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活字中毒者地獄のりす蔵 RSSフィード

2017-10-22

日本の異界 名古屋/清水義範

| 07:21

日本の異界 名古屋 (ベスト新書)』を読んだよ。異界っていうより…。

清水センセーの名古屋モノにはすぐに飛びつきたくなる悪い?癖のある自分。今回も本屋の平台で見つけた時はすぐにチェック。意外?にも、図書館では予約があり、近頃名古屋ブーム?というのは単なる思い違いか?

ということで、本書は名古屋の魅力を清水センセーが存分に語る本。そもそも、どうして名古屋の魅力が伝わらないのか?という疑問に対し、

なぜなら、名古屋の人に、名古屋はいいところだと外に向かってアピールする気がまるでないからだ。
と清水センセー。そう、この点に、名古屋を分析するにあたっての大きなヒントが隠されているんだよね。

さらには、

その意味で名古屋とは、ガラパゴス的な地方なのだ。門戸を閉ざして他を受け入れないのだから、魅力があるのかないのかも外からはわからないのである。名古屋は自分たちだけで完結しているというのはそういう意味だ。
とも。うん、これで全部が説明できてしまうような…。

この説明の特徴的な具体例が、ツレ・コネクション。とにかく、仲間内ですべてが完結してしまう。それが、経済界にも波及するし、名古屋弁の使い方にも現れてくるわけで。

こんな風にあれこれ名古屋の特徴を考えてみるに、名古屋って日本の異界っていうより、日本のスタンダードなんじゃないかと感じた次第。世界から見た日本って、まさにガラパゴスなんじゃないかなぁ〜?だからこそ、名古屋に注目してしまう自分なのでした…。

日本の異界 名古屋 (ベスト新書)
日本の異界 名古屋 (ベスト新書)清水 義範

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2017-09-30

やっとかめ探偵団/清水義範

| 19:55

やっとかめ探偵団 (光文社文庫)』を読んだよ。文字にできない名古屋弁

この『やっとかめ探偵団』はシリーズ化していて、本書が第1弾ってこと。でも、以前に『やっとかめ探偵団と殺人魔』を読んでいたので、自分的には第2弾。そして、相変わらず名古屋弁が強烈に登場するよ。一人だけ標準語を話す人物が出てくるんだけど、この人が出てくるとホッとする感じ。

そして、名古屋弁の薀蓄も。「やっとかめだなも。」と言うのは、高齢者がほとんどだとか。地区や年代によって、微妙に違ってくるとか。名古屋の人は身内意識が強いとか。

さらに、ドラゴンズの話題も。中日ファンのセリフを紹介。まずは、元巨人の槙原評。

「あいつは大府高校の出身なのに裏切って巨人へ行ったんだがや」
と。入団当時の立浪については、
「あいつはええぞ、藤王に期待した分返してもらうでよう」
と。いやぁ、中日ファンだったら、全員が同じセリフになりそう。それが分かる自分はどっぷりなわけだ。

おっと、肝心の小説の中身について、何も言っていないか。そう、まつ尾婆ちゃんは相変わらずの元気振りで嬉しいよね。そして、謎解きはアッサリで、こんなにシンプルで分かりやすい推理小説は無いという感じ。そもそも推理小説なのかという疑問はあるけどね。それより、もう少し、名古屋弁を鍛えないといかんがやぁ〜。

やっとかめ探偵団 (光文社文庫)
やっとかめ探偵団 (光文社文庫)清水 義範

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2017-09-07

神々の午睡/清水義範

| 15:45

神々の午睡 (講談社文庫)』を読んだよ。人類最大の発明か。

タイトルから類推するに、いろいろな神様が登場してちょっとした事件から大事件まで起こして、さてどうなるやら…という感じかなと読み始めたけど、筆者が清水センセーだったことをすっかり忘れていたのは自分の不覚。そう、今回もパロディー的小説。

そして、その対象となったのが、世界三大宗教のキリスト教、仏教、イスラム教。宗教の名前こそ違っているけれども、読み進むほどにどの宗教をパロっているのかが分かってくる。分かるとまたさらに小説の面白さが増幅するっていう仕掛け。

冒頭は、その宗教の起源から。三人の開祖の物語。イエス・キリスト、ゴータマ・シッダルーダ、ムハンマドのパロディーが登場するよ。もう、この段階で面白過ぎるのに、続きの物語がさらに楽しい。後継者とか、教えの解釈の問題とか。例えば、

亡くなった偉人の遺した言葉というのは、後世の研究の対象であり、論争の種になっていく。ひとつの言葉の解釈をめぐって、それを理解するための諸説が入り乱れたりするのである。ひょっとしたらもともとの言葉には大した意味はなく、言った本人も、なんだか今日はとりとめのない話になってしまったな、と反省していたのかもしれないのに。
ということ。そうそう、絶対にそういうことってあるんだと思う。もっと悪いことに、後で「あっ、あれは失敗だったな。」って思っていたことも、遺されていたりするんだろうな。

さらに、解釈を発展させて、別の概念を作り上げる事例も。

アルカマ・ミザーロは神を説いたが、悪魔などは説きはしなかった。ところが教会はいつの間にか、悪魔の存在を口にするようになり、二神教に近いことを言うようになっていたのである。
これはもう、自己矛盾を起こしているよね。

そして、近現代。宗教対立を背景に戦争も起こる。

「もしそうだとすれば、神様はどうしてそんな、神の教えに従わない存在をお造りになったのでしょう。それはただ、亡ぼされるために創造されたのでしょうか」
と登場人物の一人が語る。これも自己矛盾が内包しているわけ。

やっぱり、神様ってそんなつもりで世の中を作ったわけじゃないんだろうに…という思いは消えないなぁ〜。

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2017-08-15

夢をかなえるゾウ2/水野敬也

| 15:47

夢をかなえるゾウ2 文庫版』を読んだよ。幸子さんがステキ。

前作『夢をかなえるゾウ』を読んだのははるか昔の話。その第2弾が出ていたのは知っていたけれども、文庫版まで待とうかなということで、本書。それでも、図書館では予約しないと読めない状況。このシリーズは人気があるんだね。

さて、登場人物は前作と同様の「僕」という男子。今回の設定は売れないピン芸人。そこにガネーシャがしつこく絡んできて、「僕」は幸せになれるのか…といった物語。

そして、脇役でいい味を出すのが幸子さん。彼女の設定は本書を読んでいただくのがいいけれども、ガネーシャのような荒唐無稽、傍若無人という性格の対極という感じ。だから、

そのときの幸子さんの表情は、僕より遥かに、覚悟を決めているように見えた。
ということになるんだよね。いや、こう書いてしまうと、幸子さん、非常にまともな人にように思えてしまうんだけど…。

さらに、相変わらずのガネーシャ。

ガネーシャの、自分を持ち上げようとする執念はもはや病気の域だと思った。
と「僕」が思うほど。確かに、これでもかというくらいの振る舞いなんだけど、逆になんだか羨ましかったりするのは何故なんだろう。

いいなぁ〜、ガネーシャ。第3弾も楽しみにしております〜。

夢をかなえるゾウ2 文庫版
夢をかなえるゾウ2 文庫版水野敬也

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2017-08-12

青い鳥/モーリス・メーテルリンク

| 06:52

青い鳥 (講談社文庫)』を読んだよ。寓話って何だろう。

モーリス・メーテルリンク作のこの作品。原作は戯曲として書かれたものを江國香織氏が「物語」として訳し直したものが本書。戯曲としての作品を読んだことがないから、自分的には初『青い鳥』。多分、子供の頃にも読んでいなかったと思う。欧州系の寓話はたくさんあるけど、どれも縁が無かったな…。

さて、主人公はご存知の通り、ティルティルとミティルの兄妹。二人は幸せの青い鳥を探しに旅に出る。でも、そのきっかけがなんとも言えず、理不尽なもの。そんなことで危険な旅に出ようなんて…と思うくらい。いや、子供の行動はちょっとしたことで起爆剤になるっていう教訓か…。

旅のお供もユニーク。犬や猫は分かるけど、水や砂糖やパンや火まで。おっと光なんていうのもいたか。この光の役割が結構重要だったりするんだけど。

そして、旅の行く先も何かを象徴するという感じだし、その旅先で出会う人々も象徴的。要は、人の成りをした概念という感じ。ここまで来ると、哲学的というか、理屈っぽいというか…。

でも、寓話だから、これを読んだヒトが何かを感じ得なければならないよね。自分的にはそのヒントが、

「わかったでしょう?人間は、人間以外の世界を全部、敵にまわしているのよ」
とか、
「私たちはどこにも行っていないわ。同じ場所にいるの。あなたの、物の見方が変わっただけよ。物事の本質を見ているの。ダイヤモンドの輝きに負けない、ほんとうの喜びがここにあるのよ」
とかの辺りかな…なんて思う。

いや、本来ならば、幸せのあり方はどうなのか?ってことを語らなくてはいけないのかもしれないけど、どうもそういう気分になれなかったのは、単に天邪鬼的な気分だったからなのかも。

気を取り直して、戯曲としての作品を舞台で見るのもいいかなぁ〜。

青い鳥 (講談社文庫)
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