Hatena::ブログ(Diary)

ROOTSY! このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

 

2017-08-04 このエントリーを含むブックマーク

列車がレールを叩く音で目覚める。路線図ではこんなところ電車は走っていないので頭でも狂ったのかと思ったのだが、カーテンを開けてみるとホテルの裏手が一段低くなったところを確かに地下鉄が走っていて、なんだこれと思って地図を見てみると、グリーンウッド墓地とサンセットパークのあいだに地下鉄の車両基地があって、そこにつながる引き込み線のようだった。まあでも、電車はやかましくとも排ガスを出さないから、それほど嫌ではない。

チェックアウトしてレンタル自転車を借りて、きょうはブルックリンの行ったことないエリアをつぶして土地勘をつけていくつもり。グリーンウッドからパークスロープ、クリントンヒルからベッドスタイ、フラッシングav駅から北上してウィリアムズバーグの東側。うーむ。だいたいわかってきたぞ。citi bikeは30分以内にいったんドックに戻さないと料金が加算されてしまうのでかったるいが、それ以上にドックが至るところにあるので、ボストンの同じシステムよりだんぜん困らない。

いったんチャリを返してサブウェイでウォール街へ。ビザのことをお願いしようと思ってる弁護士さんと面会。いい人だったので本依頼する。またciti bikeを漕いでSOHOのコンちゃんちに立ち寄って、またチャリでブルックリンハイツに出てユザーンとお茶。あのあたり雰囲気よくてすごく気に入ったけど、あとで賃貸サイト検索したら死んだ。たぶんブルックリンでもっとも高い。ブルックリンが東京と似てるのは、標高と地価がけっこう比例しているところだ。パークスロープも坂道を上り切った公園沿いがいちばん高いと聞く。

ダウンタウンのタワマン街をうろうろして(低層階が思ったより安くて、タワマン住むのはダサいけどありかもしれない。こっちは地震のリスクもないし)、ハンちゃんとヨハンと待ち合わせしてマンハッタンのコリアンタウンで夕食。ハンちゃんたちは去年に続いてマシューギャリソンがオーナーをつとめるシェイプシフターラボで下働きのバイトをしながらマシューのレッスンを受けている。とてもいい選択だし、間違いなく彼らの音楽人生にとって宝となるような日々だろうと思う。出会った頃よりお互い英語が上達しているので数時間おおいにしゃべり、バスの時間でバイバイ。

グレイハウンドはいきなり1時間半も発車遅延。バスターミナルがクソ寒くて座るところなくて最悪だった。いちど走り出してしまえばそんなに悪くはない。NY郊外を過ぎてコネティカットに入ると高速道路の街灯がなくなって、星明かりのなかをヘッドライトだけ頼りに走り続けることになる。子供の頃に何度か行った富士山での天体観測とか、あと96年にタクラマカン砂漠をバスで一周したことなど思い出して、とてもよい気持ちになる。サウス駅からウーバーで(正確にはLyftで)帰宅して、風呂。うちの風呂が最高!

2017-08-03 このエントリーを含むブックマーク

ブラジリアンハーモニーはMPBつづき、カエターノ。MPBはジャンル名じゃないなーって思える、EDMと同じくらいレンジの広い言葉なのだが、ボサノバ以降、という意味では共通した時代感覚があるのもわかってきた。それにしてもムルホランドはケチなのか自分でトランスクライブしたリードシートをOHPに映すばかりで配布してくんないんだよね。もう一度言うけど、ケチなのかなw。

学校の前でミツと待ち合わせして、バックベイ駅からamtrakでStamford駅、Metro-Northっていう謎の近郊鉄道に乗り換えてPort Chester。ドナルドフェイゲン&ザ・ナイトフライヤーズのツアー初日を見にきた。いちおうツイートしたの加筆して貼っておきます。

NYから電車で1時間10分という絶妙な片田舎、ポートチェスターにやってきました。駅周辺、東京でいうと拝島って感じ。なんでこんな地味な町のホールが、ドナルドフェイゲンの新バンド、ナイトフライヤーズのツアー初日なのか。たぶんフェイゲンなりの意味がありそうです(もしくは単なる意地悪)。駅の近くにエルサルバドル料理店がふたつあって、入ってみると英語のない世界に。移民の町なのかな。

Donald Fagen & the nightflyersのツアー初日、さきほど終わりました。素晴らしかった。まずメンバーは既発の4人に加えてZach Djanikian (gt, t.sax, cowbel)。このマルチプレイヤーの加入により、楽曲の再現度がかなり高くなってる。しかし再現ライブとはまったく違う。フェイゲンはピアニカ1曲を除いてずっとRhose。Keyのウィル・ブライアンはハモンドの上にProphet08、左側に生ピ音色のエレピ、右側にエレピ。これで音色的にはじゅうぶん。コーラスは3声で入れ替わり制、ごくたまに6人全員歌う瞬間がある。

コナー・ケネディはギターも歌も才気横溢、フェイゲンを食ってしまう瞬間すら。これを見込んだんだな。来日時のお楽しみで伏せますが、アルバム曲のほかに意外な曲もまさかの有名曲も出し惜しみなくやってくれました。そのセットリストを通じて表現されたのは、剥き出しになったフェイゲンの核心。若いバンドサウンドは、楽曲からジャジーな和声、シーケンサー、アーバンなシンセ音などの化粧を剥ぎ取る装置でした。その音像をとおして聞けば、フェイゲンはSDの1st、2ndから一貫して、aja/gaucho期も現在に至るソロも、彼は変わらずブルースロックを書いてきたのが明確にわかる。

それにしても、なんて達者でみずみずしい、相反する性質を高次にあわせもった演奏だったろう。桁外れの楽曲群を携えた新人バンドのデビューを、72年にタイムスリップして目撃しちゃったような気持ち。ジャジーな化粧を取り払った音像はBNJFで不安だけど、それを超えてアメリカ音楽のひとつの極致があるのは保証します。Twitterでは何か言われるのが嫌で書かなかったけど、こんな日記まで読みにきてくれる人はネタバレ激怒とかしないと信用して、セットリストを書いておきます。

Green Flower Street
New Frontier
Hey Nineteen (Steely Dan)
Shakedown Street (Grateful Dead)
The Nightfly
Kid Charlemagne (Steely Dan)
Beast Of Burden (Rolling Stones)
Bad sneakers (Steely Dan)
You Can't Catch Me (Chuck Berry)
Dirty Work (Steely Dan)
Home at Last (Steely Dan)
Falling - Twin Peaks Theme (Julee Cruise)
Third World Man (Steely Dan)
Bodhisattva (Steely Dan)
Weather in My Head
Peg (Steely Dan)
I.G.Y.
Viva Viva Rock and Roll (Chuck Berry)

encore
Reelin' In The Years (Steely Dan)

なんだろうこの満腹感。Fagenは死ぬつもりなのかな。自分の作品群をアメリカ音楽のメインストリームのなかにプロットしていこうとする意図ははっきりと汲み取れた。グランドセントラルまで出てミツと別れ、ブルックリンの36st駅という、フォデラがある駅なんだけどw、そこのホテルに泊まった。マンハッタンはもとよりブルックリンのダウンタウンでもホテル代の高騰は著しく、ここまで郊外に出ないとおれの財布では風呂つきの部屋が取れなかったのだ。

2017-08-02 このエントリーを含むブックマーク

7/28 リハモはメロディにアジャストさせたアプローチコードと、総まとめ。もうまとめかよ〜。この授業は終了後に復習しないと身につかない気がすごいので、やらんと。夕方リハ。どのアンサンブルもお尻に火が付いて、この週末は毎日複数本のリハ。おまえらー。だから早いうちから集まろうって言ったろー。

7/31 リンカーンPI、試験対策で、7/8のブルース進行を流しながら20分以上えんえんソロ。死んだ。3分もすると手札が尽きてくる感覚を覚えはじめる。5分でほんとうに手札が尽きる。10分過ぎると筋力のほうの限界がやってくる。弱い。弱すぎる。もう逃げ出したくなるが先生はニコニコ伴奏し続けてくれているのでやめられない。だいたいこのくらいの練習は、初学者だって普通にやってるのだ。いままでベース奏者だってことを傘にきて逃げ続けたからしんどいのだ。何もかも足りなすぎる。もっとやんないとなー。

昼に921でスコットのアンサンブルのリサイタル。リハが足りなくて構成にボロが出まくったけど、個人技でカバーしてなんとか形にはなった、のかな。35分の演目のはずが50分もやっちゃった。ひどいw。ジャムの緩さと良さみたいなのは両面あるけど、いずれにせよ度胸が要る。あとうまい子さすがだなーって思うのは、ダラけた時間帯が発生しても、キメとかエンディングとかを絶対外さないんだよね。それでオーディエンスの印象がしゃっきり書き換えられてしまう。あとでビデオ見返したらアクションがダサすぎて死んだ。おっさんの内股ほんとヤバい!

8/1 進路指導はフィリピンから来てるジレちゃん(すごく才能あってしかもかわいい)が自分のプロジェクトを発表したり、あとアミネがジミーファロンに出たときのビデオ見てディスカッションしたり。アミネのREDMERCEDESはミンストレルショーのリバースエンジニアリングだと思うって言ったら先生だけすごく受けてくれた。

そのあと来週ツアーでお休みのリンカーン先生の補講。つまりこれがリンカーンとの最終授業ということになる。昨日に引き続き、きょうはActual Proofのカラオケ(先生と共同で作ったw)を延々流しながら、ベースラインも担いながらのソロ25分。やっぱり死んだ。そりゃ入学時よりは上手くなってるとも思うけどさー、こんな徒手空拳で卒業させていいんかねーという気分に。

午後のMotown/AtranticはWhat's happening brotherをまた8小節だけ執拗にコピー。おれはジェマーソンの開放弦使った手クセ分析には自信がある。Pop repetoirは持ち寄りで耳コピ大会。

8/2 リハモ、これまでやったリハモ手法を複合的、多重的に使用した拡張について。サンプルがビルエヴァンス中心になる。巨人だなー。そのあとネデルカのアンサンブルのリサイタル。授業があるからリハに行けないって伝えておいたのにrootsyがいないってことになっていたらしく、なんとも脱力。

リサイタル本番は、おとといのに比べたらリハができていたのもあって、あとみんなそこそこリラックスムードで、楽しく終えられたように思う。一度だけマジかよっていうミストーンをした。また例によって、簡単なところで。減ってきた気はするんだけど、この悪癖をなんとかしないとステージ仕事では一生信用されないで終わりそうで、怖い。奥さんとお子と、奥さんのママ友がおふたかた来てくれて、同じ月齢の幼児が3人並んだ。大学では珍風景だったように思う。ネデルカはすごいよろこんでくれた。

ライブの興奮も残ったままミッチのアドバンストハーモニー、今週からビル・エヴァンス(またしても)。リハモ視点ではなく、マルチトニックやアクシスシステムからの分析が中心。これでいちおうジャズ和声の理解としてはポリモーダルが抜けてるくらいには埋まってきたかなー。その先は現代音楽領域に突っ込んでしまうように思えるし、なによりおれはポップ耳なので、自分の魅力を感じる領域がわかれば、よしとしよう。

2017-07-27 このエントリーを含むブックマーク

きのう、いろんないきさつがあったのだがドバッと省略すると、ベースデパートメントの定例会に愛するフランシス・ロッコ・プレスティアが来てくれて、レクチュアをやった。やったのだが、おれはもうほんと頭に来た(その1)わけでなー、ぜんぜん人が集まらなかった! ヤネクなんか満席になったのに、教室の1/3も埋まらなかった。うちの学校に来すぎててすっかり飽きられてるウッテンですらもっと集まるのに。ホストをつとめたサンドロちゃん(副チェア)がすごい申し訳なさに包まれながら司会をしていた。

やるせない。ロッコだよ? おれだってそこそこバークリー愛なくはないけどさー、このときばかりはダサい学校で嘆かわしいわーと思ったよ。何が大事なのかさっぱりわかっちゃいない。ざんねんだ。残念。はー。さておき病み上がりのロッコはいつものしゃがれ声がだいぶ弱々しくて、動きが緩慢で、でも血色はよかったな。プレイはちょっとだけ緩くなっていたけど、でもロッコだもん、なにしろスタイルキングだし、オンリーワンだし、イノベイターだから、劣化なんて言わせない。その人にしか出せない音を奏でている人の強みだなー。

デモ演が終わったときにハッと気が付いて、家に鬼ダッシュで帰ってタワーでいちばん好きなBump Cityのアナログ取ってきた。帰ってきたら続いているはずのレクチュアが、質疑が続かず盛り上がらないので早仕舞いしたとのこと(頭来たその2)で死ぬほど焦ったのだが、トイレからロッコが出てきたので「さっき途中で抜けてすいません、これ取って来たのでオトグラフプリーズ」って言ってサインしてもらった。インスタ参照。英語が出てこなくて死んだのだが、とにかくライフタイムヒーローだしビッグリスペクトしているってことは伝えられたと思う。

そんで今日、5weeksのTOPアンサンブルにロッコがジョイントする、というイベントがあったんで行ってみたんだけど、ロッコの扱いがめちゃくちゃ酷くて、おれはもうほんと頭に来た(その3)。いくら口下手だからってトークセッションは先生ばっか喋ってさっさと切り上げちゃうし、いざ演奏になったら、15人くらい上がってるステージの最後列で弾かせてさー、前列で先生ははしゃいでるし、ボーカルはカラオケ気分ではしゃいでるし、なんなんだろうあの軽い扱い。単純に客からロッコぜんぜん見えないし。呆れた。

ディーモに会ったんで文句言ったら「おれもそう思ったけど、彼はすごく謙虚な人だから後ろでいいって自分で言ったんじゃないかな」って言われたけど、仮にそうだったとしてもあれはない。ほんとに。大きなお世話だけどさー、ロッコが傷ついていないか気が気じゃなかった。呼んどいて軽く扱うってほんとにタチが悪いと思う。ハービーが来ても同じことできるのだろうか? アンサンブル自体は5weeksと思えないくらい仕上がっていたけど、ロッコが弾いた途端TOPのサウンドになったので、そこは単純に感動した。よかっただけに、残念だったな。

2017-07-26 このエントリーを含むブックマーク

例の精神汚染の件は、おおまか抜けて復調しました。妻子の愛と、あと飛ばし読みじゃなく最初から最後まで読み尽くすことによってw。やっぱりハンパに触れたのがいちばんよくなかったように思う。あと治療には、ある極ともう一方の極の両方を併用するとブーストが掛けられる気がしている。たとえば風邪ならルルアタックFXと熱めの風呂、みたいな。鬱ならカウンセリングと筋トレ、みたいな。さておきなんかめちゃくちゃな日だった。まずリハモテックは先生ドタキャン。今セメ2度目。ロチンたん好感度アップしかけてたのに下落。

そしてネデルカのアンサンブルは、これは1ヶ月前から予告どおり先生お休みで、代わりに生徒だけで練習するはずだったのに、何人かが急に「ちょっと行けない」とか言い出してバラシに。もうほんとこの「非アジア人の」「10代の」「5人以上と」スケジュールを組んでいくのが、ほんといつもグダグダかつカツカツになるのでたいへんにストレスだ。調整さん導入しろよ!と思うのだが、語学力でどうしても引け目があるので、せいぜい自分の都合を主張する程度になってしまう。

そのあとミッチのアドバンストハーモニー。メセニーでも難曲ばかりのアナライズなんだけど、この辺のになると2小節ごとにトーナルセンター移動してローマ数字書いても書かなくても一緒、みたいな状態になる。それでもセンターがしっかりホールトーンで移動していたりして、6トニックシステムだーみたいな見どころはある。それよりミッチの譜面を見る目がいつも興味深い。ムルホランドもリックもそっくりだから、たぶんちゃんと作曲を突き詰めて勉強した人はみんなそうなのかな。

こんなのピアノを習ったり音大通ったりしてきた人には当然すぎることなのかもしれないけど、おれのように学が乏しく譜面とあんま仲良くない人間は、渡された譜面を散文的に、リニアに「読んで」しまう。メロディと和声進行を線形的に追い、おれごときでも楽譜を読めば脳内に音は流れるので、読み終わって曲が把握できた気持ちになる。でも先生たちはまず、そのページをバッて絵みたいに見るんだよね。見て、骨組みを捉えてしまう。これは囲碁で局面を見るときビジュアル優先で模様として把握するのと似ていると思っている。

そのページをバッて図像的、フォルム的、絵画的に「見る」から、まず「このへん音符が混み入ってて黒いね、このへん白い」とか言う。それから「ここの形とこことここ似てるね」「こことここは左右対称」「ここにいちばん高い音がある」「うーんC#の音が多いね」「このへん臨時記号が集中してる」みたいなことを一瞬で言う。コードについてもひとつひとつのルートとクオリティを見るんじゃなくて、「(インターバルが)長3度、長3度、長3度でConstant Cycle」「4回目はインターバル4度で着地してるね」みたいなことをまず言う。

別にあの現代音楽の図形譜面みたいな話じゃなくて、譜面に達者な人にはふつうの五線譜形式の譜面でもじゅうぶんにビジュアルイメージとして見えていて、それでその曲の要点が読む前から瞬間的につかめているのだなー、と気づかされるわけだ。そのあとで、あれ線形的に読み直してるのだろうか、生徒の習作くらいなら初見でピアノで弾ききってしまう。よく見えてる視界が違うとはいうけれど、気づいてみりゃなるほどなんだけど、実体験として積み重なってきて、なるほどなーと思うのであった。

実はミッチの前に、私の数少ないベースヒーローであり人生スパンでフェイバリットベースプレイヤーのフランシス・ロッコ・プレスティアに会う、というすごいイベントがあったのだけれど、長くなったので明日に回します。