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2013-06-24

6月24日になると『イリヤの空、UFOの夏』を思い出す

| 18:03 | 6月24日になると『イリヤの空、UFOの夏』を思い出すを含むブックマーク

「6月24日は全世界的に、UFOの日だ」

というセリフとともに、今日という日に思いを馳せる。特に何かをするわけではないが。

上記のセリフは『イリヤの空、UFOの夏』の登場人物の一人の口癖である。ラノベの設定ではなく、現実に定められている。*1

マイノリティの魅力

現実に存在するかしないかわからないものにロマンを感じるのは人類共通だろう。それがUFOであるかどうかは分からないが。未知の物質、未知の生物、未知の体験(いやらしい意味ではない)、これらには何か心躍るのものがある。

それを知っているのは自分だけ、というマイノリティの知識はちょっとした優越感というか陶酔感みたいなものを我々に与えてくれる。

んで、その物語は、その感覚に魅了されて、2人の少年がUFOを探しに夏休みに山こもるのだが、夏休み最後の日、主人公が夜のプールで少女と出会ってうんぬんというところからストーリーが始まる。

その後のストーリーは実際に読んでもらって確認して欲しい。

しかし僕が最初にこの物語にのめりこんだのは、「少年2人が、共通の目的(UFOを探す)という目的のために冒険めいたことをしている」という部分を読んだからだ。

友達や仲間と一緒に、何かのために研究・探索したり、創作したりする物語は大好きだ。

そしてその分野がマイナーであればあるほど、ワクワクして物語にのめり込める。周りの誰もが知らない知識を得たい、という欲望は誰にでもある。特に学生の頃は、教科書に載ってない、もしかしたら先生も知らないかも、という「禁断の知識」には皆それなりに弱いと思う。

何故弱いのかというと、自分のアイデンティティとか個性とかその辺の存在意義が欲しいからだろう。マイナーな知識・特技は、それだけでその人の特徴になる。

「教科書の勉強はできないけど、こっち方面の知識は負けないぞ!」

「体育や部活ではあまりぱっとしないけど、セパタクローならできるぞ!」*2


自分だけの宝物

別にメジャーから逃げてマイナーに走るのが悪いとは言わない。むしろ健全だ。

今でこそアイドルといえば、AKB だが、おにゃんこクラブのほうが好きだという人も結構いるだろう。古すぎか。

そもそもアイドルにハマるという状態が既にマイナーである。未確認だが。少なくとも教科書に載ってないし、大部分の教師もよく知らないだろう。

今は娯楽は多岐にわたっているが、以前は娯楽といったらテレビだった。子供から老人までテレビだった。しかしテレビよりラジオが好きという人間もいた。それはそれで全然悪いことではない。しかし、テレビをほとんど見ないというと馬鹿にされる風潮はあった。カッコつけるなよ、みたいな。かくいう僕もラジオ派だった。

マイナーの定義が難しいが、メジャーとの詳細な境界はここではどうでもいい。皆が「おそらく」知らないで、かつ自分に現実逃避を与えてくれるもの、である。

それは、心の安定剤になるし、いうなれば「自分だけの宝物」である。

僕の場合は、それが読書だった。読書をしているときは現実逃避ができて「特別な存在」になれたような気がした。残念ながらUFO探索ではなかったが、読書のおかげでUFOについて興味も出てきたし、今日は夜の空に思いを馳せることができる。

イリヤの空、UFOの夏〈その1〉 (電撃文庫)
イリヤの空、UFOの夏〈その1〉 (電撃文庫)

*1:参考っぽいサイト:http://hukumusume.com/366/kinenbi/pc/06gatu/6_24.htm

*2:マイナーなスポーツをあげるとき、いつもセパタクローを思い付く。セパタクローが上手いなら他のスポーツもそれなりに上手そうだが、そういう突っ込みは禁止。

2013-06-17

発達障害の人間に必要な存在とは:夏目漱石の『坊ちゃん』感想

| 00:32 | 発達障害の人間に必要な存在とは:夏目漱石の『坊ちゃん』感想を含むブックマーク

坊ちゃんは頑固者で自分の意見を絶対に曲げない。正義感が強いというか。

非常に痛快で読みやすい。読んでいてスカッとするし笑える。言葉がちょっと古く難しいかもしれないが、趣と思えばプラスである。

坊ちゃんは現代なら発達障害と呼ばれるだろう

馬鹿にされたら頭がかっとなって、後先考えずに行動する。ADHD とか ADD の部類だろう。詳しく分類することにあまり意味は無いと思うので、以下、発達障害とだけいう。

「親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしている」

としょっぱなから言ってるように、彼は無鉄砲なのだ。進学先の学校も張り紙を見て適当に決めて、結局数学など飯の種にならぬと馬鹿にしている。

そして就職先もあまり考えずに四国の田舎の学校へ言われるままに就職する。そんなんでいいのかと読んでいて呆れたが、案外それでいいのかもしれない。

考えなしなのに体裁を保ちたがる。四国など行きたくないのに、一度承諾したからには行くしかあるまい、と帰りの船代もないのに向かっていく。

2ch があったら

「流れでど田舎に就職することになったけど質問ある?」

というスレをたてて、

「そんなとこに流れで就職とかお前アスペだろ」

と突っ込まれるだろう。

彼は他人の意見などまったく聞かないから、スレたてなどしないだろうが。


彼の心の支え

彼は親にも兄弟でさえも、呆れられて見捨てられているのだが、メイドさんには好かれている。

メイドといってもしわくちゃの婆さんだが。名前は清という。

一緒に住んでいるときも、無鉄砲が仇となったときや、正直すぎて損をしたときに、清は「まっすぐだ」「心がきれいだ」と褒めてくれる。

この存在は大きい。心のセーフティネットというか。

彼女がいなかったら坊ちゃんはふて腐れてしまって、そのへんの安い居酒屋で、安い給料ひどい待遇に愚痴をこぼすだけの人生になっていただろう。

清はいわゆる女神である。学はないかもしれないが非常に良くできた人柄である。坊ちゃん自身も尊敬しているし、読者も尊敬するだろう。

こういう人に気に入られると発達障害でも力をどんどん発揮するような気がする。

逆に、いないと心が折れて、二次障害としてうつ病などを患ってしまうだろう。


人間は案外、単純だ

特に男は単純だ。

ここから私の話になるが、私には発達障害気味の友人が何人かいる。うつ病になった奴もいる。

しかしうつ病になった彼には彼女がいた。直接話したことはないが、気立ての良い女性のようだった。顔は美人だった。裏山死刑と何度か思った。今もたまに思う。

彼は周囲に翻弄されて、かつ真面目な性格(この辺が発達障害気味)もあいまってうつ病で苦しんでいた。だけどぎりぎりのところで頑張れたようだ。その理由は明らかで、彼女がいたからに他ならない。受け止めてくれる女性というのが男には必要なのだ。

男はいつまでたっても馬鹿で子供だ。受け止めてくれる人間や、守るべき存在がないと踏ん張りが利かない。

人間は皆そうだと思うが、女性になったことはないので女性の考えはわからない。女は強か、というからちょっと違うかもしれない。


孤独で、目的の無いものは崩れやすい

私には何もなかった。守るべきもの、受け止める存在。

よって、仕事を、眠れず食べれず薬飲んでまで頑張ることができなかった。

病気が原因の出費がどんどん膨れ上がっていった。当時は自立支援制度も受けてなかったし。

親は年金確定逃げ切り世代なので私の仕送りなど必要としていない。しかも私の給料より多かった。二人合わせてだが。

あのとき、何か守るべきものとかがあれば頑張れたかもしれない。キャバクラの姉ちゃんにでも入れ込めばよかったのか。

冗談はさておき、せめて「人生の目的」があればよかった。しかしそれを決めてしまうのは非常に苦しく困難な作業である。当時の私には無理だった。この辺はドラッカーが詳しい。*1))


蛇足:私は坊ちゃんに似ているか

無鉄砲とか考えなしとかそういうところは似ているが、あの行動力はまったく私にはない。

私はおそらく相手が警察だろうが国会議員だろうがムカついたら文句をいうが、50メートルほど離れていたら面倒で何もしないと思う。無鉄砲なくせにやる気がないのだ。やる気無し鉄砲である。

また、「人に隠れて自分だけ得をするということほど嫌いなものはない」

と坊ちゃんは言うのだが、これはまさしく私の考えであり、人生損をする人間の特徴の一つである。

要領の良い人間は自分だけ得をすることに何も罪悪感を覚えない。競争社会なのだから覚えたら負けなのだが、不器用な人間は少しでも後ろめたさがあると何もできない。他人を騙してまで、あるいは蹴落としてまで成功しようとは思わない。

そしてその不器用すぎる良心は誰にも気が付かれることはないし、気が付かれても馬鹿にされるだけである。

高倉健みたいに見た目がよければ別かもしれないが。


坊っちゃん 新装版 (講談社青い鳥文庫 69-4)
坊っちゃん 新装版 (講談社青い鳥文庫 69-4)