DSM

  • 「前に写真を送ってくれたのでこちらからも送ります。yさんは輝いていて、それが見えて、自分もここにいることがわかるのです。」



私が誰かを星のように追いかけるように
誰かの目の中で輝くなんて
そんなこともあるのだろうか
した事もされた事も忘れ
覚えたいことだけを覚えている
体と心の欠片はあちこちにある
私は誰かに削除され
私は誰かを削除する


ふとどこからか風が吹き
ふらり立ち寄って消えていく
知らない人々が流れていくように
私もたぶん片栗粉に乗って
どこかに流されていく
三角州の小屋に座っていると
酔っ払った誰かが笑いながら消えていった
夜を出歩く時は速足で灯りをともして
知らなくていいことは目を閉じて
見たくない顔は知らぬふりをして
忘れたいことはいつか跡形もなくなる
水は止まれば腐っていく