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活字中毒者地獄のりす蔵 RSSフィード

2018-08-14

未来を変えた島の学校/山内道雄,岩本悠,田中輝美

| 14:23

未来を変えた島の学校――隠岐島前発 ふるさと再興への挑戦』を読んだよ。やっぱり教育…。

隠岐島前高校で取り組んだ同校の魅力化プロジェクトについて、紹介した本。ここでは、「存続」ではなく、あくまで「魅力化」という点がポイント。そう、「存続」というと小手先の手段に走ってしまうし、日本のあちこちで同じことが行われているけれども、決定打が出ていないのが実情。だから、魅力があれば、存続は自動的についてくるということ。だから、このプロジェクトの正式名称は「隠岐島前高等学校の魅力化と永遠の発展の会」。持続可能性の意味も込められているよね。

勿論、様々な障害はある。例えば、施設・設備や教員等のリソースの問題。これは、

学校内になくても、地域にはもっといい施設や設備はたくさんあるし、本物の現場で経験を積んできたプロもたくさんいる。島前地域唯一の高校なのだから、島前地域全体をキャンパスと考え、学校外の人たちにも“先生”になってもらえばよい。
という考え方でクリアする。これはまさに最近の学校の地域連携の考え方。地域が育てて人材が地域に貢献する人材になる。それが持続可能性に繋がっていくわけだよね。

そして、「観光甲子園」に挑戦する。テーマは「ヒトツナギ」。これを契機に、学習センターの設立や島外出身者の積極的な受け入れなど、取り組みを広げていく。その成果は本書を読んでいただくとして。

最後にこのプロジェクトの中心人物があとがきで語ること。

だからこそ、こうした人の魅力を次の世代につないでいく「魅力ある人づくり」こそが、魅力ある地域づくりの真髄だと確信できた。
うん、これは学校の魅力化とは何かの真髄だよね。それは社会の中の学校の役割としても。隠岐島前高校の今を知りたくなってきたなぁ〜。

未来を変えた島の学校――隠岐島前発 ふるさと再興への挑戦
未来を変えた島の学校――隠岐島前発 ふるさと再興への挑戦山内 道雄 岩本 悠 田中 輝美

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2018-08-05

教育の職業的意義/本田由紀

| 18:03

教育の職業的意義―若者、学校、社会をつなぐ (ちくま新書)』を読んだよ。やっぱり学校は社会と繋がっている。

もう何年も前になるけど、NHKの番組「爆笑問題のニッポンの教養」に登場した本書の筆者の本田由紀氏。ちょっと生意気そうな口ぶりに太田がちょっかいを出すと、多少のイラつきを見せながらもやり返すというシーンが印象的だったような。自分にとっては、そんなことがインプとされていたので、読みたい本リストに長く留め置かれていたってわけ。

で、序章では、本書の目的が述べられているんだけど、その説明として、

それは、問題が山積みしている現代の日本社会の再編という大きな課題に、教育という一隅から取り組もうとすることであり、魔法のような解決策というよりは、言わば社会の体質改善ともいうべき地味な提言であることは否めない。
と筆者。そう、教育の難しさって魔法のような解決策がないってことが大きいよね。時間はかかるし、効果を測るのも難しい。でも、取り組まないと時間とともに泥沼にハマるごとく、落ちていくし。あぁ。

そして、過去にうまく適用されていた日本型雇用について。

しかし、「日本的雇用」を成立せしめていた条件はすでに変化した。今、特異な時期へのノスタルジーを超えて、何がほんとうに必要なのかを認識し、構想し、実現してゆくことが求められている。
労働者雇用者がウィンウィンの関係だった時代はそれほど長くは続かなかったんだよね。今や完全にノスタルジーなのは確か…。

後半は「キャリア教育」について。その弊害について、

目標や活動が漠然としていながらも、「よきもの」として強力に推進されている「キャリア教育」は、そうした「漠然たるよきもの」を生徒個々人が自ら体現しなければならない、という圧力として、教育現場において実体化しているのである。
と筆者。なるほど、「キャリア教育」って耳障りはいいけれども、実態としてはそういう見解も分かる気がするな…。

最後に具体策。

すなわち具体的には、義務教育後の、後期中等教育以上の教育段階については、職業と一定の関連性をもつ専門分野に即した具体的な知識と技能の形成に、教育課程の一部を割り当てるという方策である。
そう、高校においては普通科一辺倒の打破、大学においてはL型G型と言われる大学の類型の話に繋がってくるね。あれ?もしかして、本書がその類型の議論の契機になっていたりして。やるなぁ、本田先生。

教育の職業的意義―若者、学校、社会をつなぐ (ちくま新書)
教育の職業的意義―若者、学校、社会をつなぐ (ちくま新書)本田 由紀

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2018-08-04

知らないと恥をかく世界の大問題9/池上彰

| 12:21

知らないと恥をかく世界の大問題9 分断を生み出す1強政治 (角川新書)』を読んだよ。世界の潮流は右往左往。

いつの間にか名城大学教授の肩書を持つようになった池上彰氏。有名な東工大は特命教授だったのか…。それにしても、いろいろな肩書があるんだね。それはさておき、本書は「知ら恥シリーズ」(出版社が今回から命名したみたい…。)の第9弾。もう9冊目か…。9冊とも読んでいるけれども、やっぱり、中東問題はよく分からないというのが正直なところ。アメリカ、ロシア、中国、EUはなんとなくイメージがつくんだけどね。

で、今回は読んでいておやっと思うことあり。それは、池上氏の意見というか主張がチラチラと見え隠れするから。それは、あのトランプに対する批判的な視点。例えば、

トランプは、国際的な枠組みに入っていないと自国に不利になるということをどうやらようやく理解し始めたようです。
とか、
トランプは「テロとの戦い」などと言いながら、世界中のアメリカ人を危機にさらしたことになります。
とか。今までは中立的なジャーナリストの立場が強かったんだけど、どうもトランプに対しては、そのタガが外れるというか…。そんな印象があるよ。

ただ、トランプのような自国ファーストについては、世界の潮流的な側面があるので、それに対しても全面批判モード。イギリスのEU離脱にしても、スペインのカタルーニャ独立運動にしても、

「自分さえよければ」という行動が、回り回って自分たちにダメージを与えることがわかったのです。
と。自分ファーストって、結局いいことはないよね。一時的な受けはいいので、選挙にはもってこいの戦略なんだろうけど。

そして、この流れについて、

近年、世界は自分の国さえよければいいという“バラバラになるベクトル”が働いていましたが、むしろ「それではいけない」という働きがこれから先は出てくるのではないかと思っています。
との見解。そう、この揺り戻しは意外に早い展開になるかもしれないね。世界の動向が早過ぎるのが最大の問題のような気がするな…。

知らないと恥をかく世界の大問題9 分断を生み出す1強政治 (角川新書)
知らないと恥をかく世界の大問題9 分断を生み出す1強政治 (角川新書)池上 彰

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2018-05-19

未来予測の技法/佐藤航陽

| 19:29

時代を先読みし、チャンスを生み出す 未来予測の技法 (リベラルアーツカレッジ)』を読んだよ。テクニックではないような…。

特段に未来予測に興味があるわけでもなく、何気なく手に取った本書。占いとかいうわけでもなく、単にビジネス書だったからかも。読んでいて分かったんだけど、最近本屋で山積みになっている『お金2.0』の筆者だったんだね。図書館では予約多数で、順番が回ってくるのがいつになるか分からないから、もう『お金2.0』は読まなくてもいいかな…なんて。あぁ、どうでもいいことを述べてしまった。

本書はビジネス的な観点から、如何に未来を予測するか、その手法というより考え方をまとめた本。冒頭で、手法をまとめたと書いているけど、結局は考え方になってしまっているのではないかな…と。

この変化の激しい時代に予測なんてしたって、意味がない。それよりも変化に素早く対応できるようにした方が得策という考え方があるけれども、筆者の考えはちと違う。

「予測を放棄し、変化にすかさず対応する」。一見理にかなったこの戦略は、もはや戦略として意味をなしません。変化を見抜くことが難しい時代だからこそ、未来を的確に予測し、先回りできた企業と個人が最終的には勝利を収めるのです。
と。やっぱり、予測は必要なのね。いや、確かに必要だと思う。何もなければ、対応が対処療法になってしまうからね。

では、その具体的な手法。筆者は、

変化には一定のパターンが存在します。一見ランダムに動いているような市場の変化も、一定のメカニズムに則っています。その意味において、現在は過去の焼き直しであることが多いのです。
と言う。そう、これはそう思う。過去に起こったことが形を変えて、また現れる。それを人類は繰り返しているんだよね。だから、現象だけを捉えるのではなく、その原理を捉えることが重要なんだと思う。手法的には一般化してみるとか。

その一つの例として登場するのが、「エントロピー」。

エントロピーの増大は多くの物事に当てはまるパターンであり、今後IoTがますます進んでいくというのもその具体例のひとつです。なかでも注目すべきは、センサーの拡散です。
ということ。一般化して物事を眺めると、いろいろなことが分かってくるよね。こういう考え方、楽しいなぁ〜。いいなぁ〜。

時代を先読みし、チャンスを生み出す 未来予測の技法 (リベラルアーツカレッジ)
時代を先読みし、チャンスを生み出す 未来予測の技法 (リベラルアーツカレッジ)佐藤 航陽

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2018-04-12

27歳からのMBA グロービス流ビジネス勉強力/グロービス経営大学院

| 15:36

27歳からのMBA グロービス流ビジネス勉強力』を読んだよ。結局はPDCA。

以前に、JMOOCを受講した際に、参考図書として上げられていたのが本書。講座の講師がグロービス経営大学院の教員だったゆえの参考図書なんだろうね。

では、いきなり本書の趣旨。

本書は、「学ぶ技術」を速読術、記憶術、試験必勝法といった即効性のあるスキルを身につけるためのものではなく、「ビジネスパーソンとして成長し続けるために、日常生活そのものを、学び続けるサイクルにするためのもの」 と位置づけて紹介していきます。
そう、これはまさに学びのPDCAサイクルの確立ってこと。そのために、何をどのようにしていったらいいのかを、まとめて紹介しているよ。でも、学びって範囲が広くて、どれをどのように?って考えてしまうけど、結局は、
変化が激しい今の時代に置いて、普遍的に学べることは、唯一「学び方」そのものかもしれません。
ってこと。学び方を学ぶこと、これは意外に重要なんだよね。

で、その学び方。重要なのは「アウトプット」。インプットは今までの勉強の延長でなんとかなるかもしれないけど、アウトプットはあまり学ぶ機会がないからね。筆者曰く、

学びを効果的にするためはアウトプット、アウトプット、アウトプットです。
と、端的。そして、適切なフィードバックを受けるためにも良質なアウトプットが必要になり、
いずれにせよ、レベルの高いフィードバックを引き出せるかどうかは、「自分がアウトプットに対してどれだけ準備を重ねてきたか」ということ次第です。全力でアウトプットするからこそ、その対価として質の高いフィードバックが返ってくるのです。
ということに。

変化の激しい時代に、学び方も変わるんだ…ということを学びました。27歳は遠い昔だけどね。

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