ちろうのレイブル日記

2015-05-23

まとめサイトの「どんでん返しがすごい小説」みたいなので挙げられている小説を片っ端から読んでみた結果


ラストのどんでん返しがスゴイ小説
衝撃の結末!どんでん返しが凄まじい国内ミステリまとめ
【保存版】大どんでん返しのミステリー小説10作品のまとめ


こういうページで良く挙げられているものを片っ端から読んでみました。

学生時代まで、特に小説を読むのが好きというわけではありませんでした。しかし今では、読書がまあ趣味の一つかなという感じです(とは言ってもガチの小説読みからはお叱りを受けるレベルですが)。急に大人になってからそのように変わったのにはもちろん大きなきっかけがあります。それは今から7年か8年ほど前になるでしょうか、とある一冊の本との出会いでした。

その作品が乾くるみ氏のイニシエーション・ラブでした。

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)



そうです、書店で平積みにされており、ふかわりょう氏の「必ず2回読みたくなる」とかいうコメントが載っている帯にそそのかされて買いました。もしかしたら人生で初めての「ジャケ買い」だったかもしれません。はじめ、その意味が分かりませんでした。2回読みたくなるなんて言うことがあるのだろうか?もし本当にそうだとしたら何とコスパが良いことか(コスパ厨乙)。だって二度楽しめるんですから。恋愛ものには特別興味はありませんが、しかし紹介文には「一見するとただの恋愛小説なのだが、しかし・・・」みたいなことが書いてあって、ますます気になってそれでまあ騙されたと思って、さして期待もせずに買ってみたわけです。結論から言うと、ぼくはその本を一気に三度も繰り返し読むことになりました。それはぼくにとって決定的な体験でした。

まあミステリを読み慣れている人には当たり前の話だとは思いますし、タイトルからしてネタバレしていると思うので敢えて言いますが、ぼくはそこで初めて「叙述もの」というジャンルがあるということを知りました。何と奥深い世界だろうか!そしてすっかり騙される快感、、、気持ちいい!!!そうしていろいろ調べてみると、その界隈では当たり前のように挙げられている作品がいくつもあることを知りました(たとえば「十角館の殺人」とか)。

というわけで、冒頭にあるように、まとめサイトとかで挙げられている作品を片っ端から読んでみたという次第です。もちろん全部と言うわけではないですし、年単位で時間を空けながら足かけ8年くらいかけているものなので、記憶があいまいなところもありますが、その中でも文句なしにお勧めできる作品をいくつかと、備忘録用の寸評を書き置きしておきたいと思うです。あと、叙述ものとは何なのか、どんでん返しとは何なのか、それってただのミステリなのではという向きもあるかもしれませんが、まあそういう細かい話は抜きにして、面白かった・皆にも読んでほしいと思う作品を、あげていくだけなのである。



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お勧め度★★★★★★★★★★(10)
乾くるみ 「イニシエーション・ラブ

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

ということで、僕の読書観みたいなものを完全に変えてしまった作品なので、敬意をこめて。まさにぼくにとってのイニシエーション。これのせいでしばらくの間、好きな作家「乾くるみ」を挙げるようになりましたし、それ以外の作品も手当たり次第に読みました。「セカンド・ラブ」「リピート」「スリープ」「クラリネット症候群」など、、、ちなみに叙述界では「セカンド・ラブ」も評判が高いのですね。いや、これもかなり面白くて読んで損はないです。そういえば、乾くるみ氏は時の有名人をアナグラムにして登場させることで有名ですが、ある時期からAKBヲタになったらしく、特に近年の作品ではAKBメンバーの名前を登場させているという噂を聞き気になっています。最近の作品をぜんぜん読めていないので、文庫になるタイミングとかがあれば是非読みたいなあ。

さて、ここでもう一つお知らせしなければなりません。ご存じの通り、「イニシエーション・ラブ」の映画が本日公開です。というかそのためにこのエントリを書き始めたと言っても過言ではありません。そして主演に前田敦子さん。AKB48もまたぼくの人生にとって大きな影響(良い意味でも悪い意味でも泣)を与えたものの一つなのですが、その中でも象徴的な存在だったあっちゃんが、ぼくの人生を変えた小説の映画の主役を演じる、ということに運命を感じずにはいられませんでした。だからもちろんなるはやで映画を見に行きます。


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お勧め度★★★★★★★★★★(10)
歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

これもその手の界隈で必ず名前が挙がる作品。著者名も知らずに購入して読みましたが、衝撃的な面白さでした。本当は本書を一番に挙げたいくらいなのですが、「イニラブ」に関しては、思い出補正も入っているため正当な評価ができていない部分があります。そんな中で、いうなればある程度耐性ができてきたところで読んだ作品の中では、謎解き度、ビックリ度、メッセージ性、文句なくぶっちぎりの一位です。将来、生きる元気を失いかけているときなんかに何度でも読みたいですね。個人的に三本の指に入るくらい好きな作品です。ヤバいです。卑怯です。そんなんアリかよって感じです。小説ならではの手法で騙され、しかもこのメッセージ性。あまりの見事さに度肝を抜かれました。この影響で歌野晶午氏の「密室殺人ゲーム王手飛車取り」「死体を買う男」など読みました。「密室殺人ゲーム2.0」は積ん読しています。何かおススメの作品はありますか?

この作品を読んでからというもの、書店に行くとどこでも平積みされているのを目にしますね。知らないと気付かないものなのですが。もしこれを読んだことないという人は、真っ先に読まれることをお勧めします。読んでないと損するレベルです。

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お勧め度★★★★★★★★★★(10)
東野圭吾容疑者Xの献身

容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

まああまりにも有名な作品ですが。東野圭吾先生ですから。直木賞も取った作品だから四の五の言わずに読みましょう。ちなみにぼくは映画から見てしまいましたが、問題ないです。映画は2回見て、小説は3回読みました。やっぱりぼくは小説が良いですね。映画は堤真一さんがイケメンすぎてアカンやね。

ちなみに東野圭吾先生でいうと、この手のまとめサイトで良く上がるのが「ある閉ざされた雪の山荘で」「仮面山荘殺人事件」や、最後まで真犯人が明示されないという「どちらかが彼女を殺した」、集英社文庫のナツイチ企画でAKBメンバーが読書感想文を書く企画でさしこちゃんが担当した「白夜行」なんかが良く挙がりますね。全部読みましたがどれも面白かったです。次に読みたいのは「むかし僕が死んだ家」とか「宿命」とかですね。そういえば「宿命」は読んでる途中で止まって放置している状態だった気が、、、何かおススメはありますか?


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お勧め度★★★★★★★★★★(10)
西澤保彦「七回死んだ男」

七回死んだ男 (講談社文庫)

七回死んだ男 (講談社文庫)

これ、HKT48宮脇咲良ちゃんが唐突にぐぐたすに「今読んでいる本です」とあげた作品で、それをきっかけで読んだのですが、これがめちゃくちゃ面白かった。超能力みたいなものが存在する中で論理的整合性を保つというむちゃくちゃなことにいつも挑んでいる西澤保彦氏ですが、氏の著書の中でこれを最初に読んで本当に良かったと思います。同じ日が7回繰り返されてしまうという設定(症状?)もぶっ飛んでいますが、その中で何回繰り返しても同じ殺人を防げない!?とかwwww天才かよと。これきっかけで「人格転移の殺人」「瞬間移動死体」など読みました。どれも面白いです。

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お勧め度★★★★★★★★★(9)
我孫子武丸「殺戮にいたる病」

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

これも必ず一度はタイトルを耳にする作品だとは思いますが、絶対に読んでおきたい作品だと思います。ただし注意点は、やはりグロ表現でしょうか。これが苦手な人は楽しめないかもしれないし、現にぼくにとっても手放しにおススメできなかったり、何度も読みたいとならない部分ではあります。しかし終盤までのもやもやと、ラストの衝撃は群を抜いています。これには騙されました。

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お勧め度★★★★★★★★★(9)
綾辻行人十角館の殺人

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

おススメ、とか言うのもおこがましい。これは読んでおかないとどうも恥ずかしいことになるのでは、という予感がして読んでみたわけですが。「綾辻以降」という流れを作ってしまっただけのことはあって、見事ですね。んで恐ろしいのが館シリーズの多さ。一応「迷路館の殺人」も読んでみましたがこれも面白かった。このクオリティが続くのであればどれから手を付ければ良いのか、、、どんだけ時間があっても足りない。何がおススメですか?


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お勧め度★★★★★★★★★(9)
倉知淳「星降り山荘の殺人」

星降り山荘の殺人 (講談社文庫)

星降り山荘の殺人 (講談社文庫)

知人のミステリ愛好家のTT氏が「ふむ、叙述ものにハマっているようだね、ならばこれを」と手渡してくれたのがこの作品でした。それで勧められるままに読んでみたわけですが、ハマった。いや、これは良いです。小気味良い。とっつきやすいし。ラストの落ちは騙され度は「80%」という感じだった。「あ〜、そこ引っかかってたんだよね〜!」というかんじ。


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お勧め度★★★★★★★★(9)
小泉喜美子「弁護側の証人」

弁護側の証人 (集英社文庫)

弁護側の証人 (集英社文庫)

かなり古い作品ということだけど、まったく古さがなくて面白く読める作品。一つ一つのセリフとか描写が見事です。これしかないという流れなんだけど、それでもあまりの見事さに感嘆します。


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ここから先は結構面白かったよという作品を一気に。


殊能将之ハサミ男

ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男 (講談社文庫)

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。3番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作!

これも名前はかなり有名な作品ですね。トリックは見事ですし、あとで読み返したい作品ですね(と言いつつ1回読んだきり)。そういえばこれ、映画化しているんですよね。見てみたいわあ。


麻耶雄嵩「螢」

螢 (幻冬舎文庫)

螢 (幻冬舎文庫)

ファイアフライ館を舞台に行われる「嵐の山荘もの」。2重3重に張り巡らされている仕掛けに見後に騙された。まさか、ウソだろ!?と思いつつも騙された。ちょっと文量が長いのが難。


真梨幸子「殺人鬼フジコの衝動」「インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実」

殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)

殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)



イヤミスだった、、、。イヤミスだったけど一気に読ませる迫力があった。てか最後まで読まずには居られなかった。こわすぎ。こんな読書体験も、たまには良いですね。



中町信「模倣の殺意」

模倣の殺意 (創元推理文庫)

模倣の殺意 (創元推理文庫)



七月七日の午後七時、新進作家、坂井正夫が青酸カリによる服毒死を遂げた。遺書はなかったが、世を儚んでの自殺として処理された。坂井に編集雑務を頼んでいた医学書系の出版社に勤める中田秋子は、彼の部屋で偶然行きあわせた遠賀野律子の存在が気になり、独自に調査を始める。一方、ルポライターの津久見伸助は、同人誌仲間だった坂井の死を記事にするよう雑誌社から依頼され、調べを進める内に、坂井がようやくの思いで発表にこぎつけた受賞後第一作が、さる有名作家の短編の盗作である疑惑が持ち上がり、坂井と確執のあった編集者、柳沢邦夫を追及していく。著者が絶対の自信を持って読者に仕掛ける超絶のトリック。記念すべきデビュー長編の改稿決定版。

面白い。これもすごく古い作品みたいなのだけど、解説を読むとまた面白い。少しだけネタバレをすると、この作品が世に出た当初には、このトリックに関わるある重大な一文が冒頭に書かれていたのだという。それでも読者は大いに騙されたというから、そこに時代の流れを感じる、というお話だった。つまり今の時代に合わせてある一文がカットされているのだという。それを解説で読んだ時、別の意味で驚かされた。


泡坂妻夫「しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術」

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)



怪しげな宗教団体にもぐりこんで、信者の失踪事件を追う話。そんなアホな!?しかし見事なトリック、、、?



浦賀和宏「彼女は存在しない」

彼女は存在しない (幻冬舎文庫)

彼女は存在しない (幻冬舎文庫)

平凡だが幸せな生活を謳歌していた香奈子の日常は、恋人・貴治がある日突然、何者かに殺されたのを契機に狂い始める…。同じ頃妹の度重なる異常行動を目撃し、多重人格の疑いを強めていた根本。次々と発生する凄惨な事件が香奈子と根本を結びつけていく。その出会いが意味したものは…。ミステリ界注目の、若き天才が到達した衝撃の新領域。

騙された、、、


北村薫「盤上の敵」

盤上の敵 (講談社文庫)

盤上の敵 (講談社文庫)

我が家に猟銃を持った殺人犯が立てこもり、妻・友貴子が人質にされた。警察とワイドショーのカメラに包囲され、「公然の密室」と化したマイホーム!末永純一は妻を無事に救出するため、警察を出し抜き犯人と交渉を始める。はたして純一は犯人に王手(チェックメイト)をかけることができるのか? 誰もが驚く北村マジック!!

ちょっとイヤミス、、、トリックは上手いと思った。


貫井徳郎「慟哭」

慟哭 (創元推理文庫)

慟哭 (創元推理文庫)

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。異例の昇進をした若手キャリアの課長をめぐり、警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心をよせる。こうした緊張下で事態は新しい方向へ!幼女殺人や怪しげな宗教の生態、現代の家族を題材に、人間の内奥の痛切な叫びを、鮮やかな構成と筆力で描破した本格長編。

ラストに救われない小説。読んで損なし。



深水黎一郎「最後のトリック」

最後のトリック (河出文庫)

最後のトリック (河出文庫)

「読者が犯人」というミステリー界最後の不可能トリックのアイディアを、二億円で買ってほしい―スランプ中の作家のもとに、香坂誠一なる人物から届いた謎の手紙。不信感を拭えない作家に男は、これは「命と引き換えにしても惜しくない」ほどのものなのだと切々と訴えるのだが…ラストに驚愕必至!



最近出たばかりの本ですが、久しぶりにジャケ買いした小説。犯人は読者全員!?


犯人は、俺だったあああああああああああ〜〜〜〜!!!!!






とまあまだまだ読んだ作品はたくさんありますが、きりがないのでこの辺で。何かおススメの作品があったら教えてください。

inashininashin 2015/05/26 22:46 館シリーズうちにいっぱいあるではないか。
個人的には水車館が結構好きだったけどなあ。
そして叙述トリックといえば折原一なのにひとつもないだなんて!