あつい日

 先日、急に冷え込んだ日からというもの、寒いのが苦手なので真冬に向けた重装備で出かけるようになったのだけれど、今日は見事に暑かった。外はそうでもないのに、室内はもう若干の汗が滲むという残念な事態で、暖房の効いた書店に長時間いられないのがつらかった。


 今日は大学にて、いつもとは違う友人と語った。小説について語り合ったり、詩について語られたり(受動態)した。
 しかし、大学に入ってから書いた小説より、高校時代に書いた小説のほうが気に入られるというのが複雑でならない。
 ただ、かなしいかな納得はできてしまう。どこで作品の良し悪しを判断するかは難しい問題ではあるけれど、今と違って高校時代はもっとシンプルにものを書いていたと思う。あまりに何も考えていないからこそ無知がわかる反面、余計なことを考えずに書けている良さもある。


 どんな作家も誰かしらの影響は受けるものだが、その過程でいかにして自分の文体を獲得するか、そこが勝負だと思う。そのために始めた日記でもあるし、忙しい中にねじ込む読書の時間もそうだ。


 でも、小説だけを読んでいるわけにもいかないことを最近は痛感していて、いつでも買えるからと思って買わないままだった詩集に手を出すことにした。純粋に、言葉について考え方を研ぎ澄ませる時間を持つために。世界の切り取り方に目を瞠る瞬間と出会うのが、このうえない楽しみである。
 手始めに、『須賀敦子全集 第5巻』(河出文庫)、すなわちウンベルト・サバの詩集が収められたこの1冊を手に取ることに決めた。


 明日は内定先で研修(秋採用のための補習)があって、相変わらず忙しいのは変わらないけれど、ハイデガーで書く卒論のために、早いうちにヘルダーリンの詩集も買わねばならない。
 いろんな向上心に火がついて、そろそろ大火事である。


 まとめると、着込みすぎて暑く、明日の研修は手厚く、言葉には熱い、という感じ。