:村上春樹さん新作

村上春樹氏:ロングインタビュー 第3回=新作は大長編に

 執筆中の新作についても答えてくれた。よく知られるように、村上作品には短編、中編的な長編、そして『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』のような大長編という三つの系統がある。ファン待望の次の大長編は「06年のクリスマスから始めて、1年5カ月ぐらい書き続けている」。つまり『ねじまき鳥クロニクル』を超える、村上さんの最長の小説になりそうだという。また、「僕は宿命的に、一人称の小説から、だんだん三人称の小説に移行している」と、この作品が三人称で書かれることも示唆した。

毎日新聞http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080514mog00m040054000c.html

あぁ、楽しみだなぁ(^-^) そういえば、長らく出ていないよなと思っていたところだったし、前回の長編の“海辺のカフカ”を読み終えて次の年にたまたま高松に立ち寄って、駅前のうどんを食べたり、ケンタッキーのカーネルおじさんを探した思い出もそこそこ前の記憶だ。

そういえば、この毎日新聞のインタビューの二回目に、文章のリズムの話が出ていた。いろいろ興味深いなぁ。私は英文の違いが分かるほど分からないのだけど、リズムが滞っている小説というのは、なんか真っ当に頭から読まないと受け付けにくいスタイルなんだろうか。ちょっと、海辺のカフカをいくつか調べるために断片的に読んでみたのだけど、どこからでもすっと入り込める気がするなぁ。といいつつも、私が書く文章は他人からは読みにくいだろうなとよく思ったりする、私の文章の癖は自分でも分かっているのだけど(^_^;

村上春樹氏:ロングインタビュー 第2回=物語の骨格、文章のリズム 名作4作の翻訳通じ学ぶ
4作の翻訳は、自身の創作にとって「大きな意味がある」と話す。「物語の骨格は、フィジカルな意味でしっかりしなくてはいけないという気持ちが強くなった」。もう一つ、強調するのが「文章のリズム」だ。「小説が人をひきつけるいろんな要素の中で、リズムは大きい。リズムの滞っている小説は、一部の人が長く読んだり、たくさんの人が短期間読むことはあるけれど、たくさんの人が長い時期ずっと読み続けることはない」

 定評を得ている村上訳の読みやすさも、この辺に鍵がありそうだ。実際、「日本語と英語では言葉の配列が違うから、その通りに訳してもなかなかリズムが出てこない。そこでどうリズムを出すかが翻訳家それぞれの個性になってくる」と話した。

 興味深いのは、「英語の文体を日本語に移し替えていくのは、数学の問題を解くのに似ている」と語る独特の翻訳論。「どうしても解けない数学の命題を一日がかりで考えるのと同じで、なぜここにこの言葉があるのかと、ずうっと考える。向き不向きもあるけど、僕はそういうのが好きだから」
毎日新聞http://mainichi.jp/enta/book/news/20080513mog00m040050000c.html

ちょっと前に、id:yukioinoさんの日記で知った次のまとめは興味深かった。早速、IRCのいつもの居付いているチャンネルにて、友人らと読みあって楽しんでいた。

「爆発音がした」まとめ
http://anond.hatelabo.jp/20080506041614

そしたら、友人Yonaiが、「村上春樹の文体って、こうやってみるとラノベに近いね」と言った。最初そうかな?といぶかしんだのだけど、確かに読み比べてみると、そう思えるかもしれない。この辺のリズムというのは、ラノベ(といっても広いが)をよく読む現代の若い世代にはリズム感があっているのだろうかなぁ? 私はあまりラノベを読まないのでよくわからないのだけど。
個人的には、司馬遼太郎の「余談ではあるが、」をマスターしたいな、やれやれ;-) (C)村上春樹

:「爆発音がした」まとめ

http://anond.hatelabo.jp/20080506041614

で、笑えたり、うまいなと思えるのは、個人の背景知識によるところがあると思う。なので、その差が分かれば、好きな作家や分野がどの辺にあるかわかるかもなぁ。そういうわけで、私がそう思えた部分だけ列挙:-)

サイレントマジョリティの人。元ネタになった中国と仲良くすべき?は、結果をあぁやるのがある意味正しく思うなぁ。まぁ、自分のコーナーの意味と等価交換なんだけど(笑)

これはサリンジャーというよりも、村上春樹訳だろう、とYonaiが言っていた。確かに然り;-)

余談だが…はいいなぁ;-)

やれやれでも十分なんだけど、パスタや泥棒かささぎもいいな;-)

「あなたを犯人です」という翡翠月姫を思い出すな(笑)

  • 夢枕漠

陰陽師のやりとりですねぇ、最近のは読んでないなぁ。

戦争モノのギャグ四コマのオチだな:-)

そういえば、和解したそうですね、ニュースにもなったそうだし、やっぱ一大事件なのだなぁ(^-^)

研究室でコミカルで爆発かぁ。昔、大学後輩に借りて読んでいたなぁ。

「よくもクリリンを殺したなっ!」が適切かと:-)

ファーザーは大好きだにゃ〜

【あとで感想をかく】

いいえ、ケフィアです

まともそうなことを言っているけど、いつも論理がめちゃくちゃだよな^^;

  • 九州人

あんな変な方言を使う人はいない〜!そもそも九州人ってひとくくりは無理w

:海辺のカフカ@高松

海辺のカフカ〈上〉海辺のカフカ〈下〉
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)海辺のカフカ (下) (新潮文庫)少年カフカ
過去写真を探っていたら発見したのでなんとなくアップ(^^) 海辺のカフカは2002年秋に出たので、作品の舞台として訪れたのは2003年の夏だったと思います。
このときは、九州の実家に帰省していてその戻りの道なので、本も持ってなく、印象で覚えていた事物だけ探してみました。
まず、主人公の少年の“僕”が高速バスにて高松駅に降り立つところです。章立てで言うと、“僕”がでてくる奇数章の5章の冒頭です。バスの中で知り合ったさくらさんに携帯電話のメモをもらい、ここで一度別れます。
まず、ここが高松駅になります。この日は、日差しを遮る雲も少なく暑かった覚えがあります。


左手の建物がバスターミナルになります。駅に隣接しています。広場のモニュメントが不思議な空間を形作っています。そんなに人通りも多くなり、自然とゆったりした気分になります。“僕”も東京とは違う光をここで感じています。軽く食事をした後に、駅前のベンチにて久々にくつろいだ気分になっています。


こちらはバスターミナルの付近です。“僕”はここで宿泊のことや、図書館のことを考えます。図書館は後々の話につながっていきますが、モデルの私設図書館はないので、この日は駅前を中心に歩いてみました。偶数章の主人公の一人である、星野ちゃんのことも考えながら:-)


作品内には描写はないのですが、高松駅の構内です。予讃線の終点になります。



“僕”が、腹ごしらえをしたうどん屋になります。少し描写を抜粋しますね、まさにこの写真のお店を指しています(^-^)

駅の近くにあるうどん屋に入って腹ごしらえをする。見まわしてたまたま目についたところに入っただけだ。僕は東京で生まれ育ったから、うどんというものをほとんど食べたことがない。しかしそれは僕がこれまで食べたどんなうどんともちがっている。腰が強く、新鮮で、だしも香ばしい。値段もびっくりするくらい安い。あまりにもうまかったのでおかわりをする。おかげで久しぶりに満腹になり、幸福な気持ちになる。
海辺のカフカ:第5章より】

確かに、駅前は最近再開発されたらしく、食事するお店はほぼなくて、ぽつーんとうどん屋が一軒ありました。まさに作品内の描写そっくりです。まさに舞台を訪れる者にとっての醍醐味ですね!w 余談ですが、2002年当時の香川知事が“海辺のカフカ”の舞台に高松になっていることを知り、駅前のうどん屋の描写について言及していました。「駅前にはうどん屋はないはずだが?」(こんな感じだったかな)と。舞台を語るのならば現場主義じゃないといけませんよ!w 多分、知事さんは再開発した駅周辺だけが脳裏に過ぎったのでしょうね、まぁ職業柄仕方ないかもしれませんが(^^;
そして、喜び勇んで私もそのお店に足を運びました。


看板が全てを物語っているように、値段もこのように安いです(^-^) 讃岐のうどん屋は基本的にセルフサービスのお店が多いですね。

かけうどんに、トッピングの具を載せてみました。讃岐うどんの魅力はなんというか食べた人しかわからないのですが、こんなにもシンプルな素材の集まりなのに、こんなに美味いうどんになるのか!と驚嘆できます。一時期の讃岐うどんブームで、映画にもなりましたが、郊外にある個人経営の美味いお店は十分美味いのですが、駅前のうどん屋さんもかなりレベルが高いです。こんなにも、うどんの腰があり、だしが味わい深いのかと(^-^)


そして、うどんで腹を満たした後に、商店街に足を運びました。キーアイテムになる、神社に置かれていた“入り口の石”などは、さすがに見つけきれないはずなのでパスして(^^; この作品の愛すべきキャラクターである、カーネル・サンダーズおじさんに会いに行ってきました(笑) 偶数章のホシノちゃんを助ける謎のおじさんで、副業として客引きもやっているそうです。第26章から現れます。それにしても、星野というトラック野郎は、猫と話すことができるナカタさんといい、このカーネルおじさんといい、変わったおじさんに関わる星の下に生まれたようですね:-) 個人的には猫と話せる能力は欲しいものですが(^-^)
あ、カーネルおじさんがいます!(^-^)

このおじさんの存在の正体は不明なのですが、仮にもケンタッキーフライドチキンの創業者なんだから著作権的に大丈夫?と読者に一抹の不安を抱かせるのですが、そこはこういう風におじさんの口から説明があります:-)

「ねぇ、おじさん」と青年は言った。
「なんだ?」
「おじさんはほんとにカーネル・サンダーズなの?」
カーネル・サンダーズは咳払いをした。「ほんとは違う。とりあえずカーネル・サンダーズのかっこうをしておるだけだ」
「そうだと思ったよ」と青年は言った。「それでおじさん、ほんとは何なんだよ?」
「名前はない」
「名前がないと困らないかい?」
「困らん。もともと名前もないし、かたちもない」
「屁みたいだね」
「そう言えなくもない。かたちのないものだから何にでもなれる」
「はあ」
「とりあえず、カーネル・サンダーズという、資本主義社会のイコンと言うべき、わかりやすいかたちをとっているだけだ。ミッキーマウスだってよかったんだが、ディズニーは肖像権についてはうるさい。訴訟されるのはごめんだ」
海辺のカフカ:第30章より】

この文章の後に、雨月物語の一節が引用されています。確か貧福論の中での金銭の精霊との問答の一節だったと記憶していています。この後は、なんというか、ソフトウェア工学でいうところの、オブジェクト指向のクラスとインスタンスみたいな話で説明されている感じです、…ってこういう説明では余計分かりづらいですね(笑)


余談になりますが、カーネル・サンダーズは本名ではなく、本名はハーランド・デーヴィッド・サンダースと言うそうです。カーネル(colonel)は大佐という意味合いで、ケンタッキー州に貢献した人に与えられる称号のようなものだそうです。カーネル・サンダーズはいろんな商売を手がけたのですがどれもうまくいかず、最後に軌道に乗っていたガソリンスタンドと併設していたレストランも高速道路の開通で客足が途絶えて、奥さんの助言もあり最後の勝負に出たのがこのフライドチキンのフランチャイズだったそうです。新たに商売に乗り出したのが、60歳のときというから、心底商売がお好きな方だったのでしょうねぇ、日本戦国時代で言うと、同じく高齢で国盗りを成し遂げた北条早雲みたいな偉人ですね(^-^b また、あの有名なカーネル・サンダーズ像にも逸話があります。当時はフランチャイズの商法は珍しく、地元TVにも登場する機会があったそうです。そのとき、正装すべきだと思ったそうですが、季節は冬なのに夏用の白いモーニングを着て出演し、爆笑を得たそうです:-) 結果、それが宣伝効果の広告塔にもなってそれ以後その姿で営業活動をしたそうです。その後、他店との差別化を図るのに苦心していたケンタッキーフライドチキン日本法人が、その姿の像を採用して店前に立つようになったそうです。おもしろいものですね(^-^)
なお、カーネル・サンダーズの最後の“ス”は濁らない表記が多いのですが海辺のカフカの表現に準拠しています(^^)



そして、作品内容において、奇数章と偶数章での共通の敵とも言うべき、ジョニー・ウォーカーと名乗る、黒尽くめの男も気になっていました。カーネル・サンダーズの白、一方、ジョニー・ウォーカーの黒。単純な善悪ではないのですが、重要なメタファーの一つです。下記の引用は、ナカタさんがすぐにわかってくれないのでがっかりする悪い方の人です(笑) みなまで説明するなんて格好悪いです(大笑)

「私の名前はわかるだろうね?」
「いいえ、わかりません」とナカタさんは言った。
男は少しがっかりしているようだった。
「わからない?」
「はい。申し遅れましたが、ナカタはあまり頭が良くないのです」
「この姿に見覚えもないんだね?」と男は言って椅子から立ち上がり、横向きになり、脚を曲げて歩くかっこうをした。「これでも?」
「はい。すみません。やはり見覚えはありません」
(中略)
「ウイスキーを嗜む人なら一目でわかるんだが、まあよろしい。私の名前はジョニー・ウォーカーだ。“ジョニー・ウォーカー”。世間のだいたいの人は私のことを知っている。自慢するんじゃないが全地球的に有名なんだ。イコン的な有名さと言ってもいい。とはいえ、私は“本物の”ジョニー・ウォーカーではない。英国の酒造会社とは何の関係もない。とりあえずラベルにあるその格好と名前を無断で拝借して使っているだけだ。格好と名前というのはなんといっても必要だからね」
海辺のカフカ:第14章より】

そういうこともあり、、ケンタッキーフライドチキンの店の“裏”に、酒屋があってそこに、ジョニー・ウォーカーももちろんあったので、個人的にうぅむと唸りましたね(^^;

この日のうちに、大阪まで戻る必要があったので十分時間が取れませんでしたが、もう少し回ってみたかったですね。ホシノちゃんが足を向けた市内の図書館、モデルだと思われる神社も機会があれば訪れてみたいです:-)


●追記
コメントで教えていただいたので、後日、再び高松を訪れました。私設図書館である甲村記念図書館や、父親である彫刻家のイメージがこちらからという話を聞いたからです。


■[旅行] イサムノグチ庭園美術館高松市
http://d.hatena.ne.jp/rosseta/20090809/1249841630

:高松城

あと、駅のそばにはお城もあるので巡ってきました。
全国でも珍しい水城です、堀の周りには海水が満ちていたそうです。この城の縄張りは、秀吉の軍師であって黒田如水だそうで、彼は城作りの名手です。後年、黒田如水が豊前に城を構える際には、この高松城と同様に海水を引き入れた水城にしたそうですね。
高松城は、玉藻城とも呼ばれていたそうで、現在は城も含め玉藻公園として市民に開放されています。


天守閣はないのですが、塀や櫓などが当時を彷彿させますね。


城の裏手は、今は埋め立てられていますが、昔は海で船をつけていたそうです。そう、城の北は瀬戸内海が広がっています:-)


船着場に、観光船でしょうか、遣唐船のようなのがありました。

あと、高松のすぐ東には、源平合戦で有名な屋島もありますね。
#って、意図せず、昨日の日記のない様に繋がってしまった、ひぃ^^;;;
また、金毘羅さんに詣でて、美味しいうどんを食べたいですね〜