マイナースポーツの再興策【問題提起】
登山やジョギング、自転車など「移動するスポーツ」が話題になる中、
みんなスポーツするようになったのかというとスポーツ人口は全体としては減り続けているらしい。
(富山県のまとめた資料からの抜粋なので、富山などが色づけ表示されています)
10年で15ポイントも低下してるって、結構由々しき変化じゃないか?これ。
まぁ運動しなくなった自分が言うのも何ですが。
ただし一人あたりのスポーツに費やす時間は統計上増えている。
ランニングや山登りなど、負荷は低いが時間のかかるスポーツにシフトしたことが時間の増加に繋がっているのか。
統計では高齢者になるほど運動に費やす時間が増えていることがわかる。
若年層は時間で見ても減っていて、スポーツ人口も、かける時間も減っていることが分かる。
ちなみに今日のグラフは総務省の統計データ「社会生活基本調査」から引用しています。
ところで「人気の無い」スポーツと言えば?
さて、ブログテーマとしては「勝ち馬に乗る」のではなく、むしろ状況が芳しくないスポーツを見つけてみたい。
スポーツ毎の人口分布はこちら。
左右の軸はそのスポーツをやっている人口の割合を示している。
このグラフで左に貼り付いている(人気が無い)スポーツと言えば「剣道」「柔道」「弓道」あたりか。
柔道はオリンピック種目にもなっているが、剣道は国際大会が最高峰のよう。
人口は平成8年(1996年)→平成18年(2006年)の10年間で 0.9%→0.6%。
なるほど減ってるなぁ。
ちなみに平成13年(2001年)調査ではなぜか剣道のデータ無し。
担当者の項目作成忘れ?
日本剣道連盟のスタンス
剣道の普及についてどう考えているかは、日本の剣道の総本山である「全日本剣道連盟(全剣連)」
の公式サイトで以下のように述べられている。
以下公式サイトから転載。(文字装飾はこちらで追記)
剣道とは何か
「剣道」とは、日本の武士が剣(日本刀)を使った戦いを通じ、剣の理法を自得するために歩む道を指し、
剣道を学ぶということは、この剣の理法を学ぶことを意味します。
敢えて言えば、剣の理法の奥にある武士の精神を学ぶことが重要で、剣の操法を厳しい稽古を通じて学ぶことは、
その為の一つの手段と見られています。
これが剣道の目的が「人間形成の道」と言われている理由です。
(略)「剣道」の普及のあり方
全剣連は、このような日本独特の文化・武道である剣道をさらに普及させていきたいと考えていますが、
一方、剣道の普及とは、単に剣道人口を増加させたり、試合を数多く開催することではありません。
正しい普及とは、日常の稽古や試合という競技の剣道を通じて、武士の精神を多くの人々に伝えることです。
単なる競技として広めることではないのです。
・リンク → 剣道に関する全剣連−「日本剣道連盟」
建て前と本音、とも言えるが公式がことさらに精神論を唱えるのは複雑な裏事情も絡んでいる。
実は剣道は今、韓国の情報戦にさらされている。
・リンク → 剣道の起源は韓国にあり!?
空手に対するテコンドーのような、日本の剣道をもじった「韓国剣道(クムド)」が「韓国起源」として世界にPRをはじめている。
その中で「日本の『剣道』の起源も韓国だ」という主張をしており、このページはそれに対する見解になっている。
ここでは「剣道は『道』であり、単純な普及人口での対決はしない」としている。
そんなこと言っているうちに韓国剣道がオリンピック種目とかにゴリ押しされなければいいけど・・・
さてタテマエはタテマエで構わないが、普及が進めば家の近くで練習も試合もできるし、
参加人数が増えれば装備メーカも大量生産化できるのでよりニッチなニーズに応えたり、より良い物を安く提供できるようになる。
特に剣道は試合場が屋内で広い空間が必要なので、やはり普及人数はより良いスポーツ環境作りにも重要だと言える。
なぜ人気が無いのか
とりあえずここでは別に剣道を批判したい訳ではないということを先に断っておく。
剣道の達人の動画とかを見てると本当驚かされるし、格好良いと思う。
見るのは好きです。見るのは。
スポーツをはじめるきっかけは色々あるが、普及させるためにはやはり仕組みや話題性が大切。
地道な普及活動も大切だが、サッカーのキャプテン翼、バスケットボールのスラムダンクのような「花火」も大切。
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20070305_204348_P3050022 / くーさん
(競技人口が伸びた訳ではないが、少なくとも視聴率を稼げる産業になれば選手の練習・遠征費用は出しやすくなる)
剣道のネックは、それが「日本発祥」であること。
日本発祥なので、日本人が優勝して当たり前になってしまい、話題性がない。
それではなかなか話題性が出ない。
もちろん将棋の羽生さんのように圧倒的な天才が出れば注目が集まるだろうが、なかなか難しい。
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さて、そんな状況の剣道を盛り上げる手はあるのか。
海外に目を向けると、同じような問題を解決した事例もある。
他スポーツの事例を取り上げて、剣道の再興策を考えてみたい。
・リンク → 剣道復活の手引き【解決策】