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活字中毒者地獄のりす蔵 RSSフィード

2018-04-01

新しい道徳/北野武

| 00:13

新しい道徳 「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか (幻冬舎文庫)』を読んだよ。道徳も変化する。

筆者は北野武。だから、この題名もアヤシイ感じがするし、副題の“「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか”はもっとアヤシイ…。でも、読んでみるとその内容はいたってまともというか、正鵠を射ることを語る北野武。

では、どんなことを語っているのか。

冒頭で結論を言うのも北野武らしい。

「道徳がどうのこうのという人間は、信用しちゃいけない」
と。そう、いきなり殴り込みか?って感じだよね。

それ以降は、なぜそう思うかということについて、その思いの丈をぶつけ続ける。

大人が心にもないことをいっている限り、子どもには伝わらない。道徳っていうのは、そういうものだと思う。他の教科のように、理屈で教えられるものではない。
とか、
自分がわからなくなっているのに、子どもには相変わらず昔ながらの道徳を語る。それがそもそもの間違いの元だと俺は思う。
とか。基本的に「道徳って何?」って分かっている人がいるのだろうか…ということ。だから、自分で考えるのが道徳であり、人に押し付けられるものではないってことだよね。

最後に。

子どもはなんだかんだいって、親や学校に教わった道徳観の下で生きている。大人になるということは、その誰か他の人が作ってくれた道徳の傘の下から出て、自分なりの価値観で生きる決断をすることだと思う。
そう、これは極めつけだと思う。だから、人によって道徳が違うし、時代によって変わっていくものなんだろうね。道徳について、久しぶりに真剣に考えたなぁ〜。

新しい道徳 「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか (幻冬舎文庫)
新しい道徳 「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか (幻冬舎文庫)北野 武

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2018-03-21

やり抜く力 GRIT(グリット)/アンジェラ・ダックワース

| 08:10

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』を読んだよ。継続は力なり。

赤い表紙に「GRIT」という大きな文字。去年の今頃だっただろうか、書店に山積みされていたっけ。早速、図書館に予約を入れたけど、順番が回ってきたのが1年後。やっぱり注目の本だったんだね。

では、どんな内容なのか。「はじめに」に書かれている筆者の体験がそれをひとことで表しているよ。それは、

「おまえは天才じゃない」と親に言われ続けて育った少女が、おとなになって「天才賞」を受賞するとは。しかも受賞の理由は、人生でなにを成し遂げられるかは、「生まれ持った才能」よりも、「情熱」と「粘り強さ」によって決まる可能性が高い、と突きとめたことなのだ。
ということ。そして、この「情熱」と「粘り強さ」を合わせて、「やり抜く力」だと定義しているよ。うん、「才能」がない自分にとっては、いや自分だけでなく万民にとって、これは心強いお言葉かもしれないね。

とはいえ、「やり抜く力」には注意事項があるわけで、例えば、「なんでも必死で頑張るということではない」とか、「必死に努力する以前に、まずは楽しむことが大事」とか。

さらに、「やり抜く力」を教育に応用する。

もしあなたが自分の子どもの「やり抜く力」を引き出したいなら、まず、「自分が人生の目標に対してどれくらいの情熱と粘り強さをもって取り組んでいるか」、つぎに、「子どもが自分を手本にしたくなるような育て方をしていると思うか」、考えてみよう。
と筆者。当然、答えがYesならば、「やり抜く力」を伸ばす育て方をしているってこと。うん、教育に応用できるならば、社員の育成にも応用できそうだね。

最後に自分的な疑問。逆に「才能」って何だろうって思ってしまった。要らないってわけではないんだろうけどね。

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につけるアンジェラ・ダックワース 神崎 朗子

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2017-12-23

現代語訳 武士道/新渡戸稲造,山本博文

| 21:54

現代語訳 武士道 (ちくま新書)』を読んだよ。いまだに武士道の精神が底流に。

超有名な本書。それだけにいつかは読みたいと思っていたけど、かなり以前から積読状態。Kindle本は場所を取らないから、積読の山がいくらでも高くなるのが玉に瑕。タイミング的には紙の本が切れたところで、ようやく読み始めたというわけ。現代語訳版ということで、思ったより読みやすく、多少の難読漢字や、意味不明もあったけど、無事に読了。

まずは副題について。本書に「日本人の魂」という副題があったというのは初耳。だから、訳者まえがきでも、

題名が「武士道」だけに、武士の規範や倫理を書いたものだと思われがちだが、この書物は単に武士道を解説するだけではなく、さまざまな事例をあげて、日本人の拠って立つ道徳意識や思考方法を明らかにしている。
と。そう、武士道って日本人の思考方法なんだよね。本書の中で、どうしてこういう考え方をするんだろうと日本人以外が感じていることの理由を明快に説明しているし。

そして、腑に落ちたのが「克己」。以前に「かっこ」と読んでしまい、恥ずかしい思いをしたことがあったから、余計に思い入れが強くなる。その「克己」について、新渡戸は、

しかし、絶えず克己を励行させる必要があったのは、まさに私たちが興奮しやすく、また敏感だったからだと私は信じる。
と言っているよ。そう、克己とはセルフ・コントロールのこと。敏感な感覚をいかに制御するか…。日本人だったら、分かるよね。

もう一つは、現代日本人にも理解しづらい「切腹」。新渡戸は、

この精神生理学説が認められるならば、切腹の論理はたやすく構築できる。それは、「私は、私の魂の宿るところを開いて、あなたにその様子を見せよう。それが汚れているか、清いかは、あなた自身で判断せよ」ということである。
と説明しているよ。はぁ、こう説明されると妙に納得してしまうよね。自己犠牲、謙る等々の概念と繋がってくるし。

これを思うと、やっぱり自分は日本人なんだな…と納得してしまうし、その中でも日本人っぽい日本人なんじゃないかと思えてくるんだけど…。どうなんだろ。どの日本人もそう思っていたりして…。

現代語訳 武士道 (ちくま新書)
現代語訳 武士道 (ちくま新書)新渡戸稲造 山本博文

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2017-07-02

となりのイスラム/内藤正典

| 08:55

となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代』を読んだよ。本当にこの世界を救えるのか?

イスラムの問題って、自分自身はよく分かっていないことが多いんだけど、世界的にはいろいろな事件が起きていて、本当にどうなってしまうんだろうという不安は拭い切れない状態が続いているよね。その不安を少しでも解消しようという気持ちが本書を手に取った最大の理由。っていうか、それ以外には考えられないか…。

で、まずはこんな筆者の主張。

しかし、問題はいじめと似ています。どんな理不尽にいじめても、相手が暴力で応答しないと思い込んでいたなら、あまりにも思い上がりがすぎるというものです。
と。そう、イスラム教徒へのいじめが過ぎると確実に世界戦争が勃発すると。多分、その限界に来ているような気がするんだけど…。

では、イスラムを理解するためにはどう考えたらいいのか。それに対する答えは、

神の領分を侵してはならない。つまり、人間が生み出した技術によってすべてができるとは思っていないということです。ここから先は神の領分だから自分たち人間が手を触れるべきではない、という了解が成り立つ。それがイスラムの特徴です。
という点を理解するということ。そして、
起きたことは受け入れる。そこから先はあれこれ言ってもしかたないし、それは神の領分だから、触れないでおいたらどうだという感覚――こういうイスラム的な感覚は、日本人が抱えがちなストレスの連鎖を断ち切る力になるのではないでしょうか。
ということ。あっ、この感覚が好き。自分の中にもイスラム的な感覚があったなんて。呑気って言われるかもしれないけど、そうでなくては、生きていけないし、疲れるだけ。

ただ、そういう意味で、イスラムの社会と西欧の社会は水と油なのだとも。

最後に「イスラム国」の問題。筆者は、

「イスラム国」とは何か、なぜこのような集団が出てきたのか?そのことを突き詰めて考えていくと、どうやら、イスラム教徒がこれまでに経験したことのないような「病」ととらえるのが適切ではないかと思います。
と言う。その「病」に対して、外科的に対応する西欧諸国。つまり、軍事力で対抗するわけだけど、それは母体にダメージを与える。さらに世界が不安定になる。と、負のスパイラル。

筆者はまずは理解することから、少しでも対立を緩和すべしという立場を主張し続けているけれども…。どうなってしまうのか、注視していくしかないのか…。

となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代
となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代内藤正典

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2017-05-21

いま世界の哲学者が考えていること/岡本裕一朗

| 06:01

いま世界の哲学者が考えていること』を読んだよ。哲学的にものを見る。

タイトルから見るに、ちょっと腰が引けるようなレベルかな?と思ったけど、世界の潮流を概観するにはちょうどいいかな…と、読むことを決断。いや、確かに難しい部分もあり、挫けそうになりながらも、なんとか読了。

そもそも哲学ってなんだ?ってこと。

物事を考えるとき、哲学は広い視野と長いスパンでアプローチします。日々進行している出来事に対して、一歩身を引いたうえで、「これはそもそもどのような意味なのか?」「これは最終的に何をもたらすのか?」という形で問い直すのです。
と分かりやすい説明。近視眼的にならず、メタ的にものを見るという態度が哲学の第一歩なんだよね。こういうの、好みだなぁ〜。

本書の前半は現代哲学の潮流を歴史的に概観。筆者が整理してくれているので、分かりやすくはなっているけど、頭の中で完全なイメージが湧き上がるとまではいかず、何となくの理解。まぁ、こんなもんだという感じかな。

後半は、現代社会を哲学的に考えるとどうなるかという問題。

まずは、IT革命。SNS、スマートフォンは監視社会という課題を提起するし、AIは人間とロボットの関係性を改めて考えさせる。これらの問題を世界の哲学者が様々な視点から考えているんだよね。

そして、バイオテクノロジーも。クローン人間は是か非かなんていう話題は哲学が得意な分野かもしれないね。

さらに資本主義も考えてみる。世の中の潮流としては、共有型経済なんていう概念が流行っているけれども、筆者曰く、

このように見ると、リフキンが言う「共有型経済(シェアリング・エコノミー)」は、資本主義にとって代わるのではなく、むしろ資本主義の一部として組み込まれる、といった方が現実的であると思います。
と。なるほど、そう捉えるのか…。

哲学的に考えるって面白いよね。その考え方を常に意識していたいなぁ〜。

いま世界の哲学者が考えていること
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