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THE BLUE HEARTS 「TRAIN-TRAIN」

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2006-02-25

[][] 「堀」「掘」問題の教訓

「堀」「掘」問題についての essa さんの自己検証記事が出た。

どうも違和感が拭いきれないのだが、うまく説明できない。とりあえず思っている事を書く。

テクニカルな教訓: 誤差に注意。

20日の記事で、essa さんの見た解析データが紹介があり、最後に「どのへんに問題があったかについては、もう少し考えてから別途書きます」とあったので、僕はてっきりデータの見方の問題を扱うのかと思ったが、今回の記事ではその点には触れていなかった。その意味での「どのへんに問題があったか」を簡単に指摘したい。

一言でいうと、誤差のレベルを見極めずにデータを比較したところに問題があったと思う。こういう画像の比較に限らず、誤差の問題はデータを見る際に一般的に重要な点。

誤差の性質は異なるが、視聴率とか内閣支持率とかが何%上がったとか下がったとか、他と比べてどうだとかいう話をする時も誤差の事を考える必要がある。このあたりは keyword:世論調査にも少し書いた。

 あくまで標本調査なのでどんなに厳密に実施されたとしても確率的な誤差が残る。場合によっては数%程度の誤差はあるので、報道等で見られる「初めて○○%を割り込んだ(または越えた)」「前回より×.×ポイント低下(または上昇)」のような表現には注意を要する。

データ的な検証結果は「動かぬ証拠」的な印象を与えがちなだけに注意したい。検証コストとのトレードオフという話もあったが、こういうちょっとした知識が身についていれば、証拠としてのスジの良さを判断する程度の事にさしてコストはかからない。僕のやったような画像を使っての検証は本来必要ない。ああいうコストは間違いが広く流通してしまったがために必要になった手戻りコストだ。

2ちゃんねる集合知

essa さんの検証記事は「プロセスには問題がない」として2ちゃんねる情報の扱いはこれからも変えないと宣言している。なぜそうなのかという説明については感覚的にはひっかかる部分が多々あるのだが、結局は2ちゃんねる集合知に対する信頼性というところにいきつくと思う。匿名性や流動性の違いはあるが、essa さんは2ちゃんねる集合知生成装置の性能を信頼し、自分のブログもその一要素と位置付けているのだろう。このあたり僕とはスタンスが違う。

しかし、その性能を信頼するとしても「2ちゃんねらの調査力によって一日で偽造確定です」というのは誇大表現には違いないと思う。essa さんの考える2ちゃんねる集合知の性質は一日で正解にたどり着くほどスマートなものではないはずだ。僕は2ちゃんねるの解の収束性*1自体に懐疑的だが、収束するとしても速やかに、真っ直ぐに正解に近づくことは少ないのではないか。

経験的に言ってだいたい「祭り」の初期には多様なネタがあまり検証されていないうちにまとめられて一定の結論に導くようにテンプレ化される。イラク人質事件でも自作自演説のテンプレ(10項目くらいの「根拠」をリストアップしたもの)が一日で出てきた。

2ch には多様な意見があると言っても色んな意見がまんべんなく出てくるわけではない。特に情報が少ない祭りの初期には些細な情報が過剰に意味付けされがちで、出てくる意見には偏見が混じりやすいし、この時期の客層は「はしゃぎすぎ」属性が強くて慎重さや冷静さは期待しにくい。

テンプレ化されコピペが出回る頃には意見のバランスは(一時的にではあるが)一気に傾く。往々にして正解にたどり着くまでは大きな揺れがあるし、揺り戻しの力は 2ch の自浄作用というよりは 2ch の外から供給される事が多いのではないか。

その他諸々

まとまらないので断片的にメモ。

  • 嘘も(集中的に)100回繰り返せば(一時的には)真実になる。速報性の追求は嘘のカウントアップに貢献してしまっていないか。
  • 2ch の仕組みではデマのバブルとその崩壊、みたいな激しい揺れ幅に振り回されて余計なコストがかかってしまわないか? コピペ兵の尻拭いみたいなコストは必要なコストなの?
  • 時間や手間というコストと近似解の精度のトレードオフはある。言い換えるとコストをかけないと正解にはたどり着けない。そのコストを誰が負担するのか。うまく分担できるのか。
  • 情報の流れの中で責任が先送りされてぐるぐる回っていって、結局誰も他人に対して責任を持たない(自分の行為が自分に返ってきた分は自己責任だが)のではないか。そんな状況で集団知は正解に収束するのか? 少なくとも責任感を持った人が一定数いないとだめなのでは?
  • 多様性が失われないように、というが、2ch の中で発生した多様性から一部を切り取って追認するのは多様性に貢献するのか。むしろ多様性を縮減しているのでは。それなら無理に書かないほうがマシなのでは。
  • 「工作員」の「意図的な扇動」なんかより薄く広く共有された偏見のほうがよっぽど怖い。そんな時、集団知はナチュラルに間違った解に収束し、権威付けされ、偏見を再生産することにならないか。

なんか書いてるうちに『ウェブ進化論』の悲観的な読書メモを思い出した。

*1:暫定的な近似解から徐々に正解に近付いていく性質。

2006-02-19

[][] 2ちゃんねるの調査力?

永田議員が公開した堀江メールの真贋について2ちゃんねるで「鑑定」されてるようなんだけど、その鑑定というのがずいぶんいいかげんだと思う。

先に言っておくと、僕はこのメールを本物だと思ってるわけではありません。ガセネタ臭いとは思います。404 Blog Not Foundで指摘されているように、怪しい部分は多々あるし、そもそも証拠能力になるだけの情報が含まれていない*1ので、これを国会で取り上げる民主党の神経(もしくは見識)はちょっとヤバいと思う。

話は戻って2ちゃんねるの鑑定について。essa さんが「偽造確定」を追認しつつ紹介している。

民主党が公開した堀江メールは、2ちゃんねらの調査力によって一日で偽造確定です。

永田議員はハメられた!(圏外からのひとこと 避難所)

そりゃすげぇ! と思ってその根拠を見てみたら。。。

  1. 堀の中の出の部分が違う。掘のと一緒。
  2. メーラーの行揃えから考えると頭になにか文字が入ってる可能性は低い→掘の字確定
  3. X-Senderのeとrが何故か全角に。偽造確定。
  4. Eudoraで、To:> From: の順になるのは、Mac版だが文面フォントはwinのMSPゴシック。

えー。。。公開されてるメールはおそらく FAX で送信されたビットマップ画像を PDF 化したもので、解像度が低くノイジーで、とてもここまでの鑑定に使えるものとは思えない。


「心」原画像(赤)の上にMS Pゴシックのグリフ(黒)を乗せたものまず、フォントの見立てだが、全体のバランスから見ると MS Pゴシックの可能性は高いと思う。でも個々のグリフが正確に一致するかというと厳しい。たとえば「心」という文字、にじみやゆがみのせいかこのくらいはズレる*2

そして「堀/掘」問題。実際文字並べてみた*3ものを見てみると厳しい。先の「心」の歪みや隣の「江」の文字の崩れ具合から考えると識別すべき差が微妙過ぎる。重ね合わせてみてもなんとも言えない。

上から原画像、「堀江」、「掘江」 原画像(赤)に堀(黒)と掘(青)のグリフを乗せたもの

次に X-Sender の e と r が全角という指摘だが、プロポーショナルフォントだけに微妙。下の行の X-Mailer の文字幅との比較が根拠だけどこれも画像の精度から言って微妙。しかも 2ch の検証画像はビデオキャプチャか何かのものすごく粗い画像を元に「鑑定」していて話にならない。

リンク先のレスがdat落ちしてしまってるので記憶に頼って書くけど、「X-Sender:」の最初の e と最後の r が全角という指摘だった。実際 MS Pゴシックでそういうのを作ってみたのだが、全部半角の方がよく一致する。

赤が原画像黒が全部半角のグリフ、青が e と r が全角

*4X-Mailer の方に被せた文字からもわかるように原画像はかなり歪んでいて、数ピクセル単位の差異でもそれを根拠に何か言うのは厳しい状態だと思う。

メールヘッダの印刷順については手元に Mac も Eudora もないので未確認。これは画像の精度は関係ないので調べれば白黒付きそうではある。

ということで、この「鑑定」は全然あてにならないと思うのだけどどうよ? ていうか essa さんは実際に文字並べて追試しましたか? 2ちゃんねるはブレインストーミング的なアイデア出し装置としては素晴らしいけど、そこで出てきたアイデアを実際に使うときはちゃんと自分で確認しないとヤバイ。それこそガセネタ掴まされがちなので要注意。

*1:公開されたものから推測できる範囲では。

*2:黒い文字はGIMPで作成。ヒント情報 on、116px。以下重ね合わせ画像では同様。

*3:下の二つは MS P ゴシック 12pt を PS プリンタドライバ(フォントはアウトライン形式でダウンロード)経由で PS ファイルに保存したものを ps2pdf で PDF 化して Acrobat Reader で表示したもの。

*4:x-sender.png の文字は一部の文字列がヒント情報がoffになっていたのでヒント情報onのものに差し替えた。

2005-10-06

[][] 2chの悪口を書かれると自分の胸が痛む人へ

2ちゃんねるの悪口を書かれると自分の胸が痛む。そんな感覚が「帰属意識」というものなんですよ。と、やさしく諭してみるテスト。

あなたにとって2ちゃんねるが単なるバラバラの個人の集合体で、あなた自身はそのなかのただの一人でしかないとしたら、そんな感覚は生まれるはずがない。ましてや他人のブログにやってきて、慣れない手つきでマジの議論なんて始めるわけもない。だって、そんなのメンドクサイじゃん、普通。

「2ちゃんねらーを定義してください」と言われたら「それはあなたのような人だ」と答えたい。

で、コミュニティへの帰属意識があれば普通は仲間が悪いことしたら自分も恥ずかしい思いをする。もちろん「全体としては悪くない」という言い訳はするけど、それは再発防止策を考えたり、悪い奴を仲間として批判したり、という形でコミュニティとして一定の責任を引き受けた上で、「だから全体としては悪くない」ってポーズをとれるわけ。

もちろん、2ちゃんねるはそういう形で責任を引き受けられる仕組みにはなってない。だから「責任とれ」とか言っても両手両足縛られて天上から吊されてる奴に土下座しろって言ってるようなもので無茶な話ではある。でもそれはあなたが好き好んで吊されに行ってるわけだから、しょうがないよねってことにはならないよね。

追記: ブクマコメントより

2005年10月07日 iidakazufumi 『2ちゃんに悪口を書かれてるのを目撃したときのほうが自分の胸は痛むと思う』

ワロタw

全くその通りだw

[][] 「独立せよ」(©海江田艦長)

コメント欄の a 2ch user さんへ。

それに対する「一緒にするな!」という反発。これは団体を擁護したいというよりも自分を擁護してるんであって、帰属よりもむしろ独立の方向へ向かう意識のような気もするんですけど、これもやっぱり帰属意識って事なんですかね。

まず、そのくらいの量の文章(元のエントリよりも長い!)をやりとりするつもりならどこかにブログ立てましょう。はてなでもいいし。「名無しさん」の作法*1を捨てて、自分も逃げ隠れできない形で他人から突っ込まれるリスクを背負うこと。「独立」ってそういうことじゃないでしょうか。

「2ちゃんねらー」がなぜ 2ch に愛着を持っているかというと、それはスレや板での日々の交流、時には祭にも参加したり、電車男の心配をしてみたりとか、そういう楽しいひとときの記憶があって、かつ、そのような体験が 2ch ならではのものだと思っているからでしょう。

そしてそれは「モナーを愛する」と称する一部の行き過ぎた人たちも同じはずです。その人たちは、ひょっとしたらあの日あの時あのスレで一緒に盛り上がった人たちかもしれない、自分を癒してくれたあのレスを書いた人かもしれない、そう思わないのでしょうか?

匿名だからこそそういう可能性を拭いきれないはずなのに、都合が悪くなると他人扱いして「一緒にするな」ってあんまりじゃないですか? そういうところが帰属意識は帰属意識でも「都合のよすぎる」帰属意識と言われる所以なんですよ。

実際、自分が罵倒した名無しさんが実は知り合いだったなんてことはあるわけです。気付いたときは血の気が引きますよ。僕なんかはそういうのがストレスになることもあってだんだん 2ch に書き込まなくなったわけですが、2ch に残ってる人たちはそういうことは考えないか、考えても気にならないか、あるいは考えないようにしてるんだろうなぁ。

[][] 圧力の源泉

もう一点、「都合のよすぎる」話。

2ch で運動(いわゆる「祭」)が起こって、それが誰かに圧力を感じさせたり世の中に影響を与えたりする時、圧力を感じる側は「2ch の一部の人」とは思わないわけです。実際動いているのは一部でも、いざとなればその「一部の人」に協力しうる大量のユーザが背後に控えていると思うから圧力を感じるわけです。2ch という場を愛し、日頃 2ch を盛り上げている人たちは、本人にその気があろうとなかろうと、圧力を感じる側から見れば「一部の人」予備軍として頭数に入れられてしまっていて、結局「一部の人」の運動の成功に貢献してしまっているわけです。

ブレーキのきかない自動車にガソリン入れて整備して(でも決してブレーキは直さない!)いつでも「一部の人たち」が乗れるようにメンテナンスしてるのは「大多数の人たち」という構図。

[][] その他 2ch について

過去の 2ch 関係のエントリに [2ch] のカテゴリタグをつけました。まとめて読むには以下のリンクをどうぞ。

今日は批判的なことばかり書いたけど、必ずしも批判的なばかりではない、ってこともないか。読み返したら概ね批判的だね。でもここ数年の間に 2ch のいいところって色んな人が言い尽くしている気がするし、一方で批判については感情的なものが多くて当の2ちゃんねらーに届いてない気がするのね。

*1:単に匿名という意味ではないことを続く文章から読み取ってください。

2005-10-05

[][] 大丈夫かサンケイスポーツ

 「のまネコ」の著作権をめぐってネット掲示板「2ちゃんねる」にエイベックス社員への無差別殺人予告や社長宅への放火予告が相次いで書き込まれた事件で、2ちゃんねるの管理人は4日、「2件目に関してはavexのグループ会社の会員回線からの犯罪予告でした」と明かした。

2件目というのはこれの2件目、つまりこれ:

194 :ひろゆき@どうやら管理人 ★ :2005/10/02(日) 01:20:17 ?###

http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1128166340/1

モナーそして全てのAAを愛する者 </b>◆ttrof7oVIg <b><><>2005/10/01(土) 20:32:20 SjUySgw00<>さて AVEXから発表があった。 <<>【ニュース】対AVEX作戦発動決定<> 221x117x26x12.ap221.ftth.ucom.ne.jp<>221.117.26.12<><>Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja-JP; rv:1.7.12) Gecko/20050915

ftth.ucom.ne.jp というのはたぶん USEN の個人向け光ファイバサービス(BROAD-GATE 01)の会員用のドメインです。google:"ftth.ucom.ne.jp"+"gate01.com" で検索すると掲示板の書き込み等で、gate01.com のメアドやサイトを持っている人が ftth.ucom.ne.jp から書き込んでいるのが沢山みつかります*1ハートの拒絶日記によると、今年8月初頭に usen.ad.jp から変更になった模様。USENavex の筆頭株主なのでグループ会社の会員回線と言えばそうなんだけど、ぜんぜん「エイベックス内部から」じゃないんですけど。

裏も取らずに勘違い? それとも勘違いしたフリしてひろゆきを窮地に追い込む工作?

ていうかBROAD-GATE 01 のトップページのニュースのテロップに上の見出しがそのまま流れてて笑った。

追記: 記事が消えてる。

さすがに消したか。でもinfoseek newsにはまだ残ってたりして。ちなみに GATE 01 に流れてたテロップというのは infoseek のヘッドライン。

2005-10-04

[][] 「のまネコ」問題

著作権とか商標権とかわかってる人なら NaokiTakahashi さんのまとめ(id:NaokiTakahashi:20050928#p1id:NaokiTakahashi:20051002id:NaokiTakahashi:20051003)で終了だと思うんだけどなぁ。

法的にはモナー原作者が出てきて文句言わない限り無問題だし、仮に商標登録に成功したとしてもモナーモナーのまま今まで通り使える。権利の問題じゃなくて感情の問題。権利があろうがなかろうが吹き挙がる人はいるわけで、それはビジネス上のリスクになりうる。そういう意味で avex はヘタを打ったなとは思う。安さにつられてあわてて買った土地にヤクザが居座ってたとかそんな感じ。

感情的な部分では理解可能な部分もあるけど。ジゴロウ vs コロゾー問題みたいな話で、のまネコの方が世間一般でメジャーになった場合、モナーのまネコのパクリだと思う人が出てくるのはモナー好きにとってはかなり嫌だろうなぁとは思う。

でも2ch文化をリスペクトって言ってもどうやってそれを表現するかなかなか難しいもんがあると思う。クレジットに書くべき名前がないし*1どっかに解説付けるにしても「2ちゃんねる」の名を出すとバスジャック事件とか猫虐待事件とかいろんな悪いイメージも想起されてしまう。*2

映画『電車男』では随所に2ch語2chのAA、2chっぽい掲示板の画面*3とかそういうところで2ch文化へのリスペクトを表現していたけど、映画内でも映画のパンフでも「2ちゃんねる」という言葉は一言も出てこなかったはず。*4

[][][] 連帯と責任

2ちゃんねるで見られる連帯運動によって得た果実は分け合うけど連帯責任は負わないという態度に対する批判。

僕は小林よしのりが『脱正義論』で理想とした「個の連帯」には肯定的なんだけど、「あくまで個人の集まりで組織ではない」というのが連帯責任を逃れる言い訳に使われる、あるいは逆に責任を感じるがゆえに組織の論理に飲み込まれてゆくのが運命だとしたら、やはり「個の連帯」は幻想なのか、少なくとも「素人にはおすすめできない」類のメソッドなのか、と思ったり。

ちなみに2chにも連帯責任を負うべきという意見はあります。でも2chアーキテクチャがそれを実効性のあるものにできないわけです。僕は昔 id:rna:20050106#p3 の件で、ハン板に、以下のような要望を書き込んだことがあります。

せめてまとめサイト作る人くらいはトリップ付きで参加、

サイトには連絡先を明示(メルアド貼るの怖いなら常駐スレへのリンクとか)する、

っていうのを慣習化して欲しいかなと。。。

それに対する返事はこれ。

スレ住人の総意でまとめたわけじゃないのは、このスレを読んでいればわかりますね。

もし「ハン板」に対して、ということでしたら、お互い顔も連絡先も知らないハン板で

上記のルールを徹底させる方法も提案してください。 

それを考えるのも実行するのも君たち「住人」の責任じゃないのかよ。。。

あんまりなのでその場ではスルーしましたが、敢えて答えるならそんな方法はありません。それでいいの? それで2chで社会運動なんてできるの? ってことですよ。

2ch では*5「住人」をコントロールする手段が限られていて誰かに何かのルールを徹底するというのは極めて困難です。ルール違反する奴に対しては皆が責任を持って制裁すれば(晒し上げ、個人情報暴き、突撃して荒らすなど、お馴染みのやり方で)いいんですけど、じゃあその制裁というルールはどうやって徹底するんですか? という話になってきりがないわけです。

*1:「© 名無しさん」とする手はありうるけど、それで大丈夫なんだろうか。

*2:そんなの一部の例外です! って言ったってそういうイメージを持つ人はいるんだからしょうがない。

*3:何日経ってもIDが変わらないところが違うけど。

*4:見逃しだったらごめんなさい。

*52chに限らず放任主義的匿名掲示板ではどこもそうだけど。

2005-07-16

[][] 騙されたくない人たち

他人のブックマーク辿ってたら昔保留にしてそのまま忘れてたネタに再会したので忘れないようにメモ。ほんと今更なんですけど。

違うと思う。逃避と言えばそうかもしれないが、あの事件が「つらい状況」だったわけじゃないと思う。イラク人質事件で自作自演説を唱えていた人たちが事件自体にショックを感じていたようには見えず、むしろ幸せそうにさえ見えた。自作自演説は追いつめられて現実から逃避というよりは、「どの立場に立てば一番評価が高いか」という観点から彼らなりに合理的に選択した結果ではないか。

事件を報道で見たままに素直に受け止めるか(信用)、自作自演説のような裏読みを試みるか(懐疑)、それぞれの選択における評価の期待値を考えよう。ただしここで言う評価は立場を選択する者が予期する評価値で、人によって違う。

横軸に事件の真相、縦軸に事件に対する態度をとって、組み合わせ毎に予期される評価を考える。

真実 陰謀
信用 a(+) b(-)
懐疑 c(-) d(+)
  • a は素直に信用して騙されなかった人(正直者)に対する評価。
  • b は嘘を真に受けて騙された人(バカを見た正直者)に対する評価。
  • c は裏読みが裏目に出た人(バカエスパー)に対する評価。
  • d は裏読みして陰謀を見破った人(リアルエスパー)に対する評価。

「エスパー」については id:rna:20040530#p2 を参照。

ここで言う評価は相対的に評価が上がるか下がるかということ。a, d は予想的中なのでプラス評価、 b, c は予想を外しているのでマイナス評価。

p を事件に裏がない確率(自作自演の確率は 1-p)だとすると、それぞれの立場をとった場合の評価の期待値は、

  • 信用した時の評価の期待値: ap + b(1-p)
  • 懐疑的立場の評価の期待値: cp + d(1-p)

となる。

懐疑説(自作自演説)を唱えることが合理的になる場合、確率の見積もりと評価構造の見積もりの二つの側面がある。具体的には、

  • p を低く見積もる
  • d を相対的に高く(大きなプラスに)見積もる
  • b を相対的に低く(大きなマイナスに)見積もる

のいずれか、あるいはこれらの組み合わせということになる。kmiura 氏の場合は認知の歪みによって確率の見積もりが歪むという点に注目しているが、僕は d が高く b が低くなるような(正直者が馬鹿にされ、エスパーが賞賛されるような)評価構造を支える価値観と状況に注目したい。

一言でいうとサヨクに騙される事を極端に恐れ、サヨクの陰謀を暴くことに喜びを感じてしまう人たちが一定数いて、そういう人たちが自作自演説を支持したのではないかということ。リリカ氏の件についても似たような構造があると思う。(つづく、かも)

2005-01-28

[][] フローとストック

charlie さんが mixi 有料化に絡めて。

ずいぶん前にここで書いたような気がするけど、ブログ〜SNSという流れの中で人々を惹きつけたのは、フローなコミュニケーションを垂れ流すことの出来る空間としてのインターネットの可能性が、そこで華開いたからだった。初期の頃は「名無しさん」に煽られない、煽られる心配をしなくていい場所としてブログが発見されたものの、そこは「ネット=ストック」だと見なす人たちとの認識のギャップで、儀礼だ関心だという話になり、結局人々はより「垂れ流し」を許容してくれるSNSへと民族大移動した。欲求が理想に勝ったってことだろう。

そういう見方があるのか。予期せぬ衝突から逃れるために 2ch → blog → SNS へと退却していくというのは感じていたけど、フローとストックって感覚はなかったな。腑に落ちるような落ちないような。そのへんを立証する調査とか研究があったら見たいなぁ。「ぱどタウンの子供たち」の話とも関連しそうな。

垂れ流し=フローとも限らない気もするし。「垂れ流し」を流して欲しいのはツッコまれるのがウザいからで、SNS みたいに内輪に閉じてると安心して垂れ流し(ツッコまれる隙のある言葉)をストックしておける気も。まあ僕はマイミクに何十人も入れてるヘビーユーザーじゃないし、mixi 有料化はそういうユーザーが対象だし、僕の感覚ではわからないことなのかも。

[][] 2ちゃんねるの読み方

id:rna:20050126#p1 の件でお返事(記事後半)が。2ちゃんねらー(に限らないけど)のメディア不信を論じた結論には僕も納得。むしろこの結論を言うために2ちゃんのスレをサカナにした文章ということならよくできてるかなぁとは思うのだけど、亀井氏の動機は2ちゃんねる分析とか2ちゃんねる批判への反論というのがあるので、そういう意味だとちょっとなぁと思いました。

亀井氏の言う「2ちゃんねるの機能と形式の特徴」というのが、たまたま参加したスレ住人のパーソナリティに依存しない2ちゃんねるという場の特徴だと言えるのか、また、他のネットメディアとは違う2ちゃんねる固有の特徴なのか、という部分でも納得しがたい部分がありました。

スレを仕切るコテハンに注目するのはスレの読解のブレを減らすメリットもあるけど、一方でそこから見える「2ちゃんねるの特徴」はコテハンのパーソナリティのバイアスがかかってしまうと思います。そのへんはたくさんのスレを読み解いてバイアスを相殺していけばいいのかもしれないけど。

以下いい機会なので僕が感じてる「2ちゃんねるの特徴」についてメモ。

亀井氏がとりあげた「@海無し八潮」氏は素直で反省的で煽り耐性がある人のようで、スレを仕切っても受け入れられやすいタイプだと思います。確かにこういう人がアクティブに発言しているとスレのクォリティが上がる、そこまでいかなくてもスレが荒廃しにくい、ということはあるでしょう。でも「2ちゃんねるの特徴」という意味では彼のような人じゃないとスレをコントロールできないほどカオティックである、という点なんじゃないかと思うわけで、彼の作った流れ自体は「2ちゃんねるの特徴」とは言い難いと思います。

というか、この災害スレに見られるような実況による相互扶助みたいなのは2ちゃんねるじゃなきゃいけないという要素は少ないんじゃないか。むしろ普通のBBSなら余計な煽りとかなしでスムースに流れるかもしれないとも。問題は参加者の数で、2ちゃんねるの場合とにかく人が多いので情報が集まる、情報が集まるから人も集まる、という循環で場の活気が維持されて、このあたりは2ちゃんならではでしょうか。

しかし、そもそもなんで人が多いのか、特に何もないときでも大勢人がいて、何か起こったときに集まる最初の頭数が多くなるのはなぜなのか。この部分で僕は2ちゃんのネガティブな面を直視せざるを得ないんじゃないかと思います。要するに2ちゃんねるは他の場所では言えない事(顔や名前を隠さないと言えないような事)が言える場であるというのが集客力の基礎になってるんじゃないかと思っています。

以前高木浩光さんが Winny がなぜうまく機能するかという話をしていましたが、似たような仕組みが2ちゃんねるにも働いているのではないかと。

市民の安全を深刻に害し得る装置としてのWinnyより:

放流者を特定できる機能を備えたWinnyのようなシステムを発表したとしても、ほとんどユーザがつかず普及せず、その有効性も確認されなかったと予想される。その理由は次の通りだ。まず、そのようなシステムでは、違法コンテンツが流通することはほとんどなく、合法コンテンツばかりとなる。Winnyがそうであるように、P2P方式の大型ファイルの共有システムでは、検索に時間がかかるうえ、ダウンロードも途切れることもあって、いつダウンロードが完了するかわかったものではない。サーバ・クライアント方式なら即座に目的のファイルを探せ、即座に一定の速度によるダウンロードを開始できるのに比べると、ユーザはイライラするだろう。ましてや、コンテンツが有料だったりすれば、怒りさえ感じて、サービス提供者に苦情を言う人が出てくるに違いない。

つまり、Winnyが検索やダウンロードの効率が比較的悪いにもかかわらず、それでも大量のユーザの確保できたのには、そこに「超」魅力的なコンテンツがあったという事情があるからだ。その魅力とは、言うまでもなく、本来有料のはずのもの、他の方法では入手が困難なもの、そんなものが存在するとは普通知られていないようなものがそこにあったからだ。