涸沢→横尾→徳沢→明神→上高地(16km・徒歩4時間)

3時頃に一旦目が覚める。早立ちの人のざわめきが聞こえる。再度就寝し、5時前に起床、朝食へ向かう。下山するだけなので、ご飯はおかわりをせずに、軽めにする。

食堂へ降りる階段の途中に、東邦航空から寄贈されたラマ(SA315B)のテールローターが展示されている。東邦ヘリと山小屋の結びつきは強い。食堂を俯瞰してみると、ここが標高2300m近くにあることを忘れてしまう。スタッフのサービスといい、この水準に追いついていない市中のホテルは多いのではないか。そういえば、ノートに帝国ホテル(新橋の方)のフロントの方が感想を残されていた。

外気温は3℃程度で無風、太陽光のおかげで暖かく感じる。積雪は3〜5cm程度だろうか。表層なだれの心配もなさそうである。部屋に戻って身支度をする。布団や毛布を元通りにたたむ。昨日、18時から寝ていた隣の人は、まだ小屋内に滞在しているようだ。良く寝れるというのも登山では重要な能力である。受付横の売店で、前から気になっていたビデオを購入する。


外に出ると、既に早立ちした人が北穂・奥穂へ続く登山道を進んでいた。どちらも登ったことがあるが、酸素の薄さが堪える。しかも両方とも上高地から1日で登ったので、途中で何度も挫折しかけた。このまま下山するのは惜しいが、今回は雪山の経験を得ること、が目的なので涸沢に別れを告げて下山を開始する。


涸沢ヒュッテを6:15に出発。行きと違ってどんどん高度を下げていく。登山の中で一番好きなのは、静かな時間を得ることができること。歩みを止めれば風の音しか聞こえない、人工の音が消滅した空間は、山でしか味わえない。美しい景色を眺め、しばし足を止める。

登りでも休憩した樹林で、休憩。コンロで湯をわかし、コーヒーを飲む。周囲500mには誰もいない、贅沢な時間を満喫する。15分ほど休憩した後、降下を再開。どんどん高度を下げていき、本谷橋には7:23到着。ここでアイゼンを外す。

横尾には8:35到着、登山は終わった。後は自宅に戻るだけである。帰りの3時間は長い。途中、徳沢でカップヌードルを食べ、上高地ビジターセンターを経由して河童橋に11:26到着。岳沢と焼岳の写真を撮った後、バスターミナルへ向かう。

平湯温泉→高山→郡上八幡→自宅(412.3km)

12:13に駐車場を出発して、神の湯へ向かう。野性味あふれる温泉で、この2日間の汗を流す。ゆで卵を食べ、車に戻ってネットで道路交通情報を見ると、郡上八幡から美並の先まで渋滞している。2chの道路交通情報を見ると、美並の10km手前から大渋滞だそうで、高山から郡上八幡経由で帰ることにする。

平湯峠を越えて、高山へ下っていく。途中、金塊が盗まれた飛騨大鍾乳洞にはそこそこ車が入っているような感じだった。あかかぶのお店など、道路沿いの飲食店などはかなり盛況で、いつもとはかなり風景が異なる。交通量は多いものの、順調に進んで41号に合流、途中、セルフのスタンドを発見して給油する。飛騨はガソリンが高く、去年の9月に給油した時はハイオクが1リットルあたり155円もした。今回のGSは137円とかなり安く、今後ここを利用することにする。

清見町に入って国道と別れ、郡上八幡へ向かう。東海北陸道が開通する前は、このせせらぎ街道が高山方面へのアクセス道路だった。ツーリングには最適な道なためか、バイクが多い。せせらぎ街道に入って20分ぐらいのところであろうか、右カーブを曲がると目の前にアルテッツァがいたが、一瞬何が起きたか判断できなかった。上り勾配でアクセルを半分ぐらい踏み込んでいたこともあり、ブレーキ操作まで少し長いタイムラグがあった。さらに右コーナーであったため、フルブレーキを踏めなかった。アルテッツァは一瞬の後に右側車線へ戻り、2m程度の間隙で衝突は回避された。

事態を理解したのはさらに5秒程度後である。アルテッツァは右カーブで車5台ぐらいに追い越しをかけたようである。ところが右カーブで追い越しが終わらず、左カーブ(私の方から見て右カーブ)の始端付近まで追い越しに要してしまったようだ。辛くも衝突は回避できたものの、自分の反応速度の遅さに幻滅する。片山右京のように328km/hでタイヤバーストして立て直せるような能力は不要としても、危険を感じた際に瞬間的にブレーキングに移行できる必要はあるだろう。

道の駅パスカル清見に14:53到着、休憩する。PCで道路交通情報を見ると、郡上八幡→美並はまだ渋滞している。2chを見ると、渋滞にはまってから美並まで90分ほど所要している模様。美並ICへ向かい、途中で再度道路交通情報を確認し、美濃ICから乗るかどうかを判断することにする。

清見を15:22に出発、郡上八幡の市街地を抜けて美並ICへ。美並ICまで600m程度のところで車を止めて道路交通情報を確認すると、渋滞は解消している模様。拍子抜けして16:27に東海北陸道に乗る。途中、一宮JCT名神上りの渋滞に起因する渋滞があるとの情報が得られるものの、私がたどりついた時点では渋滞はなく、名神にスムーズに合流。上り線側は停滞している。岐阜羽島ICを過ぎても延々と渋滞が続いており、最後尾は大垣IC付近で、総延長20km程度であった。1時間では通過できないであろう。下り線はスムーズで、願わくばこのまま自宅に帰りたいものである。

名神高速下り線は、ところどころで流れが悪くなるものの、渋滞もなく順調。上り線は、一宮JCT先の事故渋滞を筆頭に、米原JCT彦根トンネルなどを先頭に断続的に長い渋滞。彦根から一宮の所要時間は2時間とのことだったが、八日市を出たころにドアミラーで見る上り線の所要時間表示に赤い文字があった。どうも「測定不能」が出たようだ。

草津PAには17:57到着。コンビニでパンとコーヒーを買い、走りながら食べる。栗東手前から、京都東−京都南間での渋滞表示があったので、京滋バイパスへ迂回。吹田JCTから中国道へ入り、西宮山口JCTから阪神高速第二神明道路を経由。途中渋滞はまったくなく、家の近くのガソリンスタンドで給油し、自宅には19:48に到着。平湯出発から7時間15分が経過していた。

上高地→平湯温泉(14km)

上高地バスターミナルでは、行列ができていた。次のバスには乗れるかな、と思っていると、「お一人様はいらっしゃいませんか?」との声。誰もいないようなので、バスに乗り込む。濃飛の通常の路線バスタイプであった。11:35に上高地バスターミナルを発車。

大正池の前で、手を上げる人があり、止まった。満席なので乗れないです、と運転手が言うと、「電話して聞いたら大正池から乗れるって言ったので待ってた」とクレームをつけ始め、「上高地から乗って下さい」「その場合お金いるんでしょ」というようなやり取りで冒頭へ戻ってループ。3周ぐらいやりとりがループした時点で、「すみません、後ろ詰まってますから」「BTへ電話して、人数伝えて空席確保してもらってください」と言って、やっと発車。GWに限らず、大正池や中の湯から乗るのは困難である。私も以前、中の湯から沢渡へ帰ろうとして、なかなか乗れずに苦労したことがある。アルピコの係員と交渉しながら空席を確保してもらうように要請したものの、上も大行列だそうで、結局白骨行き(茶嵐駐車場は経由する)になんとか乗ったことがあった。

平湯BTを経由して、あかんだな駐車場へは12:10到着。