アニメキャラが行列を作る法律相談所withアホヲタ元法学部生の日常 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

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C81金曜東へ59bに出展し「見滝原で『労働』の話をしよう(ベータ版)」を頒布します!

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2011-03-02 まどマギと法律〜インキュベータ規制法

[][]魔法少女製造業法〜魔法少女契約の適正化のために 06:07 魔法少女製造業法〜魔法少女契約の適正化のためにを含むブックマーク 魔法少女製造業法〜魔法少女契約の適正化のためにのブックマークコメント

毎度のことながら、本エントリも、基本的にまどマギの第8話までのネタバレ全開ですので、この点予めご了承下さい。

Magia(アニメ盤)

Magia(アニメ盤)

1.はじめに

 魔法少女まどか☆マギカは、蒼樹うめ先生のほのぼのした絵柄からは想像もつかないようなブラックなストーリーで、一部界隈に熱狂的反響を呼んでいる*1


 まどマギにおいて特徴的なのは、魔法少女契約勧誘の不当性」と「魔法少女契約内容の不当性」である。QBはあちこちで勧誘しては問題を起こしているし、第6話では魔法少女契約により魂を抜かれること*2、第8話では魔法少女の成れの果てが魔女であることが明らかにされているが、いままでこのことを勧誘時に伝えられた魔法少女がいたとは、寡聞にして聞かない。

 RPガス様は、

マンガと法律 40th 魔法少女まどか☆マギカ 「あたしって、ほんとバカ」より|RPガスのブログ

 において、魔法少女禁止法ではなく、魔法少女「規制法」「業法」の必要性を提唱されている

 魔法少女契約が極めて不当であることからは、魔法少女契約を一律に禁止することも合理的だと思うが、魔法少女契約を一律に禁止すると、既に存在する魔女を倒してくれる人がいなくなる。よって、現存の魔女を倒すだけで今後は魔女を再生産しない前提であれば、魔法少女についての「業法」を立法することにも合理性があるだろう。

  しかし、このような法律がいつできるか不安が大きいところである。そこで、少しでも早く魔法少女契約が適正化されるよう、微力ながら、魔法少女「業法」の条文案を作成してみた。


条項案

魔法少女製造業法

(目的)

第一条  この法律は、魔法少女による魔女退治制度を整備するとともに、魔法少女製造業を行う者に関し必要な事項を定めること等により、魔法少女契約及び魔女退治行為等を公正にすると共に魔法少女の魔女化等を予防し、もつて公共の安全と魔法少女の健全な育成に資することを目的とする。

 契約してしまった魔法少女について「こうしろ」「ああしろ」といっても、各人が個性が強く、あまり効果はないだろう。そこで、インキュベーターを規制することで、結果的にインキュベーター魔法少女監督責任を負わせることは合理的だろう。負担が重くて嫌なら魔法少女契約を締結しなければよいのである


(定義)

第二条  この法律において「魔法少女」とは、未成年の女子であって、変身して魔女と戦う者を言う。

2 この法律において「魔法少女契約」とは、一方当事者が魔法少女になることを約し、他方当事者が、魔女と戦えるよう変身する能力を与えることを約する契約を言う。

3 この法律において「魔法少女製造業」とは反復継続して魔法少女契約を締結することを言う。

4 この法律において「魔法少女製造業者」とは、魔法少女製造業を営む者を言う。

 魔法少女魔法少女契約等を定義する規定である。

 まどマギ魔法少女以外にも様々な魔法少女*3 がいるので、これを含めるためには、第1項でまどマギ魔法少女を定めた上、第2項で「みなし規定」を設けるという立法的な対応も考えられる*4

 第2条に関する主要論点は「女装美少年は魔法少女足り得るか」とかですかね*5

 インキュベータという英語を法律にそのまま取り入れるとは思われないので、「魔法少女製造業者」としてみた。


(許可)

第三条 魔法少女製造業を営もうとする者は、内閣総理大臣の許可を受けなければならない。

2  魔法少女製造業の許可は、5年以内の期間を限定して行うものとする。

 「やりますよ」と届け出るだけでよいのが届出制である。弊害が小さい場合の情報収集や、国のお墨付きを与えたくない場合に用いる。風俗営業で届出制をやってる部分は国のお墨付き回避らしい。

 一定の要件を満たせば登録を受け付けてもらえるのが登録制。

 もっと厳しいのが許可制で一定の行政裁量が出てくる*6


(許可申請)

第四条  魔法少女製造業の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。

一  氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

二  予定する魔法少女契約締結の相手方の範囲に関する事項

三  許可を受けようとする期間

四  内閣府令で定める事業の基本となる事項に関する計画(以下「事業基本計画」という。)

五 予定する魔法少女契約の対価に関する事項

六   第十八条に定める危険防止措置に関する事項

七   魔法少女の監督のための措置に関する事項

八  第二十一条に定める魔法少女による魔法少女契約勧誘の防止のための措置

九  可逆的魔法少女化を提供する能力及び体制に関する事項

2  前項の申請書には、事業収支計画書その他内閣府令で定める書類を添付しなければならない。

3 内閣総理大臣は、申請者に対し、前二項に定めるもののほか、当該申請者の登記事項証明書その他必要な書類の提出を求めることができる。

 「可逆的」というのは、元に戻せるということである。

  一度魔法少女になった後、キャンセルしたいと言い出しても「魔法少女は一度なったらもう普通の人間には戻れないんだ。…そんなこと聞かれなかったから説明してないのさ。魔法少女をやっていく上で必要な情報ではないからね」等と言われたのでは、たまったものではない。

 そこで、魔法少女製造業をする以上は、一度魔法少女となった者を少女に戻せなければならないのである。


(許可基準)

第五条  内閣総理大臣は魔法少女製造業の許可をしようとするときは、次の基準に適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。

一  その事業の計画が経営上適切なものであること。

二  その事業の計画が魔法少女の健全な育成、魔女被害防止上の有効性、魔法少女の魔女化防止その他の公共の福祉上適切なものであること。

三  前二号に掲げるもののほか、その事業の遂行上適切な計画を有するものであること。

四  その事業を自ら適確に遂行するに足る能力を有するものであること。

 基本的に、魔女がキスをして自殺等を誘発する等という被害を防ぐための制度なので、その観点から適切な事業計画でなければならない。魔法少女を作りすぎてみんな魔女になったでは、何の意味もないのである。

(欠格事由)

第六条  内閣総理大臣は魔法少女製造業の許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その許可をしてはならない。

一  一年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者

二   魔法少女製造業の許可の取消しを受け、その取消しの日から五年を経過しない者

三  成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの

四  営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前三号のいずれかに該当するもの

五  法人であつて、その役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)のうちに第一号から第三号までのいずれかに該当する者のあるもの

六   自然人又は法人のいずれでもないもの

2 内閣総理大臣は、前項第6号に該当するかの判断のため、内閣府令で定める試験をすることができる。

 犯罪者等の「フロント企業」にならないよう、欠格事由は厳格にすべきです。魔法少女と一緒に林檎を盗んだりするような魔法少女製造業者にならないよう、犯罪者等については許可をできないようにすべきである。

 なお、通常は人間以外が許可申請をすることはないのでしょうが、QBが申請した場合を予期して明文で規定を設けた。第2項の試験は、拳銃で申請者を穴だらけにして、別のところから申請者が現れて穴だらけの体(だったもの)を食べると「明らかに人間でない」として不合格とかでしょうか*7

追記:現時点では、QBは不死身になっている。しかし、今後QBの弱点が見つかるのではなかろうか。その場合に、魔法少女製造業者になろうとするQBが申請にやってきた際*8魔法少女契約を結びたい、なるほど、では許可審査をさせていただきます」といってQBを別室に連れ込み、弱点を突いてQBを抹殺するというシナリオを考えております。そうすれば、「法律に基づく試験であり、正当業務行為」という理屈でQB抹殺を正当化できます。試験方法を内閣府令に委ねたのは、将来QBの弱点が発見され次第迅速に対応できるようにするためです*9

(標識の掲示)

第七条 魔法少女製造業者は、営業所又は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、内閣府令で定める様式の標識を掲示しなければならない。

2  魔法少女製造業者以外の者は、前項の標識又はこれに類似する標識を掲示してはならない。

(名義貸しの禁止)

第八条  魔法少女製造業者は、自己の名義をもつて、他人に魔法少女製造業を行わせてはならない。

 本物の魔法少女製造業者のみが魔法少女製造業を営むべきで、本物かどうかを識別できるようにしなければならない。


(広告等の規制)

第九条  魔法少女製造業者は、その行う魔法少女製造業の内容について広告その他これに類似するものとして内閣府令で定める行為をするときは、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を表示しなければならない。

一  当該魔法少女製造業者の商号、名称又は氏名

二   魔法少女製造業者である旨及び当該魔法少女製造業者等の登録番号

三  魔法少女製造業者が提供できる対価の範囲

四   魔法少女になる際に魂が肉体から剥奪される旨

五   魔法少女は将来的に魔女になり得る旨

六   前五号に規定する他、当該魔法少女製造業者の魔法少女製造業の内容に関する事項であつて、顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものとして政令で定めるもの

 

「聞かれなかったからさ」と言わせないためには、法律で説明義務を規定するのが最良。


(契約締結前の書面の交付)

第十条 魔法少女製造業者は、魔法少女契約を締結しようとするときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、顧客に対し、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。

一  当該魔法少女製造業者の商号、名称又は氏名及び住所

二  魔法少女製造業者である旨及び当該魔法少女製造業者の登録番号

三  当該魔法少女契約の期間、魔法少女の負う義務、その他魔法少女契約の概要に関する事項であつて内閣府令で定めるもの

四  手数料、報酬その他の当該魔法少女契約に関して顧客が支払うべき対価に関する事項であつて内閣府令で定めるもの

五 書面による解除が可能であること、解除期間、その他書面による解除に関することであつて内閣府令で定めるもの

六  前各号に掲げるもののほか、金融商品取引業の内容に関する事項であつて、顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものとして内閣府令で定める事項

(契約締結時等の書面の交付)

第十一条 魔法少女製造業者は、魔法少女契約が成立したときその他内閣府令で定めるときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、書面を作成し、これを顧客に交付しなければならない。

魔法少女が、後で、「あれ、どんな契約を結んだんだっけ?」とならないよう、契約内容の書面化が必要である。内閣府令で文字のサイズ等をきちんと規制しないと、QBのような輩が、豆粒のような文字で重要なことを書いて「説明した」と強弁しかねない。


魔法少女契約期間)

第十二条 魔法少女製造業者は、3ヶ月以上の期間にわたる魔法少女契約を結んではならない。

2 前項の規定にも関わらず、特段の必要性がある場合には、魔法少女製造業者は、内閣総理大臣の許可を得て、3ヶ月を超える魔法少女契約を結ぶことができる。但し魔法少女製造業の許可期限を超えてはならない。

3 前項の許可をしようとする時は、内閣総理大臣は、対価の相当性、魔法少女の希望、その他内閣府令で定める事項を考慮しなければならない。

魔法少女製造業者は、内閣総理大臣の許可を得て魔法少女契約を更新することができる。この場合には前項を準用する。

魔法少女契約における本条に反する部分は無効とする

(先履行)

十三条 魔法少女製造業者は、魔法少女契約の対価を顧客に払った後でなければ、顧客を魔法少女にしてはならない。

2 前条第2項の許可が必要である場合には、魔法少女製造業者は、許可がなされた場合には当該延長された期間に契約期間が伸長されることを条件として、顧客を魔法少女とすることができる。

3 前項において、許可がなされなかった場合でも、魔法少女製造業者は当該魔法少女に対し、対価の一部ないし全部の返還を求めてはならない。

 魔法少女契約の期間をどうするか、これは難しい問題である。さやかのようにわずかな期間で苦しみ抜く魔法少女がいることからは、「最長一週間」という選択もあり得る。しかし、「瀕死の重傷を治して」という願いを魔法少女側が叶えて欲しい場合、たった一週間であれば、QBは「釣り合わない」と感じ、魔法少女契約を結んではくれないのではないか。そこで、原則3ヶ月とした上で、1年や2年の長期契約を結びたければ個別に許可申請するという建前を取った。個別の許可申請では「対価の相当性」を十分に考慮して、「全然釣り合わないよ!!」なんてことにはならないようにしている。例えば対価が「おいしいケーキと紅茶」であれば、3ヶ月以上の契約期間伸長は到底認められないだろう。


(書面による解除)

第十四条 魔法少女製造業者と魔法少女契約を締結した顧客は、内閣府令で定める場合を除き、第十一条の書面を受領した日から起算して20日を経過するまでの間、書面により当該魔法少女契約の解除を行うことができる。

2  前項の規定による魔法少女契約の解除は、当該魔法少女契約の解除を行う旨の書面を発した時に、その効力を生ずる。

3  魔法少女製造業者は、第一項の規定による魔法少女契約の解除があつた場合には、内閣府令で定める金額を超えて当該魔法少女契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。

4  魔法少女製造業者は、第一項の規定による魔法少女契約の解除があつた場合において、当該魔法少女契約に係る対価の前払を受けているときは、これを顧客に返還しなければならない。ただし、前項の額については、この限りでない。

5  前各項の規定に反する特約で顧客に不利なものは、無効とする。

 いわゆるクーリングオフである。

魔法少女契約からの離脱の法理〜魔法少女まどか☆マギカの法的考察 - アニメキャラが行列を作る法律相談所withアホヲタ元法学部生の日常

で、記載した現行特商法による対応では、QBが営業所とかを作ってしまうと対応ができなくなるので、特別法で規制すべきでしょう。20日はマルチ商法と同じです。なお、内閣府令では、「契約期間が20日未満の場合で当該契約期間が満了した場合」といった記載がされる予定です。

(監督義務)

第十五条 魔法少女製造業者は、当該魔法少女製造業者が契約した魔法少女全員を常時監督しなければならない。

(第三者に対する責任)

第十六条 魔法少女が第三者に対し故意又は過失により損害を与えた場合には、当該第三者は当該魔法少女が契約する魔法少女製造業者のみにその損害の賠償を求めることができる。

2 前項の場合において、魔法少女製造業者は、魔法少女に対して求償することができない。但し、魔法少女に故意又は重過失ある場合を除く。

(供託)

第十七条 前条に基づく第三者への債務及び魔法少女への債務を担保するため、魔法少女製造業者は、魔法少女契約締結後、遅滞なく、内閣府令で規定する額を供託しなければならない。

 テレパシーがあれば基本的に監督の要件は満たすことができますが、そこから第三者への責任は全て魔法少女製造業者が無過失で負う。これは報償責任*10である。


魔法少女製造業者の講ずべき措置等)

第十八条  事業者は、魔女又は使い魔の攻撃による危険、魔法少女の武器による危険、魔法少女の暴走による危険、魔法少女の魔女化による危険その他内閣府令で定める危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。

(健康診断)

第十九条  魔法少女製造業者は、魔法少女に対し、内閣府令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない。

2  内閣総理大臣は、魔法少女の健康を保持するため必要があると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、魔法少女製造業者に対し、臨時の健康診断の実施その他必要な事項を指示することができる。

5  魔法少女は、前各項の規定により魔法少女製造業者が行なう健康診断を受けなければならない。ただし、魔法少女製造業者の指定した医師が行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健康診断を受け、その結果を証明する書面を魔法少女製造業者に提出したときは、この限りでない。

(病者の就業禁止)

第二十条  魔法少女製造業者は、鬱病統合失調症解離性障害反社会的人格障害その他の疾病又は精神障害で、内閣府令で定めるものにかかつた魔法少女については、その就業を禁止しなければならない。

魔法少女による魔法少女契約勧誘の防止のための措置)

第二十一条 魔法少女製造業者は、魔法少女による魔法少女契約勧誘の防止のための措置を講じなければならない。

 魔法少女の魔女化や事故死を防ぐには、魔法少女自身の鍛錬もそうであるが、魔法少女製造業者の行動も不可欠である。

 QBをさやかが問い詰めた時、QBが突き放して開き直っていたが、そうではなく、じっくり説明した上で、契約を解消するか、それとも、まだ魔法少女を続けるか選ばせていればこんなことにならなかったのではないかと、悔しい思いでいっぱいである。

 話が脱線したが、魔法少女自身の自己管理に任せるのではなく、違反した場合の制裁を予告して魔法少女製造業者に措置を講じさせるのがよいだろう。


(国の責務)

第二十二条  国は、魔法少女の健全な育成に資するため、魔法少女からの相談、魔法少女への情報の提供その他の必要な援助を行うように努めるものとする。

事業者だけに任せるのではなく、国にもきちんと責任をとってもらうべきである。そもそも警察がきちんと魔女を逮捕できれば、何も問題ないのである。


(法令等の周知)

第二十三条  魔法少女製造業者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨を常時営業所の見やすい場所に掲示し、又は備え付けることその他の内閣府令で定める方法により、魔法少女に周知させなければならない。

 法令が知られていないというのは由々しき問題である。国が広報をするのは限界が大きい。やはり、魔法少女製造業者にやらせるのが相当であろう。


(禁止行為)

第二十四条  魔法少女製造業者又はその役員若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない。

一  魔法少女契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為

二  顧客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤解させるおそれのあることを告げて魔法少女契約の締結の勧誘をする行為

三  満14歳未満の者に対して魔法少女契約を勧誘し、又は魔法少女契約を締結すること。

四  魔法少女契約の締結の勧誘の要請をしていない顧客に対し、訪問し(夢に出現することを含む、以下同じ)又は電話をかけて、金融商品取引契約の締結の勧誘をする行為

五  魔法少女契約の締結につき、その勧誘に先立つて、顧客に対し、その勧誘を受ける意思の有無を確認することをしないで勧誘をする行為

六  魔法少女契約の締結の勧誘を受けた顧客が魔法少女契約を締結しない旨の意思(当該勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続する行為

七  魔法少女をして、魔法少女契約の締結を勧誘させ、又は、魔法少女魔法少女契約の締結を勧誘したことを知りながら魔法少女契約を締結する行為

八 契約期間が切れ、書面による解除権を行使し、その他何らかの理由で魔法少女契約の拘束を受けない魔法少女を直ちに少女に戻さないこと

九 前各号に掲げるもののほか、魔法少女の保護に欠け、若しくは取引の公正を害し、又は魔法少女製造業の信用を失墜させるものとして内閣府令で定める行為

 禁止行為を列挙することも重要である。

第2号の典型が、第8話、公園でのQBまどかへの「セールストーク」である。テレパシーができるQBは、さやかの現状を知りながら、まどかに対し、「さやかを助けられる」と確定的なことを言って魔法少女契約の締結を迫ったまどかはまだ魔法少女になっていないのだから「ポテンシャル」がどう開花するかはっきりしない。それを断定的に言うのは社会的に相当な範囲を逸脱しており、また、不当勧誘の決めゼリフによく使われる。必ず禁止すべきである。

 魔法少女契約勧誘の危険性からは、第4号のような「招かざる」勧誘(不招請勧誘)や、第7号のような魔法少女を使って魔法少女を勧誘すること固く禁圧せねばならない。

(報告の徴取)

第二十五条  内閣総理大臣は、公益又は魔法少女保護のため必要かつ適当であると認めるときは、魔法少女製造業者、その子会社、当該魔法少女製造業者と契約する魔法少女、当該魔法少女製造業者の契約する魔法少女テリトリー内の魔女から、魔法少女製造業者の監督上参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じることができる。

(許可の取消し)

第二十六条  内閣総理大臣は、魔法少女製造業者がその許可を受けた当時既に第六条各号のいずれかに該当していたことが判明したとき、又は魔法少女製造業者がこの法律に違反しその情状重き時はその許可を取り消すことができる。


(業務停止)

第二十七条 内閣総理大臣は、魔法少女製造業者がこの法律に違反した時は、5年以内の期間においてその全部又は一部の業務を停止するよう命じることができる。

(役員の解任)

第二十八条  内閣総理大臣は、不正の手段により魔法少女製造業者の役員となつた者のあることを発見したとき、又は魔法少女製造業者の役員が法令、定款若しくは裁判所の命令に違反した時は、当該魔法少女製造業者に対し、当該役員の解任を命ずることができる。

(業務改善命令)

第二十九条  内閣総理大臣は、魔法少女製造業者の定款、業務規程その他の規則若しくは取引の慣行又は業務の運営若しくは財産の状況に関し、公益又は魔法少女保護のため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、当該魔法少女製造業者に対し、定款、業務規程その他の規則又は取引の慣行の変更その他監督上必要な措置をとることを命ずることができる。この場合においては、行政手続法第十三条第一項 の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

 本法違反に対しては許可の取り消し等の行政上の制裁がまず考えられる。


(罰則)

第三十条  次の各号のいずれかに該当する者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一  第三条の許可を得ずに魔法少女製造業を営んだ場合

二 第二十七条の業務停止期間中に当該停止を命ぜられている業務の一部又は全部を営んだ場合

三 故意又は過失により、魔法少女製造業者が契約する魔法少女が魔女となった場合

四 故意又は過失により、魔法少女製造業者が契約する魔法少女が死亡した場合

五 第四条又は第十二条の許可申請書(第四条第三項に基づくものその他の添付書類を含む)に不実の記載をした場合

六 第二十四条各号のいずれかに該当した場合

七 第二十五条に基づく報告又は資料の提出を拒み、若しくは不実の報告又は資料の提出を行った場合

第三十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 第八条に違反した場合

二 第九条、十条又は十一条に違反した場合

三 第十二条第二項又は第四条の許可を得ず、三ヶ月を超える魔法少女契約を結び、又は更新した場合

四 第十三条又は第十四条に違反した場合

五 第十五条又は第十七条に違反した場合

六 第十八条乃至第二十一条に違反した場合

七 第二十八条の解任命令後、三日以内に当該役員を解任しなかった場合

八 第二十九条に違反した場合

第三十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 第七条一項又は二項に違反した場合

二 前条第三号に掲げる他、第十二条に違反した場合

魔法少女製造業者が不当に第十六条に基づく第三者への賠償を怠った場合

四 第二十三条に違反した場合


(附則)

第一条  この法律は、政令で定める日から施行する

第二条  この法律の施行前に締結された魔法少女契約及び魔法少女契約を締結した者については、当該契約に関する限りにおいてこの法律を適用する。

十三条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 行政上の制裁で不十分なら、刑罰で臨むしかない。


まとめ

 魔法少女契約を適正化するための「業法」の試案はこのようになった。

 この内容を叩き台として、早期に魔法少女契約を規制する立法がなされ、魔法少女契約が適正化することを切に願う

 なお、上記はあくまでも私見であり、いろいろな考え方があり得ることを付言する。


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Twitter@ahowotaでもまどマギ中心につぶやいております。

*1:前は「ブラック」ではなく「ダーク」って言っていたような気もしますが…

*2:あの杏子すら驚いていたことに注意

*3QBのお勧めとしてはhttp://blog.livedoor.jp/geek/archives/51230842.html

*4:1項魔法少女、2項魔法少女・みなし魔法少女

*5:個人的には「かわいいは正義」論者なのですが、純血主義の方も相当多いのではないでしょうか。

*6:細かいことを言うと、魔法少女製造業は「行政法上の特許」ではないだろうか。つまり、社会契約後は、もはや国民一人一人には「魔女を倒す力」を与える自由はなく、本来的にこれは国のなすべき行為であって、これを特別に認めているのがここでいう「許可」ではないだろうか

*7http://www.bk1.jp/product/00095369参照

*8:電子申請は不可としましょう

*9Twitterでコメント下さった餅ありさ様、ありがとうございました

*10魔法少女契約で儲けているんだから、責任を取れ

kar-inkar-in 2011/04/06 18:43 私では細かいところにまで全然ついて行けないんですけど、裏の死体流通業者を規制するためでもあった19世紀イギリスの解剖法とかを対応させてみるのも面白いのかな…とか感じた。詳しくは全然知らないけど。
インキュベータ規制法って表現に脊椎反射。

ronnorronnor 2011/04/06 21:47 コメントありがとうございました。
そんな法律があったのですね。外国法はあまり詳しくないので勉強になります。ありがとうございます。