吐息の日々 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2005-03-03 名古屋市、職員の手当を一部廃止へ

かねてから、地方公務員の給料が地元の民間企業と比較して高すぎる、という問題が指摘されており、いわゆる「ラスパイレス指数」での比較では国を下回るようになっていますが、現実にはこの比較に含まれない手当や福利厚生などが存在することも指摘されています。最近では大阪市で職員にさまざまな恩恵が与えられていることが発覚して問題になっています。

きょうのNHKニュースによると、名古屋市はその「手当」のいくつかを廃止する方針とのことです。

 名古屋市は、職員の業務のうち、危険や困難を伴う業務として101の項目を認め、特殊勤務手当を支給しています。しかし、公務員の手当や福利厚生事業の見直しについて議論が高まっていることをふまえ、このうち11項目を廃止することにしました。具体的には、▽税金の徴収業務に従事する区役所の職員に月額で3600円から4800円支給していた手当を廃止するほか、▽市立病院で救急医療に従事する看護師と医療スタッフに1回の勤務あたり400円から500円支給していた手当を廃止するなどとしています。名古屋市は、これらの特殊勤務手当の廃止で、年間およそ2億円の削減を見込んでおり、現在、開会中の2月定例市議会で条例を改正し、今年10月から実施したいとしています。

 

NHKニュース〜地域「名古屋 市職員手当見直しへ」

http://www.nhk.or.jp/news/2005/03/03/d20050303000031.html

 

まず、101種類というのが凄い。国家公務員の手当は30種類(これでも民間感覚からすれば多いですが)だそうですから、いかに多いかということがわかります。こんなに多くてきちんと管理できるとはちょっと思えませんから、要するに給与を上げるための方便に使われていたのではないかと疑わざるを得ません。本給部分はラスパイレス指数でチェックされていて簡単には上げられないということで、手当を頻発することで実質的に賃上げしてきたということでしょうか。

また、「税金の徴収業務に従事する区役所の職員に月額で3600円から4800円支給」などというのは、まさに職務そのものであり、それに対して「手当」を支払うというのは一般的な「手当」の概念を逸脱するものです。まあ、これは賃金をどう決めるか、制度をどう設計するかで自由だといえばいえるかもしれませんが・・・。

数年前、某ビジネス誌に「自治体のゴミ収集に従事する職員が年収1,300万円」という記事が給与明細のコピー付きで掲載されていましたが、それもかなりの部分が「手当」だったように記憶しています。「手当」は多くの自治体でかなり便利に、恣意的に使われているのではないでしょうか。

経済財政諮問会議では公務員の給与の見直しに取り組むそうですが、このような「手当」や、大阪市で発覚したような共済会費の肩代わりのようなものはそもそも表に出てきにくく、データもおよそ集められないでしょうから、実行は困難を極めるでしょう(もちろん、労組も抵抗するに決まってますし)。地方公務員人気が高いのもむべなるかなです。

ちなみに、私はホームページの方では以前書きましたが、国家公務員の給与はそれほど問題視するにはあたらないと思っており(まあ、地方勤務者はやはり地元民間との比較で高すぎるとは思いますが)、むしろ賃金カーブの是正が課題だろうと思っています。国家公務員の問題は、金額的には必ずしも大きくないにしても、明らかにムダな人件費がビジブルに存在することが、国家公務員の給与そのものに対して「高すぎるのでは」という印象を与えているところにあるのかもしれません。

national median

きのうのエントリの疑問について、またしても平家さんが回答してくれました。ありがとうございます。頼りになる人です(^^)

結論としては、やはり毎日新聞の記者の誤訳だったようです。

なお、一般的な辞書には、medianを「平均値」とする訳が掲載されています。たとえば、

http://www2.alc.co.jp/ejr/index.php?word_in=median&word_in2=%82%A9%82%AB%82%AD%82%AF%82%B1&word_in3=PVawEWi72JXCKoa0Je

http://www2.alc.co.jp/ejr/index.php?word_in=national+median&word_in2=%82%A9%82%AB%82%AD%82%AF%82%B1&word_in3=PVawEWi72JXCKoa0Je

おそらく、毎日の記者もこのような辞書の記載をみて誤訳したのでしょう。まあ、新聞記者にはそれほど統計に関する知識があるわけではないでしょうから、致し方のないところなのかもしれませんが・・・。

人勧と民間賃上げ率

Bewaadさんがhttp://bewaad.com/20050302.html#p01で試みられている官民の賃金比較ですが、人事院勧告は「ベア」であるのに対し、民間賃上げ率は「定昇+ベア」であるという違いがあります。民間賃上げ率から定昇見合い分として2%(一般的に使われている数字です)を引いて計算してみると、民間は昭和59年を100とすると平成15年は139.95となり、公務員とほとんど同じになります。

bewaadbewaad 2005/03/04 05:42 ご教示ありがとうございました。勉強になり感謝しております。確かにあのページにはその旨の記載がありましたが、読み飛ばしてしまい恥ずかしく思います。

若手役人若手役人 2005/03/05 00:53 毎日楽しみに読ませていただいております若手の役人です。霞ヶ関の諸悪の根元に人事ありという持論の元、紹介された本などで勉強させてもらっています。
さて、国家公務員は官舎の現物給付と退職金以外は、給与法の手当以外の不透明なお金はないと思いますが、地方はひどいですね。退職金、ディズニーランド7割引、結婚祝い金(独身者にまでバランス配慮して給付金が出るとか…)等々。最低限の福利厚生の標準基準を定め、地方交付税をその分削るべきです。
その上で、自主財源で、労使協定を住民にオープンにして上乗せするのは、給与条例も含めてOKと思います。民主主義ですから。
地方公務員の給料についてですが、民間を上回るのも確かですが、少なくとも霞ヶ関の脅錣茲蠅脇餔彭戮旅發せ邯海鯑庸砲靴秦悩爐集まっております。
彼らは、国以上に地元に精通してその地域にあった政策を実行していく指名があります。だからこその三位一体なのです(もちろん責任も負ってもらわないと。)。そういう点では東京も名古屋も島根、鳥取も重要度は同じです。確かに地方は購買力も低く、地場産業の民間企業の賃金も低いですが、それに比例して一律に下げるのには反対です。島根だから、県庁も給料低いのか=能力の要らない、重要度の低い仕事なのか?
そう思ってしまいます。同時に、転勤する国家公務員の人事政策にも悪影響があります。地方に飛ばされて、給料17%ダウン、経過措置なしだと人事権の裁量も制限されるべきと思います。甘いかな?
国家公務員の給与とは何か?仕事の対価ではないのか?
基本的な考え方を整理せず、安易な官僚たたきで終わってしまうのはまっぴらごめんです。
確かに国家の財政赤字は悲惨なので、総枠では絶対ダウン必要ですけどね。
長々とすみません。

小僧小僧 2005/03/07 00:24 つまらないことを突っ込ませて戴きますが
median についてですが手元にある電子辞書(英和 英英)と紙の英英辞書では
average と同義と書かれている物はありません。
英辞郎は
http://hp.vector.co.jp/authors/VA000022/unixdic/unix-dic3.html#u20041114-1
に書かれているように内容にバラツキがあります

それはさておき偏差値とか平均などの言葉だけに変に踊らされている
人がそれなりにいると思うので簡単な統計の読み方位はもう少し広く
知られた方が幸福だとは思うのですが.....

労務屋@保守おやじ労務屋@保守おやじ 2005/03/09 12:48 みなさん、コメントありがとうございました。
>若手役人さん
 地方公務員に関しては本当は議会がきちんとデータを出させてチェックすべきなのだろうと思います。賃金水準については、民間のような経営上の要請がないので、どうやって決めるのかは難しいのですが、地方公務員法をみるかぎりは生計費や国家公務員・他の地方公務員の給与、民間給与との均衡で決めるということのようですから、「生計費」が入っている以上は、勤務地の物価水準における購買力が考慮されるのは当然ということになります。もちろん、それで現実に給与が下がれば、わかってはいても意欲は下がるでしょうし、そういうやり方がいいかどうかは別問題だと思います。
>小僧さん
ご教示ありがとうございました。私はずっと英辞郎は「一般的な辞書」だと思って便利に使っていたのですが・・・気をつけなければ(そういえば昔、研究社の辞書を叩いた本がありましたね)。毎日の記者も英辞郎をみてたのかな?それはそれとして、たしかに受験生やその親が「偏差値」をみるときに、意味がわかってみてるのかな・・・と思うことはありますね。まあ、それなりに頼れるデータなのだろうとは思いますが。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20050303