アニメはテレビで流すべきじゃない、映画館で上映すべきだ

ronri2007-10-29


映画館の案はボツということで、新しい案を作りましたので是非読んでみてください。下記のリンクからどうぞ



前置き
最近よく語られる「ニコニコでアニメを売る」という案なのだが、これはかなり浅い考えだと思う。パソコンで観れるのなら、スクリーンキャプチャーすればいいだけの話。それこそようつべとかに流されて、有料視聴の意味がなくなる。ニコニコ動画内でユーザーによってアップされる可能性も十分あるのでこの案は却下。(一番下に追記があるので参照してください。asdfさんのコメントへの返信です)


今と昔の違い
自分は、アニメ業界はもっと根本的な構造改革が必要だと感じる。昔は広告収入で成り立ってたが、今は時代の流れで、子供の頃ドラゴンボールドラえもんを観てた層が萌え系のアニメを観ていたりする。萌え系のアニメは上記のゴールデン枠のアニメと違って、スポンサーがそのアニメのDVDを宣伝するというような形になっている。例えば深夜アニメのCMは放送しているアニメの原作を出版元の雑誌の宣伝とか、そのアニメのDVDとか。つまりCMは勿論広告であり、本編もある意味DVD用の広告だったりする。


アニメのDVDを買う層とは
DVDが売れないのはニコニコ動画のせいだとか言われてるが、そもそもアニメはテレビ番組だ。テレビ番組は無料で観れるもの。それを観たあと、もう一回観たいと思う層は録画をしている。無料で一回観て、それで終わりだという層はDVDを買わない。逆に考えてみるとDVDを買う層はテレビで一回観ているということだ。決して映画とかと同列に考えてはいけない。同列に考えてしまうから「人が汗かいて作った物に対して、お金を払わなくなっちゃった」とか検討違いな考え方が生まれる。映画のDVDを買う層は映画の上映期間内に映画館へ足を運べなくて見逃してしまった人がメインだ。「だからそれだよ。見逃したらDVD買いなさい」というのは間違ってる。Blood+のネット放送は補完のためだと思っているが違うのか?テレビでアニメを放送するということは原始的なレベルで例えると、一回しか観れないDVDを期間限定で不特定多数の人に配っているようなものだ。そのDVDは一度しか再生できない、いわゆるお試し版なのだがコピー(ビデオ録画)しようと思えばできてしまう。しかも製作側はその行為を認めている(というか社会的に認められている)。ついでにニコニコ動画というのは、同次元で例えると、そのコピーしたDVDをさらに不特定多数の人にばら撒くことができる場所ということだ。しかしそのDVDは再生限度がないため、観ようと思えば何回でも観れる。でも普通は一回しか観ない。アニメやテレビ番組というのは基本的にマンガ、小説、漫才などのように、ネタで成り立ってる。ネタがばれると、そのコンテンツの新鮮味が失われる。つまり、初見でなんぼということだ。音楽とは同列に考えないほうがいい。ならばそもそもなぜDVDを買う層がいるのか。それはいわゆる永久保存版というか記念に手元に置いておきたいからであろう。


マンガ雑誌の立ち読み
手元に置いておきたいという願望とは例えば、週刊少年ジャンプで一回連載分を読んだけどコミックスも一応買っておく、というのがそれにあたるのではないだろうか。ついでにジャンプはコンビ二などで立ち読みすれば基本的に無料で毎週読める。ニコニコ動画は言うならば立ち読みと同じようなもので、道徳的には良くないのは確かで、正直「店の人に悪いな」とか思うのが当然だ(ここで「嫌、犯罪だ」と反論してくる人がいるかもしれないが、「観る」ことは現状ではまだ合法だ)。でも店も店で立ち読みしてほしくなかったら、ビニールでラッピングしてしまえばいい。実際ラッピングされてる雑誌とそうでないものがあるだろう?(ついでに昔、コロコロコミックはゴム使ってた)。出版社がそれをしないのは、「立ち読みで読んでもらえればそれなりに宣伝効果がある」という考え方を持っているからだ。それは一作品にしか興味ないような層がいるからだ。そういう層は立ち読みですましてしまう傾向がある。仮に週刊少年ジャンプがラッピングされた状態で販売された場合、立ち読みする層がいなくなる。それは総合的に見ても、メリットよりデメリットのほうが多いだろう。立ち読みで一回読んでコミックスを買う層もいれば、そうでない層もいる。でもなんだかんだ言って、まず読んでもらわないと話にならない。まだ読んだことがないマンガを買うのって勇気がいるだろう?評判が良いとかそういう背景がないと普通は買わない。でも雑誌でたまたま読んでみて面白かったから1巻から買って、連載分まで追いついたっていう事がどのくらい実体験であっただろうか。


技術の進歩と拡大する影
さて、技術は進歩して今やMP3をCDからRipするのは当たり前になってきた。テレビ番組を録画するのもVHSと同じような感覚でできるようになった。この技術の発達によって、コピーというのが容易になった。さっきのマンガとかと比べると、マンガなら1ページずつスキャンしなくてはいけないのに対し、動画は「ポチっとな」でコピーができる。さてどうしたことやら...その録画した動画をアップロードする人の心の中は個人的に案外純粋だと思う。少なくとも動機としては「もっとこの作品を知ってもらいたい」という考えがあるのだろう。でもそれは製作側が望んでいる形式ではないのも確かだ。なぜなら、基本的にそういう動画をアップロードできるサイトというのはEmbed機能があって、動画を他のサイトで表示するという行為が簡単に行える。これは何を意味するかというと、広告を貼れば他の人達が作ったコンテンツでお金が稼げるということだ。もちろんその動画サイトも同類なわけだ。そこが気にくわないのは分からないでもないのだが、それならどうしてアニメもマンガ雑誌で言う「ラッピング」を行わないのか。つまり、買った人だけが観れる、楽しめる形式にしないのか。自分は疑問に思っている...


疑問
今上記の文を読んでて「DVD」や「有料配信」などが頭に浮かんだ人は結構いると思うが、それらの方法では結局アップロードされてしまうから駄目なのだ。だから自分は今この記事を読んでるあなたに問いたい。どうすればアップロードされずにお金を払ってもらえるだろうか?


記事を読んでる人に問いたい
無理なのだろうか?アニメ業界以外の業界をよく観察してみてほしい。別に深いレベルのやり方ではない。社会的に溶け込んでいるメソッドだ。観たものをコピーするのがあきらかに違法になる方法があるだろう?コピーしようとしても画質が下がってしまう環境があるではないか。そこにいないと観れない...そういう場所がある。


解決策
それは映画館だ。資金的にキツイのならミニシアターとかで上映回数増やせばいい(それでも無理ならホテル会場でも会館でもなんでもいい)。映画館ではコピーをしようとするなら、手段としてはビデオカメラがあるが、もちろん違法だ、映画盗撮防止法という法律があるから。同等のことをテレビの前でやっても違法ではない。映画館では盗撮NGなのに対して、テレビの前だったらOKというかソースを元に録画できる。ビデオカメラなど使う必要がない。この時点でかなり違う。客が犯罪のリスクを負わない限りネットに流れないということだ、しかも監視されている環境であるということ。素晴らしいではないか。


映画館について(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%A0%E7%94%BB%E9%A4%A8



映画上映方式の具体的な例
例えば一会場300席程度(ミニシアター)の映画館でアニメを一話500円で放映して、25分ぐらいのアニメを上映するのに1時間ぐらいかかるとして(入場+退場の時間も考えると)。朝9時から夜12時まで14回に分けて上映するとしたら、売り上げは500円X300人X14回=210万円 (満員の場合)。これはとある映画館の中の一会場を一日借りた時の儲け。このお金はもちろん映画館、配給会社、製作会社の内で分配される。力関係にもよるけど、アニメ製作会社に入るお金は少なくとも10%ぐらいだろう。上の場合21万円。


映画館への分配額については下記のリンクを参照
http://www.cinemaworker.com/13kougyou.html



アニメ業界の資金の流れ
この情報を元にアニメ製作会社の現状を再確認する。まずはこの記事をちゃんと読んだ上で読んでほしい。これがBAMBOO BLADEの製作会社の現状らしい。
アニメ製作会社の内部資料が流出
http://news4vip.livedoor.biz/archives/51070285.html

アニメ制作に関する資金の流れ/(経済産業省)


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5000万円 
├───→1000万 広告代理店(電通)←丸投げでぼったくり
↓ 
4000万円
├───→2000万 放送局(キー局)←酷い中抜き
↓ 
2000万円
├───→1200万 放送局(地方局)←これも丸投げでボッタ
↓ 
800万円
├───→数百万 元請けプロダクション ※実際の制作費は1000〜1300万
↓ 
下請け
├───→数百万 下請けプロダクション
├───→1.6万〜 声優(30分アニメ1話) ※新人は8000円
└───→3万〜 アニメーター(月収) ※原画なら動画より上



つまり、多くて1300万は必要だということを考えて計算すると

  • 必要な金額:1300万円

映画館にて1話500円で300人に観てもらった時、製作側へ入るお金

  • 売り上げ:500円X300人=150000円
  • 分配額:150000円X10%=1万5000円(少なくとも)

必要な金額まで達するためにはどのくらいの回数上映しなければいけないか

  • 1300万円/1万5000円=866回(満員の場合)

満員でない場合と会場の規模も考えて、いったい何人に観てもらえば目標額に達するか

  • 1300万円/500円x10%=26万人



この他にも考慮していただきたい項目

  • チケット料金、分配額、映画館の規模などは上下できること。
  • 映画と同じように広告を強制できること。もちろん他の映画の広告もokだし、そういう点ではスポンサーは映画関連でもokなこと
  • 普通の映画は2時間ぐらいだが、アニメの1話は20〜25分程度。映画より気楽に楽しめる金額ということで500円を設定してみたが、それよりも上映時間が短いということはその分上映回数が増やせるということ。
  • ようつべやニコニコのしょぼくて小さな画面で観るよりも、大画面大音量という環境自体に価値があると思ってる人がいること。例えば「映画は大画面でみたい」とか。



新しい客への配慮
いつでもそのアニメの一話目、および過去の話数が観れるように過去の回を一定の割合で上映するということをする。一回映画館に行って、数話まとめて観ることができるようにしないと初めての人は困るので、そうするのは当たり前なこと。


現状でも一応行われている
映画館でアニメの試写会が上映されるのは稀ではない。実際、マリア様がみてるOVA一巻は試写会が行われてるし、これを考えると「アニメを映画館で観る」ということは受けいられてもおかしくないということ。ただ、上記の例だと応募という形で抽選をしてお金を取らない。自分の案はいわば有料OVA試写会を全国規模で行うという感じだ。


主な宣伝方法

  • 1話を無料上映すると客が集まるということ。続きが気になって2話も観てしまう、あるいはその映画館でやってた他のアニメに興味を持つということも大いにありえるということ。
  • 1話本編をYouTubeニコニコ動画に合法的にアップしてEmbedを可能にすれば(YouTube)かなりの宣伝になる。それが嫌なら宇多田ヒカルの「Flavor of Life」の時のようなブログパーツを用意すればいい。映画館で上映してるものはアップされにくいので、続きが気になったら他に観る方法がないため映画館に行かざるを得ない状態になる。



便乗効果

  • 映画館でグッズ販売ができること。
  • 小さな映画館を貸切に使うという形になると思うが、それはそれで周囲の店の商売がいもずる式に繁盛する(飲食店は特に)。例えば1話観たあと、休憩にランチ、仲間の間で感想を語り合う、その後2話目を観る。まるでニコニコ動画のようじゃないか。
  • DVDは全話放映し終わった後出しても誰も文句言わない。それまで誰もコピーできないので海外のBittorentでアニメを観てる外人は涙目。
  • 映画と違って期間を限定せずに上映可能なので年中放映したままでも多分成り立つ。
  • タイタニックほどではないだろうが、同じ回を数回観るリピーターもでると思う。



順番は大切だ
この方法で稼ぎに稼いだ後なら、有料チャンネルなどにTV放送するとかしても損害はあまりないと思う。例えば現在の映画は映画館で上映>DVD>TV放送の順で公開する。しかし、現在のアニメはTV放送>DVDの順、逆なのである。この方法で映画を放映したらどうなるか...テレビ放送>DVD>映画で上映。あなたはテレビで放送された映画のDVDを買いますか?そういう層もあるとは思うけど、少なくとも映画館に足を運ばないでしょう。


DVDについて
この方法を「OVA試写会」(有料)と呼んでみる。大体分かったでしょうが、勿論動画の公開順は映画館>DVD>テレビ放送。映画館で放映してからDVD化するまでタイムラグがあるその間に目標動員数を達成できれば元が取れる。その間は違法コピーの心配がないし、映画とは違って「映画館を貸しきる」という方式なので、ライバルとかもない。アニメのDVDが5000円とか6000円するのは「元を取る」というのが目的だからで、資金が無事回収できた後ならば、DVDの値段は下げることができるだろう。


地方への配慮
ご意見を頂いたので追記させて頂く。地方の方は確かに映画館で観るのが大変な場合がある。相当田舎じゃない限り、マンガ喫茶やゲームセンターにアニメをプリクラ感覚で観られる設備があると良いかと。小規模でも大規模でもやっていくべきだと思う。普通ゲーセンのゲームを遊ぶ時、素人だったら5〜10分、玄人だったらその倍以上の時間を費やす。そういう意味では個室でアニメが1話とか観れるマシンがあっても良いかとは思った。ただ、上にも書いたとおり、建前的にはこの映画の案は「OVAの試写会」(有料)なわけだ。だから元が取れた後は、TVやニコニコ動画でバンバン視聴できるようにすれば関連商品も売れるだろうし。意見の本質的には「元が取れてない段階でTVに流すのは止めよう」ということ。そうしないとDVDの値段は高くなるわ、泥棒扱いされるわで安心して観れない。


結論
まとめると、現在のテクノロジーは驚異的だ。それゆえ違法コピーを犯罪として防ぎたいのなら、明確にそれが取り締まれる方式で放映すればいい。いつまでも古い方式に囚われてはいけないのは確かだが、昔からある方法で成り立ってるビジネスモデルを取り入れるのも一つの手なのではないだろうか。


PS:長文を読んでいただき誠にありがとうございました。


関連リンク:

  1. ニコニコ動画のアニメ問題を解決する1つの方法:「DVDの特典映像をアップする人がいるくらいなんだから、ニコニコ動画アニメチャンネルの映像を無料会員向けにアップする人もいるんじゃない?」と言ってる同意見の方です。
  2. アニメ製作者に必要なのは説教ではなくてお金じゃないの?:「年間 50 本くらいとして、一本あたり 4000 万円です」この人は解かってないのかもしれませんが1本じゃなくて、一話あたり1000万〜1300万なんですよ?足りないじゃないですか。
  3. ニコニ考 - 給料より安い制作費:個人的にTV放送は上記の映画館放映式にした場合でも、間を空ければ成り立つと思います。ただ初出の時にコピーしたい放題の状態になると、ビジネスとして成り立たないと思ってます。実質映画というものは映画放映>DVD化>TV放送の順でしょう?順番入れ替えたら成り立ちませんよね。TV放送の段階にきて、やっとニコニコ動画でそういう配信をするべきだと思います。
  4. ニコニコ動画を「ビジネス」として成立させるなら:世界規模っていうのはいいのですが、海外の人はBittorentでどうせ高画質のものを観てますよ。
  5. ニコニコ動画に関する雑記。:そうですね〜。ニコニコ動画の存在を知ってるうえでDVDを買ってる人はすごいと思います。
  6. ニコニコから消されるアニメのDVDは買うべきじゃない:買うのをガマンするという奇妙な現象が起きる...のですが。製作側は苦しいままですよ?
  7. ニコニコ動画の可能性:ふむふむ。確かに自分もニコニコ動画を観始める前はアニメ観てなかった層だ...
  8. ニコニコ動画は「権利者削除」だけではなく「権利者課金」を提供したらどうだろう:これはある意味良いと思う。でも根本的にはそのお金の負担がニコニコの勢いを殺すことになるような気もする。
  9. 構造改革なのか、単にニコニコという遊び場を守りたいのか、どっち?:両方だと思う。アニメの構造改革は必要だと思うしニコニコ動画が存続するためには皆が納得できる仕組みを作らなければいけない。
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利便性の問題
やっちゃん 『映画館でアニメを放映しても、あまり行く人はいないんじゃないか?少なくとも私は映画館まで行ってアニメを見たくない。映画館まで行く時間、自分の見たいところを繰り返したり、見たくないところを飛ばしたりすることができないなどの、要するに利便性に乏しいんだ。手間が掛りすぎるし、全話見るには多くの人に足りない忍耐や強烈なその作品への愛が必要だろう。映画館で制作者も視聴者もニコニコするには、視聴者側に要求するハードルが高すぎるんじゃないか。』
それはおそらく公開するアニメの認知度の問題でしょう。原作が有名とか「京アニの新作」というブランド的な要素がない限り無名のままでは観に行く人はいないとは思います。でもアニメ製作会社はそういう時こそネットの力を使うべきかと。宣伝という目的においては、ニコニコ動画YouTubeなども遠慮なく使っていくべきだと思いますし。利便性が乏しいというのなら映画だってそうでしょう?DVDが出るまで繰り返して観たりはできない。でもその利便性を重要視しないというか「一回観て終わり」という層がまず割合的に多くて、その人達にまでそんな利便性を与えても意味がないでしょう?観たら終わりなんですから。そもそもDVDを売る目的の一つとして、何度も好きなだけ動画を観れる権利を視聴者に与えるっていうのもあるんではないでしょうか?その権利を格安でニコニコ動画で実現したいという声があるのは解かるのですが、個人的に視聴者側の一部のマニアが求める利便性より、アニメーターという職業を安定させることが今のところ課題としては最優先なんじゃないかと。そうしないとアニメ産業が潰れてしまう。もしどうしても映画館へ行くのが面倒ならば、DVDを待てばいいだけの話だと思います。


画質の調節でなんとかなるのでは?
asdf 『>「それこそようつべとかに流されて、有料視聴の意味がなくなる。ニコニコ動画内でユーザーによってアップされる可能性も十分あるのでこの案は却下」。高画質、低画質という切り分けについては無視?自分としてはその割り振りが上記の記事に置いて最も重要なポイントだと思う。P2Pで流れたらどうしようも無いが、現状のyoutube,ニコニコでは高画質(DVD以上)の画質で上げることが不可能なので「ようつべとかに流されて、有料視聴の意味がなくなる。」という事は無い。まぁ自分の意見としては、その商法は鯖の負荷やら資金回収の面で現実的では無い話だと思うが。また映画館で放送という方法は、視聴者から確実に資金を得るという点に置いては良いが、やっちゃんの言う通り利便性に乏しくなると厳しいんじゃないかと思う。』

ニコニコ動画の場合、YouTubeと違って動画をフルスクリーンで観れない。現状はそうだけど仮に観れるようになったとしてもDVD並みの画質じゃないと「高画質」と呼べないのか、ニコニコでアップされてる動画で「高画質」(500Kbpsとか)と書いてある動画でも高画質と呼んでも良いのか、そこら辺の線引きが曖昧だから高画質だからといって高画質派のユーザーが利用するとは限らない。個人、個人で高画質の定義が違うからだ。そもそも画質にこだわる層というのはどのくらいいるのか、それはDVDの売り上げでは判断できない。というかニコニコ動画を利用してる時点でそのユーザーが画質にはあまりこだわってないのが分かる。もしこだわっていたら、アニメ本編とかは初見の時にそのちゃんとした画質で観たいはずだ。百歩譲ってニコニコ動画でそのビジネスが成り立ったとしよう、スクリーンキャプチャーしてP2PやBittorent、うpろだ、あるいは他の高画質をサポートできる動画サイトにアップされて終わりだ。


技術的にコピーを阻止する方法は?
BigHopeClasic 『そもそもどうしてDVDのデータを吸い出してアップロードできるんでしょうか。DVD側からコピーすることををロックするのはそんなに技術的に困難なのでしょうか。』

僕が言ってる「スクリーンキャプチャー」というのは、ニコニコ動画でゲームプレイ動画とか「描いてみた」のような動画を作るのに使われる、デスクトップ上で行われている事を録画するソフトのことを指しています。これはモニターに出ている映像を録画するものなので、DVDにプロテクトがいくら付いていても無駄なんです。少し前にコピーコントロールCDというのが出ましたが、あれもカセットやMDにはアナログで録音できましたよね。それと同じでいわゆるアナログ録画なんです。


それだけの価値があるのか
omy 『500円を払って20分や30分の新作アニメを見に行くやつらは少ないと思う』
200円でも300円でも料金とかはいくらでも上下できると書きましたが、映画館の設備を考えると観賞中の臨場感などが比べ物にならないと思います。だから料金は「コンテンツ+設備による臨場感」という総合的な価値観から考えるべきです。なんならNice boat商法でもいいんですけどね。1話目をネットでブログパーツとして無料でばら撒けば続きが気になる層は観にきます。


マンガ喫茶のポテンシャル
n 『俺も似たようなこと考えた。テレビとネットはどうしてもコピーされるから家庭外での上映するしかない。しかし映画館で今放映されてるだけの数のアニメを全部放映するのは無理だろうし、他にもいろいろ問題がある。そこで映画館より個室鑑賞スペースや漫画喫茶などで配信するのはどうでしょう。コピーは防げるだろうし、コストも映画館より低い。見る時間もユーザーが自由に選べる。仕事帰りに満喫でアニメ2,3本見て帰るという生活はわりと現実的なように思います。』
僕の案を実行するとしたら、アニメ製作会社単位で行うことになるので、例えば「京アニはこの映画館、GONZOはあの映画館」というような形になるからアニメが全部観られるポータルとは違います。製作側にスポンサーがちゃんと付いてるなら、その会社はそのままアニメ放送でも良いし。でも深夜アニメ辺りはTV局にぼったくられてるのが現状だと知ったのでこの記事を書いてみました。そういえば昔、渋谷の大型児童館(みたいな?)に行ったことがあるんですけど、そこで無料でアニメが観放題だったことを思い出しました(施設への入場料は取りますが)。個室で観れるタイプだったのですが、最近は図書館でもDVDが借りれるとか、その場で観れるとか(個室で)。マンガ喫茶でそういう設備がある(?)所はそれで良いかもしれませんね。というか映画とそれの両方で良いのではないでしょうか?一人でじっくり観たい人と大勢で観たい人それぞれいますから。


地方への配慮-ゲームセンターでプリクラ感覚-
タチバナ 『自分は都内なのでそうでもないですが、地方など、映画館(若しくはそれを放映する施設)が少ないと大変でしょうねえ。技術が進歩したことによって気軽にアニメが見られなくなるなんて、矛盾というか皮肉な話ですな。』
自由になるほど制御しないと大変なことになるってことですかね...地方などの配慮ですが、確かに映画館で観るのが大変な場合があります。相当田舎じゃない限り上にも書かれたとおり、マンガ喫茶やゲームセンターにアニメをプリクラ感覚で観られる設備があると良いかと。小規模でも大規模でもやっていくべきだと思います。ただ、本文にも書いたとおり、建前的にはこの案は「OVAの試写会」(有料)なんですよ。だから元が取れた後は、TVやニコニコ動画でバンバン視聴できるようにすれば関連商品も売れるでしょうし。意見の本質的には「元が取れてない段階でTVに流すのは止めよう」ということです。