NHK総合「爆笑問題のニッポンの教養」〜松岡正剛の「日本のデュアリティ」という着想 

 火曜日は、「プロフェッショナル〜仕事の流儀」も面白いけど、「爆笑問題のニッポンの教養」もいい。たいていはどっちか観て、どっちかは録画して翌朝の食事どきに観る。じつはオレって、テレビっ子!? 昨日は、松岡正剛さんがゲスト。「知の巨人」にして、『千夜千冊』の著者だ。


 いつのまにやら、松岡さんが太田を取材している格好になるなど、なかなかライブ感のある放送だった。松岡さんの話の中で、もっともワクワクしたのは2点。
「物事や人と人の間に生まれるズレ、そのズレが悲しみや可笑しみなどの新しい可能性を生む」。ここでいう「ズレ」とは、文章でいう「行間」でもある。商売柄、ある面ではそのズレを悪いものと考えがちだけど、先のようにいわれるとずいぶん視界が広がって、楽になる。
 

「行間」と「ズレ」の間で、どう楽しく遊ぶのかをもっと考えてみたら?といわれたような気分。以前、あるFMラジオで、茂木健一郎さんが言っていた「クリエイティビティとは傷をつけること」にもつながる。


 もう1点は、デュアリティ(二重性とか二元性)という着想。
 松岡さんは、「中国の漢字を、音訓読みという、相反する形で取り込んだ日本は、最初からデュアルだったのではないのか。それを強引にひとつの価値にまとめ上げようとする中で、ダメになってしまったのではないか。むしろ今こそ、そのデュアリティでもっとラジカルに進んだ方がいいのではないか」というようなことを話していた。もちろん、これもぼくの編集だから、実際の発言とはズレがあるかもしれない。ご用心くだされ。


 「柔らかいテロリズム」「けたたましいハンバーグ」「面白いタブー」「溶けた時計を描いたダリと、ギターを焼いちゃったジミヘンとの共通点」・・・、ああ、ダメだ。こんなふうに自由自在に言葉をあやつる人を見てると、ついつい抱かれたくなってくる。えっ、そんなオレが一番ズレてる?

 今週金曜日、六本木ヒルズでの松岡さんの講演会が楽しみ。