フジロック フェスティヴァル '12(Day 1 : 2012.7.27.)

フジロック '12に行ってきました!
お目当てはもちろんストーン・ローゼズ。2日目(ノエル!スペシャルズスピリチュアライズドバディ・ガイ!そして…レイ・デイヴィス!)も3日目(レディオヘッドコステロ!陽水!EITS!シンズ!ATDI!そして…リフューズド!)も観たかったけれど、体力とテンションが厳しいかなと。特にリフューズドは観たかった!
でも、まったく後悔はしていません。ビーディ・アイとローゼズを最前列でがっつり観れたからね。もちろん、2組とも最高のライヴでした。ローゼズのライヴ・レポは近々どこかでまとまったものを発表します。今回は写真でのレポ。イアンのタンバリン事件もあります(笑)。


出発
当日、朝の4時に起きるつもりが「ローゼズ知恵熱」で寝付けず、3時間くらいウトウトしてから6時に起床。首都高と関越の渋滞に巻き込まれながらも車内でローゼズ1stアルバムを熱唱しながら神立に到着。13時を少し過ぎていたけれど、ドンマイです。シャトルバスで揺られること約30分、苗場に到着しました。雲一つない快晴!僕にとっては2年前にアトムス・フォー・ピースとマッシヴ・アタックを観て以来です。


入場

リストバンド交換所に着いたのは14時前。ここでいちばん体力を消耗したかも。交換までに何と約2時間。例年以上の入場者数とはいえ、これは本当にキツかった。チケット交換係が「リスバンを腕に巻いてくれる」手間で時間がかかっているのかと思っていたら違った。リスバンは手渡しで、自分で腕に巻く方式。だったら、なんであんなに時間がかかるのかな。改善して欲しいな。

入場するとレッドマーキーからチャットモンチーの元気な歌が聞こえた。テンション上がるね!グリーンステージのザ・バースディを少し観てからオレンジコートへ移動。森を抜ける風が涼しかった。ここですでに16時半。


Jah Wobble & Keith Levene “Metal Box In Dub”なんとかジャー・ウォブル&キース・レヴィン“Metal Box In Dub”に間に合った。ラスト3曲だけだったけれど、キースのシャープなリフ(サム・ピックを使いながらアルペジオをミックスするスタイル)と言わずもがなジャー・ウォブルの深くて分厚いベースは最高だった!「Public Image」が聴けたからOK。ヴォーカリストは歌い方と声がジョン・ライドンに似た若いパンクス。声もサウンド構成上の「1パーツ」と割り切っているところが良かった。リアル・パンクスがテクニックと風格を持ち合わせた立派な演奏家になっているのに感動!キースは「THE BEATLES」 Tシャツ。ジャーはデニム・シャツをジーパンにインして、ツタヤの店員みたいなファッションだったけれど(笑)


トロージャンズのギャズと

ジャー&キースのライヴ終了後、ビールを飲んで休憩しようと思っていたら…オレンジコートをトロージャンズのギャズ・メイオールがメンバーとブラブラ歩いていました。シャッターを切る時のかけ声「いっせーの、せっ!」が相当ハマったらしく、この笑顔。きさくでカッコいい元祖ルード・ボーイ。ステッキとパンツがおしゃれでしょ。80年代後半、僕はポーグスや後期ウォーター・ボーイズ等と一緒にトロージャンズの1stを聴いていました。UK/アイルランドには豊かなトラディショナル・ミュージックがあること、パンクと密接に結びついていることに気付かせてくれた音楽。ライヴに間に合わなくてごめんなさい!ちなみにギャズのお父さんはUKブルース・ロックの先駆者、ジョン・メイオールです。


夕暮れ

ホワイトステージへ移動。太陽が傾きはじめて、心地いい風が吹いてきました。ブンブン・サテライツの終了後、僕は左側の最前列をキープ。人混みをかき分けたり、無理矢理割り込んだりせずに難なくポジションを確保できたことにびっくり。フジでの最前列は初めて。ビーディ・アイの登場を待ちます。ヒコーキ雲を見ると良いことがあるって、子供の頃に聴いた話を思い出しました。


Beady Eye

定刻の7時20分過ぎ、大歓声に包まれてリアム、アンディ、ゲム、クリス・シャーロックの4人が登場!少し硬さが感じられた去年のサマソニ、日の丸を背に「Across The Universe」で幕を開けた2度目の来日公演に続く今回のステージは、いい意味で「背負うもの」のないビーディ・アイを目にすることができた。

ローゼズ前という最高のスロット、そして「オアシス・ナンバーをプレイする」と公言できるほどの開き直り。リアムは、いつになくリラックスしたオーラを放っていた。オープニングの「Four Letter Word」からラストの「Sons Of The Stage」まで11曲、一気に駆け抜けるバンドの勢いが清々しい。約束のオアシス・ナンバーは「Rock 'n' Roll Star」と「Morning Glory」。最高にカッコよかった!



フジロッカーズ

ビーディ・アイが終わって、振り返ってみたら…遠くの丘の上までファンのみんなが埋め尽くしていた。照明に浮かび上がる色とりどりのファッションがキレイ。時折沸き上がる「ロー、ゼズ!ロー、ゼズ!」のコールにテンションが上がる。


The Stone Roses

そして、ついにその時が!セット・チェンジの間に鳴り続けるSEが、明らかに雰囲気の違うシュプリームスの「Stoned Love」(←タイトルが最高でしょ!)に変わってから束の間、ステージが暗転すると地響きのような大歓声が沸き上がった。そして、弾き出されるようにイアン、ジョン、レニ、マニがステージに!

オープニングはもちろん、「憧れられたい」。みんな、マニのベース・ラインから歌ってる!ジョンが繰り出すユニゾンのリフ、レニのスネアの一打一打が苗場に響き渡って「本当にローゼズが帰って来た!」ってやっと実感した。そして、両手を大きく宙に掲げて、勝ち誇ったように歩き回るイアン。最高にカッコいい!I Don't Have To Sell My Soul.He's Already In Me...

2曲目は「Mersey Paradise」。ここでみんなの大合唱が小さくなったのには笑ったけれど、続く「(Song For My)Sugar Spun Sister」と「Sally Cinnamon」では、ジョンが鳴らすイントロから大歓声。

CDやDVDで何度も耳にしてきたはずのフレーズがこんなに新鮮に響くことに驚いた。レニは相変わらず手数が多くて、ブランクをまったく感じさせない。2バスに進化したドラム・キットを自在に操りながら、重厚感を増したビートでバンドを前進させる。マニのベースと絡み合いながら、グルーヴを生み出すマジックは健在だ。「Ten Storey Love Song」「Shoot You Down」までの前半7曲目までは、ローゼズのメロウな側面を引き出す最高の構成だと思う。

そして中盤はローゼズのもうひとつの側面「ファンク&サイケデリック」をフィーチャーした選曲。「Fools Gold」での不穏ともいえるダークでタフなグルーヴ、「Waterfall」から「Don't Stop」へと連なる組曲のような流れ。イアン、ジョン、レニ、マニはまったく疲れる様子もない。僕たちを深いリヴァーヴの奥底から儚いメロディが舞う天上へと導いてくれた。「Love Spreads」がこの4人でプレイされることも感慨深い。僕は何度も確認する。4人がステージにいて、ドラム・キットの向こうではレニがスティックを握っているんだ。

やがて「Made Of Stone」のイントロ・リフが鳴り響いて、僕たちは再び1stアルバムの情景に引き戻される。Sometimes I Fantasise, When The Streets Are Cold And Lonely And The Cars They Burn Below Me... 精一杯の大声で歌う。さっきから目の前をリアムが歩き回っていて、ファンのみんなとハイタッチしてる。明らかに不思議な空間だ。完全に想像を超えている。僕もリアムと握手したよ!

「This Is The One」のイントロが聞こえ、ライヴが終盤へと向かっていることに気付かされる。イアンは観客を煽り続け、僕がいる左側のモニター前まで何度も歩み出てくる。その時だ。最前列にいた僕たちに向かってイアンが何かジェスチャーをしていた。「目が合った」なんて、この大観衆の中で思う間もなくその出来事が起こった。イアンが手に持っていたスティック・タンバリンをアンダースローで投げてきた!その瞬間、柵から身を乗り出していた僕の手にスティック・タンバリンが!まわりのみんなとガッツ・ポーズ!「She Bangs The Drums」そして「I Am The Resurrection」を大合唱。やがて後半のジャムが終わって、4人はステージの真ん中へ。満面の笑顔で肩を組み、円陣を作る。もちろん、アンコールはいらない。

気がつけば、涼しい夜風に乗ってボブ・マーリーの「Redemption Song」が聞こえてきた。終演後、まわりのみんなとスティック・タンバリンを囲んで記念撮影。僕は起こったことが信じられなくて半ば呆然としていたけれど、みんなの嬉しそうな顔が素敵だった。ライヴを見られたことだけでも幸せなのに、こんなミラクルがあるなんてね!


イアンのスティック・タンバリン

“Fist Of Fury”と書かれていました。『ドラゴン 怒りの鉄拳』です(笑)。「I Am The Resurrection」の間奏中にもブルース・リー人形で遊んでいたイアン。相変わらずです。

裏返すと“16 X STONE ROSES 2012”というメッセージがありました。16年という歳月が終わり、ストーン・ローゼズがいる2012年。「今」は未来へと繋がっているんだと思えます。タンバリンは僕がたまたま受け取っただけ。このメッセージが日本のローゼズ・ファン全員に届きますように!


The Stone Roses SET LIST
1. I Wanna Be Adored
2. Mersey Paradise
3. (Song For My)Sugar Spun Sister
4. Sally Cinnamon
5. Ten Storey Love Song
6. Where Angels Play
7. Shoot You Down
8. Fools Gold
9. Something's Burning
10. Waterfall
11. Don't Stop
12. Love Spreads
13. Made Of Stone
14. This Is The One
15. She Bangs The Drums
16. I Am The Resurrection
July 27th 2012 at Fuji Rock Festival, Naeba / Japan

Beady Eye And The Stone Roses Live Photo by Kosuke Maruo