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活字中毒者地獄のりす蔵 RSSフィード

2017-09-24

大人のための国語ゼミ/野矢茂樹

| 06:43

大人のための国語ゼミ』を読んだよ。いつまでも国語の勉強。

筆者の野矢先生は哲学者。でも、論理学の本を書いたりもしているので、ちょっと数学者っぽい面もあったりで、新刊が出る度にその著作が気になる自分。で、今回のテーマは「国語」。哲学論理学と来て、どうして国語?って思うけど、論理を表現する手段の一つがまさに国語であるわけで、当然ながら、言語を組み立てるとは論理を構築するのと同等の作業ってこと…ではないかと。

おっと、小難しい話になってしまった。いや、もっと端的に言うと、人に物事を分かるように伝えるってどういうことなのかということを分かるということ、そして、それが実践できるようになることが、本書の主旨なんだよね。

では、国語をどう駆使していくか。本書で紹介されている考え方を少し紹介。まずは、

事実は多面的である。それゆえ、多くの場合、単純に事実と考えを区別しようとしてもうまくいかない。だいじなことは、自分の意見や見方が相手と共有されているのかどうかを意識すること。そして、共有されていない可能性があるときには、それが自分の意見や見方であることがはっきり分かる語り方をすること。
ということ。これは前提条件と言っていいかもしれないね。これがあってこその、相互理解だからね。

もう一つは、接続表現の重要性。文章は短い方がいいという視点を受けて、

相手のことを考え、迷いそうなところには的確な接続表現を使う。それによって、文章の流れが見えてくる。流れが見えてこない文章は、たとえ一つひとつの文の意味が分かったとしても、「達意」というにはほど遠いものでしかない。
ということ。これも、間違った接続表現を使うと意味が全く違うものになってしまうので、注意が必要だよね。

最後は、質問力

私たちは、生徒として、学校で質問する技術を教えられてこなかった。これは従来の学校教育の欠陥である。私たちは新たに、質問の練習を始めなければならない。
と力強く筆者。そう、自分自身、質問力がないよなぁ〜って思うこと、度々だし。これって、国語力がないってことだったんだ。

久しぶりに国語のテストに取り組んだという感じ。それでもなんだか楽しかったのは、野矢先生の国語力のお陰なのかなぁ?

大人のための国語ゼミ
大人のための国語ゼミ野矢 茂樹

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2017-08-17

オープン・スペース・テクノロジー/ハリソン オーエン

| 16:23

オープン・スペース・テクノロジー ~5人から1000人が輪になって考えるファシリテーション~』を読んだよ。本当にできるのか。

働き方改革とかが最近メディアでよく聞かれるようになってきているけど、キーワードのひとつが会議のやり方。立席でとか、時間を決めてとか、その形態についてはいろいろ紹介されているけれども、そもそも本当にそれで課題が解決できるのかというとそれは別問題。

そこで本書が紹介するオープン・スペース・テクノロジー(OST)という会議手法。著者がOSTの提唱者なんだけど、その起源がなんとも…。あるカンファレンスで「誰もが有意義だったのがコーヒーブレークだった」ということで意見が一致したという事実。

そして、

そして私は1つのシンプルな疑問にたどり着きました。「良いコーヒーブレークにおける協働や刺激と、良いミーティングの内容と成果を組み合わせることが可能だったのではないか?そして何よりも、全部のことが1年以内でできたのではないだろうか?」
という気付きを得る。そこで考案したのが、オープン・スペース・テクノロジーってわけ。

その手法はユニーク。ファシリテーターは基本的には行動しない、見守るだけというスタンス。それでも成果が出る。参加者が主体的に動き、誰がボスなのかも分からないくらい、自己組織化されると。

それでもどうしてそんなことが起こるのか。筆者は、

それは、世界中のどこでOSTを行おうと、また学歴、文化、地位、経済、そして民族あんど、多様なバックグラウンドをもつ人々が集まったグループに対して実施しようと、OSTを使用するたびに、毎回起こるのです。
と言い、その理由は分からない…とまで。ちょっと待て、提唱者がそんなことを言っていいのか…とは思うけど。

さて、実際にやってみて、どういう結果がでるか…。ある意味、愉しみになってきた。

オープン・スペース・テクノロジー ~5人から1000人が輪になって考えるファシリテーション~
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2012-11-04

読み上手 書き上手/齋藤孝

| 06:39

読み上手 書き上手 (ちくまプリマー新書)』を読んだよ。聞く話すより難しい。

そのものズバリ、読む力と書く力を如何につけるかを中高生に説いた本。もちろん、大学生が読んでも使えるノウハウだし、我々社会人が読んでも頷ける部分も多々有り。

全体は三部構成で第一部は基礎編。「読む・書く」の繋がりを見つけることが主題だけど、その根っこにあるものはアンテナを立てるということだそうな。まずは活字に触れること。雑誌でも普段は手にしないようなものも手にとってみる。そうすると自然とビビッとアンテナが立ってくるのだとか。その結果は、

面白そうなものを探すアンテナが発達してくると、読むものにハズレがなくなってきます。しかもアンテナの幅が広ければ広いほど、読みたくなるものがたくさん増えてきます。「読む・書く」ということの大もとにある知的好奇心がどんどん刺激されてくるわけです。ここが大切です。
ということ。今のアッシがそうかも。たまにハズレはあるけど…。

第二部は応用編。「読み書き」を極めるがテーマ。ここでは少しテクニカルな話。

例えば、「発問」を作り出すということ。一問一答で終わってしまう問いではなくて、話が広がる可能性がある発問が重要。

「これについてはどうなのだろう?」とまず自ら「発問」しておいて、その答えを書いていく、それだけで格調高い文章に一歩近づけます。
と。…とは言っても、その発問作りが難しいのかも。

第三部は実践編。東大の国語入試問題に挑戦したり、エントリーシートを書いたりする課題に挑戦する。

ここまでくると、単にモノの書き方ではなくて、完全に受験や就活対策本。「弁証法」とかも出てくるし。

最後に、齋藤先生がエントリーシートを書くとしたら…という話が出てくる。ここで、

私にとって学問とは、物事を見るときの視点が技として身につく、あるいは役立つような武器を手に入れるということです。
と齋藤先生。新しい視座を手に入れるとで、他のものを見る見方が変わってくるとも言っているよ。そのためには、やっぱり本を読まなくてはいけない。書くことの前に読むこと。アッシは継続的に実践中です〜。

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2012-02-19

ワールド・カフェをやろう!/香取一昭,大川恒

| 07:25

ワールド・カフェをやろう』を読んだよ。ひとつのパラダイムシフト。

去年、アッシの周辺ではちょっとしたワールド・カフェブーム。ワールド・カフェ入門から始まって、その応用としてIRや危機管理をテーマにしたワールド・カフェに参加したり。ワールド・カフェそのものは難しくないし、やってみると楽しいので、結構はまったかも。

ということで、一応まとまったものを読んでおきたいという思いで、本書。ワールド・カフェに関する本は、それほど多くは出ていないので、入門編としては、この本以外に選択肢はないかも。本格的に読むには、ワールド・カフェの発明者の書いたもの読むしかない感じ。

では、本書の内容。

序章では、ワールド・カフェについて、その歴史から始まり、全体を概観する。そこで目に留まったのが、

海外に目を転じると、ワールド・カフェは「学習する組織(未来を創造する能力を強化し続ける組織)」に関連する研究者、実務家などから幅広い支持を受けて世界各国で行われてきています。
という一文。キーワードは「学習する組織(ラーニング・オーガニゼーション)」。このキーワード、アッシ的には『最強組織の法則』を読んでから、ずっと気になっている言葉。学び続ける組織でなくてはいけないって。そのためにもワールド・カフェの手法が使えるんだよね。

中盤は、ワールド・カフェの準備から実施方法までと実務的な話題。その後は一般的な事例とか、応用事例など。

後半は、ワールド・カフェに伴う思想的な側面の話。

まずは、ワールド・カフェはディスカッションではなくダイアログであるという点。

両者の最もきわだった違いは、ディスカッションが相手を論破して自分の考えを通そうとするのに対して、ダイアログでは相互理解を深めようと、相手の考えの背景を理解しようとする点にあります。
と説明しているよ。ワールド・カフェは結論を出す必要がなく、結果的にお互いを高めあることができるのは、このダイアログの実践によるものだんだろうね。

もうひとつは、前述の「学習する組織」に関すること。

これからは、知識の創造を一部の専門家が担うのではなく、皆で相互作用を積み重ねることによって、知識を共創し共有していく時代になると説明しました。
そう、これってまさにインターネットの時代を象徴する言葉。誰でも知識は得られる時代に足りないものは何かと言ったら、そこから生まれる集合知とかコラボレーションによる新たな価値だよね。これって、どこかに本にもたくさん書いてあることだけど、こういう時代だからこそ、ワールド・カフェが今の時代に出現して来たんだろうね。

ワールド・カフェをやろう!
ワールド・カフェをやろう!香取 一昭 大川 恒

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2008-08-26

暗号解読

| 17:15

『暗号解読』を読んだよ。人間の考えることってスゴイ…。

同じ作者(サイモン・シン)の『フェルマーの最終定理』がすごく面白かったので、夏休み期間中のこの時期に本書に挑戦。文庫本2冊で722頁もの長編ドキュメント。

でも、期待通りの面白さ。数々の暗号解読の手法を懇切丁寧に説明しているし、それ以上にそれらの暗号に関わる人々にまつわる話が面白い。とにかく長いけど、まったく飽きさせず、一気に読破した感じ。

出だしは、スコットランド女王・メアリーの暗号を話題に取り上げ、暗号の基礎的な手法を紹介しているよ。単純な転置式暗号と換字式暗号を取り上げ、カサエル・シフトや単アルファベット換字式暗号などを実録を伴いながら説明する。そして、その解読手法も。解読なんて考えてもみなかったけど、よ〜く考えてみると解法が見つかるのだから、すごいよ。

で、冒頭のスコットランド女王は、暗号が解読されてしまった為に斬首されてしまったのだけれどもね。

解読可能な暗号は使われなくなる。そこで登場したのが、ヴィジュネル暗号などの多アルファベット換字式暗号。これはかなりの強力な暗号で“解読不能の暗号”とまで呼ばれたとか。

…ところが、人間の知恵はすごい。登場するのは、コンピュータの雛形を作ったを言われるバベッジ。天才だ…。

そして、人々の間に暗号が浸透する。エピソードとして語られるのが“ビール暗号”という実話。さらに、軍用目的での利用にまで発展するわけ。ドイツの暗号機・エニグマの誕生だ。

このエニグマも凄いよ。よくぞ、ここまで考えたと思うくらい、創意工夫の集大成。

…ところが。

結局、エニグマも解読されてしまう。

さらには、チューリングによってエニグマ暗号の解読機械まで作られてしまう。

ふ〜、どうなっているんだ。人間の欲望とか向上心とか、底知れないものがあるのを感じずにはいられない…。

途中で、ロゼッタストーンなどに代表される古代文字の解読などの話題が混じる。ここでも解読の手法が、いままでの暗号解読の手法が使われているのが面白い。

終盤は、電子通信の発達に伴った新たな問題としての、鍵交換システムの問題を取り上げているよ。RSAやPGPなど。

ここで活躍するのが数論などを駆使した数学。モジュラー演算などは、『フェルマーの最終定理』にも登場していたよね。一方向関数では素数の乗算がその鍵となっているし。

いや〜、これは本当に面白い。読ませる筆者の筆力も凄い。翻訳もよいと思う。『フェルマーの最終定理』も面白かったけれども、どちらも人間を描いているドキュメント。

この夏休みの最高の一冊に出会えました〜。

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