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活字中毒者地獄のりす蔵 RSSフィード

2017-10-28

伊藤元重が警告する日本の未来/伊藤元重

| 22:23

伊藤元重が警告する日本の未来』を読んだよ。世界の経済的潮流を知る。

自分的にはちょっとした伊藤元重先生ブーム。池上彰氏とはちょっと違った観点で世界の潮流を知ることができるのが、今のお気に入りの理由かな。経済的な視点て、自分の中で過去にあまりなかったし。

さて、ではどんな警告なのか。前半は技術革新の社会がどう変わるのかという点。後半はトランプ大統領を中心とした保護主義が世界の経済に与える影響について。でも、警告っていうのは大げさで、まさに潮流を詳しく解説し、伊藤氏の見解を披露するという感じ。

では、前半の技術革新について。IoTAIが社会を変えるというのは既に既成の事実となりつつあるけれども、日本は乗り遅れていないか?と懸念は大きいよね。でも、少子高齢化先進諸国の中で最も進んでいる日本は、その課題解決に技術革新によるソリューションを展開するには最適な環境なわけ。だからこそ、

企業が生き残るには、過去に見てきた世界のイメージを捨て、これから先の世界の変化に対してフォワード・ルッキングの姿勢を取ることが求められているのではないでしょうか。
と伊藤氏。破壊的イノベーションって、まさにこういうことなんだよね。日本の得意とする改良型イノベーションではダメなんだよなぁ〜。

後半は通商政策と経済問題。自国ファーストという保護主義政策が進む一方で、グローバル化といった流れもあり、単にアメリカに踊らされているだけのような気がしないわけではない日本の現状。それに対し、

もちろん私は、保護主義的な議論のすべてが悪いだとか、未熟だとかいうつもりはありません。正しい議論もたくさんあります。しかし、何か問題が起こればすぐにその原因をグローバル化市場経済に求める保護主義的な考え方は、物事単純化しすぎていると思います。またそれが単純でわかりやすいがゆえに、多くの人々の間にどんどん広まってそれが世の中全体のムードになってしまうことこそ、むしろ問題だと思います。
と筆者。あぁ、ここでもやっぱりわかりやすいことに流れてしまう思考停止という課題が…。自分の頭でしっかり考える事。それこそが、筆者の発する警告なんじゃないかなぁ〜。

伊藤元重が警告する日本の未来
伊藤元重が警告する日本の未来伊藤 元重

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2017-10-17

アジア辺境論/内田樹,姜尚中

| 19:11

アジア辺境論 これが日本の生きる道 (集英社新書)』を読んだよ。現実的なんだろうか…。

内田先生の『日本辺境論』を読んで、自分的には目から鱗。そう、辺境だから故に、世界から見たらヘンな日本なんだいう認識が持てたっていうわけ。それ以来、内田先生の辺境論に傾倒しているわけで、本書が出た時は勿論必読を決意ってこと。

で、今回は内田先生と姜尚中氏がユーラシア大陸の辺境地域について、語るというもの。その主旨は、東アジア地区を辺境であると定義し、日本、韓国台湾(場合によっては香港まで)での連帯を!ということ。その是非は本書を読んで、考えてもらうとして、自分としては、内田先生の目から鱗的な論考を本書の中から読み取りたいな…というイメージ。

まずは、はじめにから。

日本が「アメリカ属国であって、主権国家ではない」限り、日本が自前の世界戦略を語る日は来ないだろうと僕は思います。
内田先生。つまりは、日本は未来を語るビジョンを提示てきていないということ。だからこそ、本書でそれを語るのだとも。

そして、反知性主義という用語から。複雑な話から単純な話に還元しようとする誘惑を反知性主義と定義する。そう、本当は「そんな簡単な話じゃない」ことは分かっているのに、「簡単な話」にして、知的負担を軽減する。そう、今の社会はそういう傾向が強いよね。政治の論点にしてもそう。だから、

反知性主義感染力が強い。あくびがうつるように、ため息がうつるように、「もう難しいことを考えるのに疲れたよ」という愁訴はあっという間に広がってしまう。この徒労感からどうやって民主制を守るのか、それが喫緊の課題だと僕は考えています。言い換えるなら、「難しいことを考えることを厭わない」という意欲をどうやって保持するか、もっと踏み込んでいえば、「難しいことを考えることをむしろ好む」ような傾向をどうやって創り出すか。それが民主制を守るための思想的な急務ではないか。僕はそんなふうに考えています。
内田先生。いや、まさにおっしゃる通り。論点が単純なのは分かりやすいけど、そうそう物事の本質は単純ではないからね。考えることを厭うことを放棄したくはないよね。

それを思うと今度の選挙。なんだかそれでいいのかなぁ〜という違和感だけが残るんだけど。

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2017-09-24

大人のための国語ゼミ/野矢茂樹

| 06:43

大人のための国語ゼミ』を読んだよ。いつまでも国語の勉強。

筆者の野矢先生は哲学者。でも、論理学の本を書いたりもしているので、ちょっと数学者っぽい面もあったりで、新刊が出る度にその著作が気になる自分。で、今回のテーマは「国語」。哲学、論理学と来て、どうして国語?って思うけど、論理を表現する手段の一つがまさに国語であるわけで、当然ながら、言語を組み立てるとは論理を構築するのと同等の作業ってこと…ではないかと。

おっと、小難しい話になってしまった。いや、もっと端的に言うと、人に物事を分かるように伝えるってどういうことなのかということを分かるということ、そして、それが実践できるようになることが、本書の主旨なんだよね。

では、国語をどう駆使していくか。本書で紹介されている考え方を少し紹介。まずは、

事実は多面的である。それゆえ、多くの場合、単純に事実と考えを区別しようとしてもうまくいかない。だいじなことは、自分の意見や見方が相手と共有されているのかどうかを意識すること。そして、共有されていない可能性があるときには、それが自分の意見や見方であることがはっきり分かる語り方をすること。
ということ。これは前提条件と言っていいかもしれないね。これがあってこその、相互理解だからね。

もう一つは、接続表現の重要性。文章は短い方がいいという視点を受けて、

相手のことを考え、迷いそうなところには的確な接続表現を使う。それによって、文章の流れが見えてくる。流れが見えてこない文章は、たとえ一つひとつの文の意味が分かったとしても、「達意」というにはほど遠いものでしかない。
ということ。これも、間違った接続表現を使うと意味が全く違うものになってしまうので、注意が必要だよね。

最後は、質問力。

私たちは、生徒として、学校で質問する技術を教えられてこなかった。これは従来の学校教育の欠陥である。私たちは新たに、質問の練習を始めなければならない。
と力強く筆者。そう、自分自身、質問力がないよなぁ〜って思うこと、度々だし。これって、国語力がないってことだったんだ。

久しぶりに国語のテストに取り組んだという感じ。それでもなんだか楽しかったのは、野矢先生の国語力のお陰なのかなぁ?

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2017-08-12

青い鳥/モーリス・メーテルリンク

| 06:52

青い鳥 (講談社文庫)』を読んだよ。寓話って何だろう。

モーリス・メーテルリンク作のこの作品。原作は戯曲として書かれたものを江國香織氏が「物語」として訳し直したものが本書。戯曲としての作品を読んだことがないから、自分的には初『青い鳥』。多分、子供の頃にも読んでいなかったと思う。欧州系の寓話はたくさんあるけど、どれも縁が無かったな…。

さて、主人公はご存知の通り、ティルティルとミティルの兄妹。二人は幸せの青い鳥を探しに旅に出る。でも、そのきっかけがなんとも言えず、理不尽なもの。そんなことで危険な旅に出ようなんて…と思うくらい。いや、子供の行動はちょっとしたことで起爆剤になるっていう教訓か…。

旅のお供もユニーク。犬や猫は分かるけど、水や砂糖やパンや火まで。おっと光なんていうのもいたか。この光の役割が結構重要だったりするんだけど。

そして、旅の行く先も何かを象徴するという感じだし、その旅先で出会う人々も象徴的。要は、人の成りをした概念という感じ。ここまで来ると、哲学的というか、理屈っぽいというか…。

でも、寓話だから、これを読んだヒトが何かを感じ得なければならないよね。自分的にはそのヒントが、

「わかったでしょう?人間は、人間以外の世界を全部、敵にまわしているのよ」
とか、
「私たちはどこにも行っていないわ。同じ場所にいるの。あなたの、物の見方が変わっただけよ。物事の本質を見ているの。ダイヤモンドの輝きに負けない、ほんとうの喜びがここにあるのよ」
とかの辺りかな…なんて思う。

いや、本来ならば、幸せのあり方はどうなのか?ってことを語らなくてはいけないのかもしれないけど、どうもそういう気分になれなかったのは、単に天邪鬼的な気分だったからなのかも。

気を取り直して、戯曲としての作品を舞台で見るのもいいかなぁ〜。

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2017-05-21

いま世界の哲学者が考えていること/岡本裕一朗

| 06:01

いま世界の哲学者が考えていること』を読んだよ。哲学的にものを見る。

タイトルから見るに、ちょっと腰が引けるようなレベルかな?と思ったけど、世界の潮流を概観するにはちょうどいいかな…と、読むことを決断。いや、確かに難しい部分もあり、挫けそうになりながらも、なんとか読了。

そもそも哲学ってなんだ?ってこと。

物事を考えるとき、哲学は広い視野と長いスパンでアプローチします。日々進行している出来事に対して、一歩身を引いたうえで、「これはそもそもどのような意味なのか?」「これは最終的に何をもたらすのか?」という形で問い直すのです。
と分かりやすい説明。近視眼的にならず、メタ的にものを見るという態度が哲学の第一歩なんだよね。こういうの、好みだなぁ〜。

本書の前半は現代哲学の潮流を歴史的に概観。筆者が整理してくれているので、分かりやすくはなっているけど、頭の中で完全なイメージが湧き上がるとまではいかず、何となくの理解。まぁ、こんなもんだという感じかな。

後半は、現代社会を哲学的に考えるとどうなるかという問題。

まずは、IT革命。SNS、スマートフォンは監視社会という課題を提起するし、AIは人間とロボットの関係性を改めて考えさせる。これらの問題を世界の哲学者が様々な視点から考えているんだよね。

そして、バイオテクノロジーも。クローン人間は是か非かなんていう話題は哲学が得意な分野かもしれないね。

さらに資本主義も考えてみる。世の中の潮流としては、共有型経済なんていう概念が流行っているけれども、筆者曰く、

このように見ると、リフキンが言う「共有型経済(シェアリング・エコノミー)」は、資本主義にとって代わるのではなく、むしろ資本主義の一部として組み込まれる、といった方が現実的であると思います。
と。なるほど、そう捉えるのか…。

哲学的に考えるって面白いよね。その考え方を常に意識していたいなぁ〜。

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