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活字中毒者地獄のりす蔵 RSSフィード

2018-07-31

学校では教えない「社会人のための現代史」 池上彰教授の東工大講義 国際篇/池上彰

| 00:17

学校では教えない「社会人のための現代史」 池上彰教授の東工大講義 国際篇 (文春文庫)』を読んだよ。これがあるから今がある。

池上彰氏の東工大講義シリーズの第3弾。第1段は既読だけど、間違えて、第2弾を読み飛ばしてしまったみたい。まぁ、順番はあまり関係ないと思うけど。ということで、今回は国際編。となると、池上氏の『知らないと恥をかく世界の大問題』シリーズと何が違うのかという素朴な疑問がないわけではないけれども…。

まずは気になるのがこのタイトル。「学校では教えない」ってところがミソで、3学期になって時間切れで現代史はスルーすることが多いけど、もう一つの要因は、定説になっていないということ。なるほど、流動する社会でいい加減なことは教科書に書けないっていうわけね。じゃ、我々は池上さんの本でしか、勉強できないってわけか…。

一番大きなテーマは東西冷戦。うん、世界的な影響が大きいからね。そして、ソ連の崩壊とプーチン独裁社会主義繋がりで、中国。その中国と日本、台湾の関係も微妙なわけで、それを象徴するのが尖閣諸島の問題。中国台湾とも尖閣諸島台湾に属するという見解。さらに、中国は、

しかし、「台湾中華人民共和国の一部である」から、尖閣諸島中国のものである、という論理なのです。
という論理展開なのだと。ビックリ。論理としては正しいんだろうけど、前提条件が間違っているような…。

そして、中東問題。

ただ、国際社会は、イスラエルのこの行動を国連決議に反したものだと判断し、 エルサレムイスラエル首都としては認めていません。 大使館は相手の国の首都に置くものですが、日本を含め各国ともエルサレムには大使館を設置していないのです。
これで分かった。最近のニュースでアメリカ大使館エルサレムに移転したことが注目される理由が。事情を知ることでニュースを興味深く見ることができるよね。

最後は池上氏のこんな言葉。

自国の都合で 他国に手を突っ込むと、結局は自国に難題が降りかかることがある。各国とも、これを繰り返してきたのです。こうした 愚かな歴史を知ることで、少しでも失敗を繰り返さないようにする。これが、現代史を学ぶ意味なのです。
そう、世界の現代史を最も学ぶべきは世界のリーダーたちなんだろうね。

学校では教えない「社会人のための現代史」 池上彰教授の東工大講義 国際篇 (文春文庫)
学校では教えない「社会人のための現代史」 池上彰教授の東工大講義 国際篇 (文春文庫)池上 彰

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2018-07-22

うっかり鉄道/能町みね子

| 14:10

うっかり鉄道 (幻冬舎文庫)』を読んだよ。こんなうっかり旅もいいかな。

鉄道ものにすぐ反応してしまう自分。今回もうっかり反応して、本書を手に取る。しかも、女子※の二人旅。なんとなく、うっかりぶりが想像できる感じもするし。

※自分はこのあとに知ることになるんだけど、ここはれっきとした女子の二人旅というのでよいと思う。

では、どんな二人なのか。筆者の能町女史は、関東近郊の路線図をスラスラ書けてしまうほど。しかも、そのほとんどを乗っているという。これはれっきとした鉄道マニアなんだろうけど、本人曰く、「鉄道好きではあるけれども、断固として鉄道マニアではない。」ということ。一方、同行のイノキンさん。

イノキンさんは年末の帰省で、普通なら新幹線+乗り換え2回程度で帰れる実家に、各駅停車で超遠回りして14回も乗り換えて帰ったのである(途中で2泊)!
と、能町女史も素質を認めるテツぶり。

で、二人の鉄道旅はどんな感じかというと、鉄道そのものにはあまり興味が向かず、駅舎とか駅の設備とか駅の周りの商店街とかに視点が行きがち。鶴見線国道駅では駅の下の国道下という焼き鳥屋に興味がいったり、岳南鉄道ではオシャレカフェでマッタリしたり。江ノ電に乗った時には、

そういえば、これって鉄道の企画なのに、電車そのもののことにはほとんど触れていない。駅のことさえ触れていない。触れているのは周りの家のことだけじゃないか。こんなんでよかったんでしょうか。
とまで。いやいや、それもうっかりでいいんじゃないでしょうか…。

そう、テツの楽しみ方って、いろいろあるってこと。「楽しいね、鉄道。」って思う自分は何テツだろう。

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2018-07-01

理系に学ぶ。/川村元気

| 18:26

理系に学ぶ。』を読んだよ。文系にも学びたい。

「理系」という単語に反応しやすい自分。今までも「理系」を冠した本はだいぶ読んできたような気がする。そこには理系賞賛ではなく、その悲哀とかもあったけど。

本書は同著者の『仕事。』の理系人間版。筆者の川村元気は自らを理系コンプレックスと言うが、世の中を変えていくのは理系人間なのだということに気がつく。そこで理系人間との15人と対話する。さて、その中で筆者は何を見出すのだろうか。

理系の特徴が出た会話を幾つか紹介。

ミドリムシの大量培養に成功した出雲充氏が理系の研究者について曰く、

いろいろな先生を訪ね歩くなかではっと気づいたのは、理系の大学人は論文でも学会でも、成功して結果が出た話しか共有する場がないということでした。効率を上げるという発想がないので、「ミドリムシのここが難しいよね」という失敗談をずっとシェアしてこなかったんです。だから、みんなが似たようなミスを繰り返していて。
うん、これは有りがちな話。研究にも効率という概念が必要だよね。特に、試行錯誤を伴う理系の場合は。失敗事例を実験計画から除去するだけで、その効率が格段に上がるだろうからね。

同じく出雲氏の発言から。

でも、ディズニーランドに行きたい人もいれば葛西臨海公園に行きたい人もいて、そこの傾きが違うというのは微分係数が違うということですよね。ミッキーが好きな人か水族館が好きな人かを積分してプランを作らないと、いいデートにならない。
おっ、これは微分積分の例え話として分かりやすい。こういう例えができるのは理系らしくていいよね。

最後に筆者の言葉から。

理系と文系は「別々の目的」で生きている人間ではない。僕らは「同じ山を違う道から登っている」だけなのだ。
と。だから、頂上では必ず一緒になる。目的は一つでアプローチが違いだけなのだから。でも、その目的ってなんだろ。人生の目的?人類の目的かな?

理系に学ぶ。
理系に学ぶ。川村 元気

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2017-12-16

日本のいちばん長い日/半藤一利

| 19:17

日本のいちばん長い日(決定版) 運命の八月十五日』を読んだよ。終えるのは難しい。

本書のKindle版を購入して、しばらくは積読状態。こういう時に電子書籍はいいような悪いような。場所は取らないけど、ポチったことを失念するから。

気を取り直して本書。2度ほど映画になっているから、知っている人も多いと思う。そう、終戦記念日とその前日の物語。登場人物は、政府(内閣)、宮内庁、陸軍、NHK、ちょっとだけ海軍、そして昭和天皇。

そして、本書の最初の刊行が昭和40年7月。つまりは、終戦から20年。これだけ書けたのは、やはり20年の年月が経ち、それぞれの登場人物が冷静に当時のことを見つめることができるようになったからか。いや、当時の記憶を呼び出すには20年という歳月が限界だったということか。

そして、たった2日間の物語だけど、その内容は濃厚。だから、筆者曰く、

したがって、本書は単に「終戦の日」の思い出ばなしを羅列したものではない。いままで埋もれていた資料をもとに、日本人の精神構造を主題にして構成した、二十四幕の?長篇ドラマ?なのである。
と。そう、1時間に一幕。そして、それぞれに一人のキーマンが登場する。それぞれがそれぞれの思いを胸にしているし、それを行動として起こそうとしている。真剣な思いで。

そして、敗戦か抗戦か。結論は分かっているんだけど、周囲の思いを忖度する人々。だから、

そうした混乱と絶望と苦闘の閣議とくらべれば、この日の、いわば帝国しめくくりの閣議は、葬儀に似てしめっぽいものであったが、ある意味では心安らぐものでもあったことに間違いない。
とか、
これらの部下たちを絶望的な混乱から救い、身をもって正しい決断にみちびくために、陸相は必死の努力を傾けている。なにより彼らに?栄光ある敗北?をあたえてやらなければならない!
という気持ちになるんだろうね。

戦後70年、日本と日本人はあっという間に変わってしまった感があるよね。日本国を思う気持ちは変わっていないといいんだけど。

日本のいちばん長い日(決定版) 運命の八月十五日
日本のいちばん長い日(決定版) 運命の八月十五日半藤 一利

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2017-11-25

イザベラ・バードの日本紀行/イザベラ・バード

| 19:15

イザベラ・バードの日本紀行 合本版 (講談社学術文庫)』を読んだよ。日本の評価は良いのか悪いのか…。

どういう経緯からか、既に記憶にはないのだけれども、読みたい本リストの古くからの常連が本書。講談社学術文庫で上下巻900頁ほどの厚みなので、尻込みをしていたのも事実だけど、Kindleから合本版がセールで出ていたのでget。しばらく積読状態だったけど。

時は明治初期。一人のイギリス人女性イザベラ・バードが横浜港に降り立つ。当時47歳だったとか。そして、20代の男性通訳をお供に、東京から東北地方を巡り、北海道南部を旅する。その様子をイギリスの妹に手紙で綴ったものをまとめたのが本書。

では、イザベラ・バードは当時の日本をどう記述しているのか。

上陸してつぎにわたしが感心したのは、浮浪者がひとりもいないこと、そして通りで見かける小柄で、醜くて、親切そうで、しなびていて、がに股で、猫背で、胸のへこんだ貧相な人々には、全員それぞれ気にかけるべきなんらかの自分の仕事というものがあったことです。
これって、どう捉えたらいいのか。良いも悪いも一緒くたの書きぶり。よく捉えれば、正直と言えるのだろうか。そう、そもそも妹の当てた手紙なので、素直な感想をそのまま綴ったんだろうね。

そして、キリスト教文明と日本人の宗教観の違い。ちょっと長いけど引用。

破綻した宗教の虚構に基づいて創建された天皇の玉座、ばかにする人々から見せかけの敬意を受けている国教、知識階級のあいだで猛威をふるう無神論、下層階級にいばり散らす無知な聖職者、頂点にはみごとな独裁支配を、底辺には裸の労働者を持つ帝国、最も崇高な信条は露骨な物質主義であり、その目的は物質的な幸福です。キリスト教文明の成果を改善し、破壊し、建設し、横取りしています。しかしその果実を生んだ樹木はいらないと拒む──このような対比と矛盾がどこへ行ってもあるのです!
ここも結局何を言いたいのか分かり難いんだけど、無神論、神社と仏閣、キリスト教がごちゃ混ぜの日本人の感覚には相当な違和感があったんだろうね。

それでも、北海道の旅はかなりの好印象だったような。

ひと言で言えば、本州ではできないことがすべてできるのである。また調査と観察に関したことから離れても、この人の少ない地には魅力がある。苫小牧─襟裳岬間の太平洋があげる長く悲しげな音、内浦湾付近の荘厳なわびしさ、蝦夷の暮らしの軽やかさと自由。わたしが心を奪われたこういったものは、わたしの蝦夷の思い出をある面で日本で得た最も楽しい思い出にしてくれているのである。
それでも、未開人とか汚いとかいう単語があちこちに出てくるんだけど…。

いや、かなりな辛辣なセリフもあるけど、それこそ外国人からみた素直な表現なのだろうと捉えることにして、その意味で当時の日本人の様子がストレートに伝わってくる紀行文なのでした〜。

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