Hostess Club Weekender2013 2/2 & 2/3 @ Zepp DiverCity Tokyo

ホステスが主宰するこのイベントも、もう4回目。所属バンドの多様さ、クオリティの高さは言うまでもないけれど、回を重ねるたびにパワー・アップしている感じはすごいと思う。

そして、今回はいよいよVampire WeekendとDirty Projectorsが登場!3rdアルバムのリリースが間近なVampire Weekendと、2012年屈指の名盤『Swing Lo Magellan』をたずさえたDirty Projectors。見ておきたいタイミングとしてはベストだと思う。僕がこの2バンド以外で楽しみにしていたのは、初日のPalma VioletsとBand Of Horses、そして2日目のRa Ra RiotとUltraista。では、初日のライヴ・レビューです!


Palma Violets
メリハリに欠けるパフォーマンスがちょっと残念だったUnknown Mortal Orchestraのあとに颯爽とステージに現れたPalma Violetsは元気いっぱい。笑顔の4人で会場は明るい雰囲気に変わる。Vo/Gのサム・フライヤーとVo/Bのチリ・ジェッソンは、やっぱりThe Libertinesのピートとカールを思わせる。そしてステージ脇のコンパクトなキーボードの前にはピート・メイヒューがスタンバイ。ドラムのウィル・ドイルのカウントでライヴは勢いよくスタートした。アルバム・デビュー前なのに多くのメディアで持ち上げられてるから、「ハイプかも!?」って意地悪な気持ちも当然あったのだけれど…。

サウンドは想像以上にポップでラフでラウド。華のあるフロント・マン2人が観客の心をがっちり掴みながら、(意外にも)アレンジの幅が広いサウンドを繰り出してゆく。絶妙なアクセントになっているのがキーボードの存在。曲によっては『Raven』の頃のストラングラーズを思わせたりも。オーソドックスなギター・ポップとは、ひと味違う方向へ進む可能性があるかもしれない。ドラムも頑張れ!気がつけば、ファンの男の子たちがステージの上へ。そして、メンバーも次々に客席へダイヴ!鮮やかな印象を残す日本でのデビュー・ライヴ。3月に発売される1stアルバムが楽しみ。

180

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Band Of Horses
続いては3本のマイクと電子オルガンがセッティングされたステージにBand Of Horsesが登場!電子オルガンは青空模様の布で覆われていて、場末の雑貨屋さんみたいでダサかわいい(笑)。ライヴでのサウンドのポイントは、電子オルガンとギターを担当するライアン・モンロー(デブ&メガネ)にあると見た。ライアンがギターをプレイするときは、トリプル・ギターと3声コーラスという編成になる。雄大さと繊細さを持ち合わせるこのバンドの魅力がグンと引き出される瞬間だ。

以前サマソニで見たライヴよりもタイトでグルーヴィ。オープニングの「Islands On The Coast」からラストの「The Funeral」まで全14曲、テンションを落とさずに突き進む「馬力」は、そのバンド名に偽りなし。“アメリカ製のエンジンを積んだティーンエイジ・ファンクラブ”って感じ。もっともっと大きくなって欲しいと思う。

Mirage Rock

Mirage Rock


Vampire Weekend
そして、ヘッドライナーのVampire Weekendが登場する頃には、彼らの登場を待ち受けるファンで会場もぎっしり。ステージには「デラウェア川を渡るワシントン」という絵画(新作のティーザーで使われていたけれど、ジャケットにはならかなった)がバック・ドロップとしてセットされている。ほぼ定刻の8時前にメンバーが現れると女子の黄色い歓声が!すごい人気!

僕はサマソニフジロック、そして新木場コーストに続いてのVampire Weekendだけれども、サマソニとフジは屋外。コーストは…仕事が終わってから駆けつけたら、ライヴも終わってた(涙)。ということで、彼らのライヴを屋内で観るのは初めて。ついに念願が叶いました。ロスタムの真ん前、最前列をがっちりキープ!
呼吸を合わせて4人が鳴らした最初の一音で、会場がさらに明るさを増す。僕たちを踊らせる軽快なギター・リフと小刻みなビート。「Cousins」でスタートしたパフォーマンスは、1時間半があっという間に感じられるほど濃密な内容だった。待望の3rdアルバム・リリースが間近に迫る今まで演奏され続けてきた楽曲のこなれ具合がハンパじゃない。エズラの声にもメンバーの表情からも余裕と貫禄が感じられた。
はじけるような音の粒、カラダを動かさずにはいられない拍のひとつひとつが会場をあたたかく包みこんでゆく。すべてがクライマックスのような流れの中で、本編ラストに僕が大好きな「Giving Up The Gun」が飛び出したのが特にうれしかった!

“I see you shine in your way / Go on, go on, go on”
終わってみれば、1stアルバムと2ndアルバムからまんべんなく選ばれたセットリスト。新作からは1曲(「Unbelievers」)のみで、ここまでの彼らの集大成と言える最高のライヴでした。

コントラ

コントラ

Vampire Weekend/Set List
1. Cousins
2. White Sky
3. Cape Cod Kwassa Kwassa
4. M79
5. Run
6. Holiday
7. California English
8. A-Punk
9. Unbelievers(New)
10. I Stand Corrected
11. Horchata
12. Diplomat's Son
13. Campus〜Oxford Comma
14. Giving Up The Gun
=Encore=
15. I Think Ur A Contra
16. One (Blake's Got A New Face)
17. Mansard Roof
18. Walcott