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ばらこの日記

2011-07-14

サイエンスコミュニケーションで素人にできることを考える(改題)(2)

前回のエントリ

個人のリソースには限界がある。と一行でまとめて続き。

dlitさんのエントリでは控えめに

震災後数か月・一年といった短い期間だけでなく、今後もサイエンスコミュニケーションの質・量の向上・維持を望むなら、そういった個人の「努力」に多くを頼るという形では無理が来るのではないかなあ、ということです

と記述されていますが、私は「無理が来るのではないかなあ」ではなくて無理だと思います。「今後もサイエンスコミュニケーションの質・量の向上・維持を望む」のがもし主に情報を受信し恩恵を被る側であるなら、望むだけでなく金を出すとか弁当を出すとか、とにかく仕事を増やす以上はなんらかの対価を考えるべきだと思う。

要求される仕事が対価に対してあまりにも過重なとき、そのサービスは遅かれ早かれ破綻する。それを防ぐためには、なんといっても一番は金を出すべきなんだけど、出さない/出せないなら要求水準を下げる、実現できる環境作りに協力するなど破綻を回避することを考えないと、破綻して困るのはサービスを提供する人ではなくて受ける人である。現状維持で既に無理がかかっているならそれをなんとか軽減させないと、人をつぶしてしまってからでは遅い。

自分がサイエンスコミュニケーションの質・量の向上維持のために出せるお金はいくらだろうと考える。他の問題なら、たとえば日本の医療水準を維持するために月額の国保料があと千円(金額は上下するとして)上がってもいいと思う。原発の代替エネルギーを開発するために電気代があと千円上がってもいいと思う。同様に考えて、私はこの問題に関心がある方だと思うけれど、それでも医療だとか代替エネルギーだとか緊急性の高いものから順に自分が少しでも出せるお金を割り振っていくと、サイエンスコミュニケーションのためにはほとんど残らないことを認めざるを得ない。

勿論、よさげな本が出ていたら買うとか、買えないときは図書館にリクエストするとか、なんか催しがあったらカンパするとかそのぐらいの協力はできるものと考えるけれど、それぐらいで維持向上までしてもらおうというのは虫が良すぎる。でも実際問題としてサイエンスコミュニケーションのためにバーンと金を出せる素人はそんなにいないとすれば素人に何ができるか。思いつくままに考えてみると

1)金を払ってでも読みたい人を発掘する。

この人の書くものだったら金を払ってでも読みたい、という人を自分の関心のある分野で探す。見つけたら話題にする。意思表示する。

2)自分が少しでも勉強して受信能力を上げる。受け手の受信能力が上がれば発信する側のハードルが下がる。面白い入門書みたいのがあったら紹介したり話題にする。入門書が間違ってることも往々にしてあるけれど、その場合はそれに対する専門家の突込みを読むことが勉強になる。

3)もし、自分が過去にトンデモな情報を信じていたとか、信じるだけでなくて他の人にも自信満々発信していたとか(私です)そういうことがあれば、そのプロセスをできる範囲で言語化し公開する。それは必ず同じ轍を踏む人が立ち戻る際の参考になる。だまされる人が減れば「だまされる人を減らす」ために費やされているエネルギーをもっと生産的な方向に振り向けることができる。

4)信頼できる書き手の情報を共有する。自分が毎回全部追わなくてもだいたいこの方向の情報を追っていそうな人と知り合いになっておく。必ずしも本当に知り合う必要はなく、この問題に関してこの人は詳しいなと見たら一方的に友達に(なったつもりに)なる。なんかあった時に精神的に近いところにその問題に詳しい人がいれば落ち着いて考えられる。

5)無茶を言わない。即座に適切な説明が与えられないからといって逆切れしない。専門家はそんなに暇ではないことを知る。無責任な煽りには動じない。

6)積極的にだます方に加担している人、影響力のある立場にいながらデマを振りまいて改めない人については批判できればする、している人を支持する、最低でもちやほやしない。騙されないぞということをはっきり見せつければ詐欺師は退散する。上に書いたことともかぶるが(そして前回チョムスキーを持ち出していいたかったことなのだが)サイエンスコミュニケーションのうち、「アホな言説を振りまいている人に騙される対策」に注がれるリソースは騙される人がいなければもっと生産的なものに振り向けられる。

さて、dlitさんの問題提起は「サイエンスコミュニケーションと科学者/研究者/専門家に何を求めるか問題」だったのだが、専門家に何を求めるかと素人に何を求めるかは表裏一体である。上にぐだぐだ書いたようなことは要するに素人側のリテラシーを上げるということに尽きる。とまた一行でまとめてしまうと2つも長文を読んでいただいた方には申し訳ないのだが、暑いので許していただきたい。うちにはお菓子の保冷剤しか冷房器具がないので、PCを長時間開けていると火を噴きそうに熱くなるのでこんなに時間がかかったことも許していただきたいです。

まとまらない上に特に目新しいこともないが、上に書いたことのうち3)の、自分は過去にどうしてトンデモ情報をうのみにしていたのかについてなどはまたいずれ書きたいと思う。

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