ちょっと lovelovedog 氏を DIS っとこうか。

日経の記事を検証しないで中国・韓国や全国に情報を流す朝日新聞・共同通信その他と、ネットで検証している人たちについて(愛・蔵太の少し調べて書く日記) の件。

ジェラルド・カーティス氏については僕も知らなかったので偉そうなことは言えませんが、少しぐぐったら旭日重光章を受章してるとか、初来日は1964年で23歳の時だとか、日本語ペラペラらしいとか色々出てくるし、40年以上日本研究をやっていて相当に有名らしいということはわかります。

とりあえずそこまで知ったら少なくともいきなり「その人がどれだけ日本のことについて知っているのか」なんて疑いを表明することは僕にはできない。つーか僕や lovelovedog さんよりも知ってるんじゃないの? ってまず思う。

ということで、今後氏のブログが「愛・蔵太のもう少し調べて書く日記」になることを希望します。

まあ、僕みたいに疑問があっても「これって知らないと恥ずかしいことじゃないだろうか」とか思ってこそこそ調べて疑問が解消されればなにもなかったかのように振る舞うよりは堂々として男らしい態度であり、それはそれで彼の魅力ではあるのですが。いや、皮肉じゃなくてマジで。

でも地雷踏んで吹っ飛んだらもったいないし。僕的には lovelovedog 氏は「中道を努力目標にしている右派」だけど*1 、叩き台的なまとめを作る人ということで評価してる。叩き台が少々右に傾いててもどうってことない。最初からそういうものだとわかっていれば。

ついでにカーティス氏の政治的スタンスはニューズウィーク誌特別顧問というから一般的な意味で言えばリベラル寄りではないかと思われますが、lovelovedog 氏のリベラルの定義にマッチするかは微妙です。日本政府から勲章もらったり日本の行政機関で働いたりしてるし。。。

実はこのエントリ、例のメモの真贋についてはてなポイントで賭けしようか? (もちろん僕は真のほうに賭ける)ってもちかけるつもりで書き始めたんだけど、あっちのコメント欄に「宮崎哲弥によると、日経は公表する一ヶ月ぐらい前にこのメモを手に入れており、その間専門家に鑑定をしてもらっていた」って書き込みが出てきてもう賭けにならない気がしてきたのでやめ。

ちなみに、

メモが本物であっても、靖国参拝の是非を議論するのにこの件を持ち出すのは不適切だと思う。ただ、不適切にも昭和天皇が過去に靖国を参拝していた件を持ち出してきたり、陛下の靖国参拝を画策する人に対するカウンターとしてこの件を持ち出すのは仕方がないかも。政治の話に皇室を利用するなっていう原則論だけで済めばそのほうがいいのだけど。

お返事

僕はカーティス氏の実存的な「背後」には興味はないです。彼はそれが殊更問題になるほど政治的な権力を行使できる立場にいるわけじゃないですし。ていうか lovelovedog さんは他人の立ち位置気にしすぎ。

既にご覧かと思いますが、靖国参拝反対の理由は彼の上院公聴会での発言(via:再び、ジェラルド・カーティス(生きている証を時代に打ちつけろ)←カーティス氏の授業を受けている留学生のブログ)から伺えます。

こんなの全部読む気力も英語力もないけど、Yasukuni が出てくるのは最後の方の1段落だけなので以下に引用。文脈的にはアメリカとしては安全保障戦略日中関係は良好になってほしいわけだが、みたいな話に続いてこれ。

In that regard, however, a looming issue is whether Prime Minister Koizumi decides to visit the Yasukuni shrine again. Yasukuni is not simply a shrine to honor
the young men who fought and died for their country. As a visit to the war museum at the shrine makes all too obvious, Yasukuni is a shrine that honors the ideology and the policies of the government that sent these young men to the battlefields of Asia and the Pacific. It endorses the view that the attack on Pearl Harbor was a preemptive attack taken in self-defense and Japanese aggression in Asia was in fact a noble endeavor to liberate Asia from western imperialism and colonialism. Those convicted of Class A war crimes are enshrined at Yasukuni, but that is only a symbol, not the essence of the problem that has made Yasukuni an international controversy. A decision by Prime Minister Koizumi not to go to Yasukuni will not necessarily result in an improvement of Sino-Japanese relations. But it is a necessary condition for making improvement of those relations possible. It is in our national interest to encourage both Japan and to China to seek ways to improve their political relations.

靖国は単に戦没者を祭るだけのところじゃなくて、日本の若者をアジアと太平洋の戦場に送り出したイデオロギーを支持するところで、それは真珠湾攻撃にも通じるものだよ、と。

発言の場の性質上、アメリカの国益にとってどうかという話になっているのだと思いますが、カーティス氏の個人的な見解としては靖国神社は戦争肯定的な神社であり、そこで首相が「平和の誓い」をするのはおかしいんじゃないか? と思っているのではないでしょうか。

遊就館のサイトには以下のような記述がありますが、

近代国家成立のため、我が国の自存自衛のため、更に世界史的に視れば、皮膚の色とは関係のない自由で平等な世界を達成するため、避け得なかった多くの戦いがありました。
靖国神社遊就館ホームページ

こういうのが侵略戦争を正当化するイデオロギーに思えるのでしょう。僕もそう思うけど。カーティス氏が反戦的な立場なのは例の留学生のブログからも伺えます。

授業の最後に、先生が、「今年の武道館での戦没者追悼式典では、ついに出席者から子供を戦争で失った親がいなくなった。今日の世界で、子供を戦争で失った親がいない国は、日本ぐらいだろう。」とおっしゃいました。つまり(おそらく)日本だけがこの60年間戦争に関わったことがないということです。そして、「日本人は、この事実をもっと誇るべきだと思う」と。
ジェラルド・カーティスとの対決(日本の安全保障編)(生きている証を時代に打ちつけろ)

ブッシュ・ドクトリンにも批判的なようです。

 私が言いたいのは、一極主義がいいか多極主義がいいかではなく、一極主義は当分、変わらないという前提で考えていくべきだという点だ。米国はイラク戦争で示したように、ハイテクを駆使した軍事力では絶対的な力をもつ。今の米国は、各国に米国と同じ軍事パワーは持てないと感じさせ、米国に対抗するのをあきらめさせることを狙いとしている。確かに、ブッシュ政権の今のスタイルは良くないし、傲慢であることはまちがいない。また、軍事的対応だけではテロリズムもなくならないだろう。今、世界の人々はかつての自由の国、思想、音楽、ハリウッドなどソフトパワーにあこがれた時代とは違い、米国に惹かれなくなってきているのは事実である。そして、それは危険なことでもある。
ディスカッション 「信頼の創造〜グローバル社会への日本の対応」(財団法人社会経済生産性本部)


*1:僕が Libertarian-Left である(id:rna:20050226:p1)ことを考慮すること。