ヒップホップラボ。ビッティ先生は育ちがパーティラップなので、B-boyイズムみたいなものにさっぱり関心がなくて、それはそれで興味深い。シュガーヒルギャングも初期のデフジャムも、思想的な打ち出しはまったくなくて、だからこそヒットできたのだとわかる。アメリカでヒットするということは白人に買ってもらうということと等しい。この話題ではいかに自分がバカだか広報することになってしまうけど、アメリカに来るまで私はこの国の人口比率をすっかり勘違いしていた。黒人が、人口の半分とは言わないけど3、4割はいると勝手に思い込んでいたのだった。

実際には黒人は12%強でラテン系が16.3%、白人が64%である。黒人の間だけでどれだけ強い支持を得られても商売にはならない。デフジャムもモータウンブルーノートもそのことが痛いほどよくわかっているし、ヒットするものは常に混血的で、ある側面では搾取的だ。授業はワシントン・ゴー・ゴーからの影響(16シャッフル曲の登場)、カーティス・ブロウのヒットなど。カーティス・ブロウ長らく耳にしてなかったけど何十年経ってもダサくて最悪だな。ここまで時代を問わず最悪に聞こえるというのは一種の才能というか、売れた理由だと思う。

にしてもここんとこ俺ポスコロなことばっか考えてるね。ニューアカのおしまいの頃も似たようなことを考えていた気がする。あの頃はサイードの和訳が出たばっかりで、でもなんか勢いが持続しなかった。どんな分野でも流行の波があるものだけれど、40年以上生きているとその波に2周目のピークが来たりするのでびっくりする(最近もう慣れた)。