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ばらこの日記

2011-04-22

ツキの法則

ツキの法則―「賭け方」と「勝敗」の科学 (PHP新書)

今回ははっきりこの本を読んで欲しいタイプの人がいる。ギャンブルが大好きで、しかし家庭崩壊とかサラ金地獄までは到らず、ギャンブルなんてもんはトータルでは勝てないという自覚はあるけれど、まあ今ぐらいの賭け方なら楽しみの範囲に収まってるから問題ないよなと思いつつ、しかしパチンコと競馬をやらなければあれも買えたこれもできたと思うことが趣味のようになっている人。プラス、競馬では本命志向が強くて大穴狙いはめったにせず自分の買い方は固いと思い込んでいる人。つまり以前の私のような人である。

20代はずっとギャンブルと男にうつつを抜かしていた。れっきとした依存症だったのだが、30代になって他に依存するものができたのでギャンブルからは抜け出すことができた。この本に出会ったのはほぼ足を洗ってギャンブルが日常ではなくなって数年後のことで、それからさらに10年以上経つが私は今もそのショックが忘れられない。

たとえば競馬で、あるいはルーレットで、もしくはブラックジャックで著者は「どんなにツキが味方しても決して勝てない」賭け方を懇切丁寧に教えてくれる。ちまたにあふれるあらゆるギャンブルのいんちきな「必勝法」とは正反対に、きっちりとした統計学上の根拠を元に必勝法ならぬ必敗法がわかりやすく語られる。

そして、ふだんは何事につけ科学的根拠が大好きで科学的根拠のないものは認めないといいながら「でも牌の流れはあるよね」とか「気合でツモってやる」とか口にして憚らないある種の人々が信奉してやまないツキの女神(余談であるが、ツキの女神は後頭部がつるっぱけであるらしい)の正体を明らかにしている。

この本で解説される確実に負ける方法をかつてほぼ全て実践していた。負けるのはいいのだ。ほとんどのギャンブラーがそれは覚悟の上だろう。問題は、確実に負ける方法を実践しながら「自分は固いギャンブラーだ」「負けてはいるけど賭け方が固いからそんなに大損はしていない」と信じて疑わないところである。ものの見事にその無根拠な信念が叩き壊された茫然自失、むしろ爽快でさえあった快感を、もし同じような人がいたら味わっていただきたいと思いこの駄文を草する次第である。

蛇足であるが勿論筆者は早く確実に負ける方法を勧めているわけではない。むしろそれを反面教師にした大人の楽しみとしてのギャンブル指南の書である。ギャンブルに興味がなくても、たとえばいわゆるトンデモウォッチャーの人とか、パズルが好きな人とか、あるいはこの文を読んでくれているような奇特な人には、きっと面白いはずとお勧めしたいと思う。

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