Hatena::ブログ(Diary)

活字中毒者地獄のりす蔵 RSSフィード

2018-03-17

ブロックチェーン革命/野口悠紀雄

| 11:33

ブロックチェーン革命 分散自律型社会の出現』を読んだよ。IT革命の完成版。

今回も引き続き「Fintech」。筆者は野口悠紀雄先生だから、『仮想通貨革命』の続きっていう感じかな。だから、『FinTechが変える!』よりは、さらに社会的な観点からの「ブロックチェーン」を論述しているよ。

そして、論点は副題にある「分散自律型社会」ということ。要は、ブロックチェーン技術が分散自律型社会を出現させるということ。いや、Internetの出現により分散型社会になりつつあるんじゃないの?って思うかもしれないけど、金融的にはまったくそうなっていないということ。改めてそう言われると確かにそうかも。お金って未だに金融機関を通さなければ、何もできない状態だよね。でも、ブロックチェーンの技術は金融機関だけに留まらない。そこで、

世界はいま、ブロックチェーンという新しい技術の潜在力に気付いた。そしてそれが、未来のビジネスチャンスの宝庫であることに気付いた。それだけではなく、この技術が社会と経済を根底から変えてしまうことを認識したのだ。これはインターネット黎明期と同じような状況だ。
と筆者。金融機関以外では、IoTサプライチェーン医療、教育などでも用いられるということ。ピンとこない分野もあるかもしれないけど、P2Pという概念が分かれば、同じことだと気づくんだよね。

もう一つ、信頼性をどう考えるかという問題。

ブロックチェーンの世界においては、人や組織を信頼する必要がない。改竄できないデータがブロックチェーンに埋め込まれているからだ。そして、数千台のコンピューターが働いてそれを維持している。これこそが信じるに値するものである。
そう、大企業だから、行政のやることだから信頼できるという世界からの脱却。だからこそ革命なのかもしれないけど、人々の心がここまで変えられるのか…。ましてや日本では難易度が高そうな気がするよね。

いや、いつの間にかそんな世界になっていた…っていうのが世界の変え方なのかなぁ〜。

ブロックチェーン革命 分散自律型社会の出現
ブロックチェーン革命 分散自律型社会の出現野口 悠紀雄

日本経済新聞出版社 2017-01-19
売り上げランキング : 10580


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

応援クリックはこちら→にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

2018-01-28

クラウド時代の思考術/ウィリアム・パウンドストーン

| 00:06

クラウド時代の思考術―Googleが教えてくれないただひとつのこと―』を読んだよ。タイトルに異議あり!

しかも、副題が「Googleが教えてくれないただひとつのこと」だから、なんとなく『〈インターネット〉の次に来るもの』を想像するのは必然。でも、本書の内容はちょっと違う。

テーマは「ダイニング=クルーガー効果」。それは、

知識や技術にもっとも欠けた者の特徴は、知識や技術の欠損をまったく理解できないことだ。
ということ。そう、Googleで検索すれば、知識は簡単に手に入る時代。だからこそ、知識を持つ必要はないのか?という疑問が起きる。だから、本書は、
事実を簡単に調べることのできる世界にいて、なお事実を知ることに価値があるのだろうか?この本はこうした単純な質問に答えを出す試みである。
ということに。

では、筆者は何をしたか。それは世論調査手法を使い、知識所得相関関係を調査すること。本当にどうでもいいようなちょっとした知識を質問項目として上げてみる。そして、その人の所得との相関関係を分析するわけ。例えば、歴史の教科書によく出てくる人物の写真を提示し人名を答えさせるとか、ビックマックのカロリーはどのくらいか?とか。

この相関関係の話が延々と続く(400頁のうち300頁位上はその話)んだけど、知識は必要なのか?という冒頭の命題の結論はというと…。そう、やっぱり、知識は必要なんだと。その理由も長いんだけど、例えば、

広い知識の持ち主は、恐ろしくひどい決断をすることはまずなさそうだ。それは彼らが全体を見渡していて、自分が知らないことを、はっきり述べることができるからだ。
と。いや、これってイメージ的には理解していることだよね。まぁ、知識は必要なことには間違いない。なんでも検索できる時代でも、その文脈知識がないと理解できないわけだからね。

それにしても、長かった…。

クラウド時代の思考術―Googleが教えてくれないただひとつのこと―
クラウド時代の思考術―Googleが教えてくれないただひとつのこと―ウィリアム・パウンドストーン 森夏樹

青土社 2017-01-25
売り上げランキング : 230926


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

応援クリックはこちら→にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

2017-04-12

大前研一 IoT革命/大前研一

| 00:01

大前研一 IoT革命 ―ウェアラブル・家電・自動車・ロボット あらゆるものがインターネットとつながる時代の戦略発想 (「BBT×プレジデント」エグゼクティブセミナー選書)』を読んだよ。どこまで効率化を求めるのだろうか。

最近のIT業界のキーワードのひとつ、IoT。関連する書籍を読みたいとは思っていたんだけど、手に取った最初の一冊が本書。大前研一氏がお持ちの論を聞きたかったからというのもあるけど、ビジネス書の棚に本書以外にピンと来るものがなかったのも事実。

では、IoTによって何が起こるか。分かりやすいのが、

また、製造販売や保守点検で稼ぐ「契約モデル」から、インダストリアル・インターネットによってデータ解析で効率アップを約束し「利用分を売る」モデルへの転換を図っている。
というGEの事例。これって逆説的で面白い。Internet of Things、つまりモノに主眼を置いているのに、モノが売買の主体ではなくなるということだよね。

まとめてしまうと、

IoTビジネスの本質は、デバイスを通して収集したデータを分析、活用することで新たな価値を創造し、経済的な利益を得るというところにある。
ということ。つまり、モノは単なる情報収集の為の入力装置になるってことか…。あるいは出力装置にもなり得るか…。

もう一人の言葉をご紹介。

自動車部品のサプライヤーであるコンチネンタル社のヴェルナー・ケストラー氏曰く、

このようにモビリティをサービスとして提供するプレイヤーにとって車は、サービスを提供するためのツールにすぎません。つまり、携帯電話と同じように、車もコモディティ化していくのです。
と同様のお考え。そう、車を所持する時代ではなくなると。車を単なる移動手段と捉えれば、それは当然の帰結かもしれないね。

さて、IoTによって効率化される時代。IoTの次はあるのだろうか?と心配になってくるんだけど…。

大前研一 IoT革命 ―ウェアラブル・家電・自動車・ロボット あらゆるものがインターネットとつながる時代の戦略発想 (「BBT×プレジデント」エグゼクティブセミナー選書)
大前研一 IoT革命 ―ウェアラブル・家電・自動車・ロボット あらゆるものがインターネットとつながる時代の戦略発想 (「BBT×プレジデント」エグゼクティブセミナー選書)大前 研一

プレジデント社 2016-09-13
売り上げランキング : 55408


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

応援クリックはこちら→にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

2017-02-11

オープンエデュケーション/重田勝介

| 01:12

オープンエデュケーション』を読んだよ。日本の大学は危機感無し。

発刊が2014年12月だから、ちょうど日本ではJMOOCが始まった頃だったかね。日本の有名大学ではOCWとかも始まっていて、いよいよ教育のオープン化が日本でも始まるか…と勢いづいていた時期かもしれない。ということで、当時はタイムリーな本だんだろうね。

内容としては、その教育のオープン化がテーマ。その手段としてのインターネットがあって、オープン化に取り組む組織があって、それを受益する人々がいて、どういう仕組みになっているのか…という内容をまとめたもの。

前半はオープン化に行き着く前のメディア論。教育はメディアを通じて伝達されてきていたから。だから、『知の進化論』と内容が重複したけど。メディアの進化はインターネットに行くつくわけなんだけど、これにより、

それゆえ、オープンエデュケーションは、教育機会を拡大するという社会貢献活動だといえる。
と筆者。そう、誰でもどこでもいつでもっていう感じだよね。さらに、オープン教材は教育コストの低減にも貢献するとも言っているよ。米国では教科書代の高騰化が問題になっているとか…。

さて、米国から広まっているオープンエデュケーション。翻って我が日本ではということになると、

寄付団体や政府補助などの財政的基盤が乏しいこと、海外の諸外国と比べ高等教育の抱える問題がまだ顕在化していないことが、オープンエデュケーションの活動がわが国で広まりにくい背景だと考えられる。
と言う。この状況って、いまでもそれほど変わっていないような気がする。日本の高等教育機関は変えようとする気がないだけのような…。そう、JMOOCもブーム的に下火の印象があるし…。

内容的には読み物というより、レポートという印象。何となく平板な感じに落ち着いているのが残念な感じ。専門家としての大学教員が書いているから、そうなるのか…。もう少し突っ込んだ話が読みたかったなぁ〜。

オープンエデュケーション
オープンエデュケーション重田勝介

東京電機大学出版局 2014-12-10
売り上げランキング : 737403


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

応援クリックはこちら→にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

2017-01-28

知の進化論/野口悠紀雄

| 12:12

知の進化論 百科全書・グーグル・人工知能 (朝日新書)』を読んだよ。知の歴史、おさらい。

野口悠紀雄氏の著作物は何年ぶりだろう。もしかしたら、『「超」整理法』以来かもしれない。『「超」整理法』は面白かったという印象が強いので、自分的には、野口悠紀雄氏の名前はいつまでも頭に残っていた感じ。

で、人間が知識をどのように伝達していったか、その歴史を現代まで辿り、その劇的な変化を解説したのが本書。だから、知識の進化というより、メディアの進化なんじゃないかなぁ〜って思うけど。

そして、知識はどのように伝達されていたのか。隠蔽されたのが基本になっていて、徐々に万民に開放されていく。順序としては、印刷技術の発展があり、百科事典の発刊があり、そして、インターネット時代のオープン化。当然、これらの動向には課題があり、難しい言葉で言えば、「排除可能性」と「限界費用」という点からの議論であると筆者。経済活動と知の世界とのせめぎ合いと捉えたらいいのかな。

さらに、Google検索の時代。いつでもどこでも検索できるので、知識は外部にあればよいという議論があるけれども、それは本当だろうか。筆者の答えはNo。

その場合、知識が内部メモリ、つまり自分の頭の中に引き出せていない限り、それを発想に有効に使うことはできません。したがって、アイディアの発想のためには、いまでも多くの知識を内部メモリに持っていることが必要です。
と。そう、やっぱり知識が頭に中にあることで、それから複雑に繋がり合い、新しい発想が生まれるんだよね。

最後は人工知能。人間の知的な活動は人工知能に代替されるのかという素朴な疑問に、

第1章で述べたように、ニュートンの研究動機は、「自分の密かな抑えがたい欲求を満足させること」だったのです。つまり、知識の獲得それ自体が目的化していたことになります。ここでは、知識は最も価値が高い消費財になっています。
と説明しているよ。つまりは、人工知能は知識を消費財として捉えることは有り得ないということだよね。人間の飽くなき探究心って、底知れないわけだ。

さて、これを契機に『「超」整理法』でも、読み直してみようかなぁ〜。

知の進化論 百科全書・グーグル・人工知能 (朝日新書)
知の進化論 百科全書・グーグル・人工知能 (朝日新書)野口悠紀雄

朝日新聞出版 2016-11-11
売り上げランキング : 16773


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

応援クリックはこちら→にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ