「つばさ」アテンダント驚きの車販テク

以前から気になっていた本。カリスマ・アテンダントの茂木さんのことはもちろん書かれているのだが、
そのほかに支店長の話や車内販売の歴史にまで話が及び、後半は少々違う方向にいってしまったような。

山形新幹線の場合、最初からすべての駅弁を積み込んでいるわけではなく、車内から追加の発注をかけるそうだ。温かく新しい弁当を提供できるほか、売れ残って廃棄するというリスクを極力省くという目的もある。

当然といえば当然なのだけど飛行機とは違い、途中で停車するので補給もその都度行えば余計な在庫を
抱えなくてよいというわけか。

米沢駅でどっさり積み込まれた作り立ての駅弁を、温かいうちにと急いで配っているうち、にわかにビールの注文が増えてきた。お弁当と一緒に、ということなのかと思ったら、それもあるが、ビールなどのアルコール類は17時を境にドッと増えるんだそう。誰もみていないのに、日本人ってけっこう律儀なんだなあ、なんだかいい話だ。

のぞみで京都や新大阪に行くときに思うのだけど、行きは静かで駅弁を食べる人も少ないくらいなのに
対して、帰りは空いていようが混んでいようがみんな自由に食べて、駅に着いて走り出す度にビールを
開ける音があちこちから聞こえてくる。解放感がありすぎて笑えるのだが、そんなに嫌ではないのは
日本人だからなのか。

急ぎ歩きをやめたのに、たくさん回れる秘密は?
歩く速さのほかに短縮できる時間はどこかなって考えたら、支払いの時間なんです。お客様が財布を出している時間と、お財布の中からお金を選んでいる時間。その間、私、ボケーッとしていたことに気がつきました。

つり銭を予測して支払いと同時に返したり、ワゴンを後ろ向きに運ぶことでお客さんの顔色を見ながら
売っているというのが目に見えるテクニックであろう。

不思議なことには、車内販売の売上げ額って、昔も今も変わっていないんです。往復10万円前後。金額は今も変わらない。

昔は単価が安くても乗車時間が長かったり、みんな電車に乗ったらたくさん買っていたということだろう。

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