作家 最相葉月の著書「青い薔薇」に青い薔薇を作ること、それは不可能の花、あなたはそれを美しいと思いますか?という問いを発している。長年多くの薔薇作出者が交配によって青薔薇を作ろうと試みてきた。しかし昨年サントリーが遺伝子操作によって青い色素を導入した薔薇を発表している。実物は未だ見ていないがそのような自然に反して作出された薔薇はアメリカの大豆のように何か素直に喜べない。青い薔薇はたとえば白い薔薇に青い水性染料を吸わせて作る事ができる。カーネーションや黄色いスイトピーに応用されている。一方これまで青い薔薇、ブルーローズ、と言われてきたものはその独特の香りと色で多くの薔薇愛好家を楽しませてきた。これらは青というよりピンクからベンダー色の強いものでたとえばブルームーン、ブルーラグーン、シャルルドゴールなどがある。遺伝子操作して得られた青い薔薇がここに示した青い花たちに比べどのような魅力を有しているか楽しみである。また今後交配親として使えるのかは今後の展開を見ないと解らない。
下の写真は我が庭に咲いたブルーローズ達。
シャルル
ドゴール
ブルーラグーン
写真の色が実際の色と多少は異なるとしてもこれらが現在のブルーローズである。秋になるともう少し色が深くなるがそれほどは変わらない。これらの薔薇に対し青い色素を持つ花は自然界では数多くある。朝顔や紫陽花、桔梗、藤や桐、スミレ等のブルーは見慣れたものであるがその他にも青い花は多数ある。一方、チューリップや菊などは赤、白、黄色が主役でありこれらのブルーを作ろうとする試みがなされたという話はあまり聞かない。
庭に咲いている青い花を幾つか紹介してみた。いずれも6月に撮影。秋まで咲いているのもある。
宿根バーベナ。高さ1mぐらいになり、1mmぐらいの花の集合体。
ブローディア 球根植物で植えっぱなしでも毎年よく咲く。
ロシアンセージ。花の根元を吸うと甘い蜜が出る。花をサラダの飾りとして使う。
ブルーサルビアと呼ばれているがやはりセイジの仲間で宿根草。秋遅くまで咲く。
ロベリアのブルー。
ジョンソンブルーという宿根草。
この他に桔梗、ペチュニアやその仲間のサフィーニアを初め青い花は数多くある。これらに比べてサントリー作出のブルーローズが美しいかどうか?今後の楽しみである。