大人のための国語ゼミ/野矢茂樹
『大人のための国語ゼミ』を読んだよ。いつまでも国語の勉強。
筆者の野矢先生は哲学者。でも、論理学の本を書いたりもしているので、ちょっと数学者っぽい面もあったりで、新刊が出る度にその著作が気になる自分。で、今回のテーマは「国語」。哲学、論理学と来て、どうして国語?って思うけど、論理を表現する手段の一つがまさに国語であるわけで、当然ながら、言語を組み立てるとは論理を構築するのと同等の作業ってこと…ではないかと。
おっと、小難しい話になってしまった。いや、もっと端的に言うと、人に物事を分かるように伝えるってどういうことなのかということを分かるということ、そして、それが実践できるようになることが、本書の主旨なんだよね。
では、国語をどう駆使していくか。本書で紹介されている考え方を少し紹介。まずは、
事実は多面的である。それゆえ、多くの場合、単純に事実と考えを区別しようとしてもうまくいかない。だいじなことは、自分の意見や見方が相手と共有されているのかどうかを意識すること。そして、共有されていない可能性があるときには、それが自分の意見や見方であることがはっきり分かる語り方をすること。ということ。これは前提条件と言っていいかもしれないね。これがあってこその、相互理解だからね。
もう一つは、接続表現の重要性。文章は短い方がいいという視点を受けて、
相手のことを考え、迷いそうなところには的確な接続表現を使う。それによって、文章の流れが見えてくる。流れが見えてこない文章は、たとえ一つひとつの文の意味が分かったとしても、「達意」というにはほど遠いものでしかない。ということ。これも、間違った接続表現を使うと意味が全く違うものになってしまうので、注意が必要だよね。
最後は、質問力。
私たちは、生徒として、学校で質問する技術を教えられてこなかった。これは従来の学校教育の欠陥である。私たちは新たに、質問の練習を始めなければならない。と力強く筆者。そう、自分自身、質問力がないよなぁ〜って思うこと、度々だし。これって、国語力がないってことだったんだ。
久しぶりに国語のテストに取り組んだという感じ。それでもなんだか楽しかったのは、野矢先生の国語力のお陰なのかなぁ?
大人のための国語ゼミ | |
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