読書記録2014

 一年の振り返りは、つねに読書の振り返りとともにある。今年読んだ本を思い返すことが、そのときどんなことを考えていたかを思い返すことにつながって、新しい一年へと続いていく。これを書かなければ一年を終えられないように思え、今年もまた、ささやかながら、読んだ本が作った軌跡を残しておきたい。


1/20
 堀江敏幸『戸惑う窓』
1/25
 多和田葉子『言葉と歩く日記』
1/27
 川上弘美『猫を拾いに』
1/29
 小川洋子クラフト・エヴィング商會『注文の多い注文書』
2/1
 東直子ゆずゆずり』
2/5
 長嶋有『問いのない答え』
2/6
 恒川光太郎『夜市』
2/14
 伊坂幸太郎『首折り男のための協奏曲』
2/15
 東直子『とりつくしま』
2/19
 安部公房砂の女
2/27
 川上弘美『東京日記4 不良になりました。』
4/7
 原研哉『白』
5/3
 佐々木圭一『伝え方が9割』
5/4
 大野晋『日本人の神』
 原研哉『デザインのめざめ』
5/13
 東直子『さようなら窓』
5/17
 茂木健一郎『脳を活かして伝える聞く技術』
5/20
 原研哉『日本のデザイン』
5/24
 ウラジーミル・ナボコフ『絶望』
5/25
 茂木健一郎『脳を活かす勉強法』
5/31
 鈴木貞美『入門 日本近現代文芸史』
6/4
 原研哉『デザインのデザイン』
6/5
 中塩秀樹『30+2分で、夢が実現する勉強法』
6/14
 小川未明『文豪怪談傑作選 小川未明 幽霊船』
6/16
 澤口俊之『幼児教育と脳』
6/17
 野矢茂樹『ここにないもの 新哲学的対話』
6/25
 吉屋信子『文豪怪談傑作選 吉屋信子 生霊』
7/27
 堀江敏幸『本の音』
7/28
 東直子『水銀灯が消えるまで』
7/31
 穂村弘『もうおうちへかえりましょう』
8/16
 筒井康隆『創作の極意と掟』
8/17
 山崎ナオコーラ『ニキの屈辱』
 長野まゆみ『天体議会』
8/18
 井上ひさし『十二人の手紙』
8/19
 吉田篤弘『百鼠』
8/20
 柴崎友香『星よりひそかに』
 長野まゆみ『野ばら』
8/23
 恒川光太郎『竜が最後に帰る場所』
8/26
 小池昌代『ことば汁』
8/31
 柴崎友香『春の庭』
10/25
 伊坂幸太郎アイネクライネナハトムジーク
10/29
 吉田篤弘『なにごともなく、晴天。』
10/30
 柴崎友香きょうのできごと、十年後』
11/2
 多和田葉子『尼僧とキューピッドの弓』
11/8
 多和田葉子『献灯使』
11/12
 吉田篤弘ガリヴァーの帽子』
11/15
 佐々木中『踊れわれわれの夜を、そして世界に朝を迎えよ』
12/6
 綿矢りさ勝手にふるえてろ
12/21
 綿矢りさ『かわいそうだね?』


 数えてみたら49冊だった。あと1冊読めなかったのは、年末の慌ただしさにどうしても勝てなかったからで、反省して来年につなげたい。とはいえ、昨年よりは多かったのでほっとしている。月5冊読んで合計60冊というのを来年の目標にできればと思う。


 そして、恒例にしている今年の10冊だが、選んでみると以下のようになった。(順不同)
 ①小川洋子クラフト・エヴィング商會『注文の多い注文書』
 ②東直子ゆずゆずり』
 ③原研哉『白』
 ④野矢茂樹『ここにないもの 新哲学的対話』
 ⑤吉屋信子『文豪怪談傑作選 吉屋信子 生霊』
 ⑥井上ひさし『十二人の手紙』
 ⑦ウラジーミル・ナボコフ『絶望』
 ⑧柴崎友香きょうのできごと、十年後』
 ⑨多和田葉子『献灯使』
 ⑩綿矢りさ勝手にふるえてろ


 影響されたもの、読んで衝撃を受けたもの、とにかく心が震えたものということで、完全なる独断と偏見で選んでいる。中でも多和田葉子さんの『献灯使』のすごさは群を抜いている。そして、小説ではないが、原研哉さんの『白』で示されている日本的な美の考察も、その文章自体がうつくしかった。


 読んだものを糧にした証として、来年は何かを形にしたい。