なんて絶対になくならない。
人類ってバカなんだろうか?神さま、教えて!
神さまってなに? (河出文庫)
神さまってなに? (河出文庫)森 達也

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