湖北里山の薔薇から湖南ベランダ園芸のバラへ

マキノの自然と雑木林の中で咲かせたバラを紹介してきた著者が引越し後ベランダで育てるバラを紹介

バラの内部

何故人はバラに憧れるのだろう?
上品な花の色? 姿形? 芳純な香り? 高貴さ? それとも花の持つ神秘的な雰囲気?

時々刻々と変化するつぼみが開くまでの過程にも楽しみがある。時にはその棘にさえ美しさを感じる人もある。





詩人リルケは次のように詠っている。

Das Rosen-Innere

Wo ist zu diesem Innen
ein Außen? Auf welches Weh
legt man solches Linnen?
Welche Himmel spieglen sich drinnen
im dem Binnensee
dieser offenen Rosen, dieser sorglosen, sieh:
wie sie lose im Losen
liegen, als könnte nie
eine zitternde Hand sie verschütten.
Sie können sich selber kaum
halten; vielen ließen
sich überfüllen und fließen
über von innenraum
in die Tage, die immer
voller und voller sich schließen,
bis der ganze Sommer ein Zimmer
wird, ein Zimmer in einem Traum.

       Rainer Maria Rilke (1875-1926)



 薔薇(ばら)の内部


  何処(どこ)にこの内部にふさわしい
  外部があるのだろう? どんな痛みのうえに
  このような亜麻布があてられるのか?
  この憂いなく ひらいた薔薇の
  内湖(うちうみ)に映っているのは
  どの空なのだろう? 見よ
  どんなに薔薇が緩やかにゆったりと咲き
  ほぐれているかを それはふるえる手さえ
  それをとどめることができないかのよう
  薔薇にはほとんど自分が
  支えきれないのだ その多くの花は
  みちあふれ内部の世界から
  外部へとあふれでている
  そして外部はますます豊にみちて 
  ついに夏ぜんたいが 一つの部屋に
  夢のなかの一つの部屋になるのだ

              拙 訳


これらの薔薇の花びらの枚数は何枚ぐらい? 原種の野バラでは5枚、ケンテフォリアに属する
イングリッシュローズなどはその名の通り100枚以上の花びらを持つ。
つぼみや花の中をそっと覗いてみたい気がする。どの様に折りたたまれているのだろうか?



         シンプリーヘヴン




ポールズレモンピラーの内部




          プリンセス アレキサンドラ オブ ケント




シュペールバルク




          フロージン





聖火



      ゴールデンメダイヨン