流体アクセス力学概論

とりあえずきっかけは↓の記事。

独り言以外の何か - Hit数とクリック率

http://d.hatena.ne.jp/Su-37/20050610#1118418145
自サイトのアクセス数と、リンク先に何人の人が訪れるかについての記述。たいへん興味深いです。


ところで、僕は「読我新聞」というReadMe!ランキングの順位が上昇したサイトをメモするサイトをやっているのですが、以下の文章はこれをやっている中でなんとなく分かってきた経験則みたいなのをちょっと書いてみようかという試みです。まとまりなんて全然無し。全部僕の感覚が元になっているのであんまり信用しないように。

3割原則

これは「Aというサイトがリンクしているページに飛ぶ人の数は、Aのサイトを訪れた人数の多くて3割程度」という経験則です。「閲覧者がハイパーリンクをクリックする確率は多くて3割程度」と言い換えることもできます。以下これは単純に「クリック率」と言うことにします。
もちろん、サイトの形状やリンクの仕方によって大きな差は出てきます。平均すると大体3割ぐらいかな、ということで。

クリック率が低いサイト、高いサイト

上記「Hit数とクリック率」の中でも書かれているように、いわゆる羅列型ニュース系サイトはクリック率は低いです。高くて2割といった所でしょうか。
そんな中、ニュース系でクリック率の高いサイトもあります。「Hit数とクリック率」の中にもあるように、「楽画喜堂」はクリック率高いです。この記事の中では『楽画喜堂さんなんかはデイリーで六万近い上に、リンクされるとネタによっては一万五千以上飛んできます』とありますが、ReadMe!登録情報によればデイリーアクセス3万強なので、クリック率は50%近くということに。ただ毎回50%ということではなく、多くの場合はもうちょっと低い感じです。
あと、「TBN」と「電脳遊星D」もクリック率が高い印象です。特に「TBN」は、「本日の拾得モノ」として一日の更新の下の方にちょっとしたリンクがあるだけなのに、そこをクリックする人が予想外に多い。
あと、テキスト系サイトや絵日記系サイトなど、普段リンクをあまりしないサイトが時々文中リンク(例えば「○○さんの家に遊びに行きました」の「○○さん」の部分などに)をした場合、そのクリック率はかなり高いです。

仮説1:リンクの数とクリック率は反比例する

上記の現象から導かれる仮説ですが、まあ普通に考えれば思いつく程度のものです。

仮説2:リンク部分の字が大きいと、クリック率は高い

楽画喜堂」はなぜクリック率が高いのだろうと考えた時に、一つ気付くのが「リンク部分の文はコメントの文より文字が一回り大きくなっている」ということ。また、感覚としても、リンク部分の文字が大きかったらついクリックしてみたくなるのではないでしょうか。そこから導かれる仮説です。

仮説3:同じようなリンクが並んでいる場合、上にある方がクリック率は高い

仮説4:同じようなリンクが並んでいる場合、リンク部分の文章が長いとクリック率は高い

これには一つ面白いデータがありまして。二ヶ月ほど前に当サイトと「読我新聞」の方で「エイプリルフールリンク集」をやったのですが、その両方が「TBN」より以下のような形でリンクされました。


http://tbn.to/log/2005log/newspast-4.htm

この内、一番上が「読我新聞」へのリンク、上から三つ目が当サイト(だるだる日記)へのリンクです。実はこの二つ、リンク集の内容自体は全く同じ(「だるだる日記」から「読我新聞」へコピペしてた)なので申し訳なかったのですが…… まあそれは置いておいて。
そしてこの日の、両サイトのReadMe!ランキングはこのようになりました↓(面白い現象だったのでメモっておいた)

  だるだる日記     読我新聞  
  アクセス数 順位   アクセス数 順位
2005-04-01 363 801   1147 358
2005-04-02 1750 245   6330 82

同じようなリンクなのに、アクセス数には4倍近くもの差が!(もちろんReadMe!の集計がイカレてなかったという前提で。あと、「TBN」以外からのアクセスもありましたが、それは両方とも高々数百程度だったので無視できるとします。)
この結果から導かれたのが仮説3と4です。仮説2と仮説4は一つにまとめて、「リンク部分の面積が大きいとクリック率は高い」とできるかもしれない。

仮説以外の何か

あと、仮説とも言えないある意味当然とも言える要素とか。

クリック率は、リンク部分の文章や解説コメントなどに影響を受ける

そんなの当然と言えばそれまでなのですが。例えば「ぁゃιぃ(*゜ー゜)NEWS」なんかを見ていると、クリック率ってのは一様ではないのだなあということがよく分かります。

エロ関連はクリック率が高い

これも当然と言ってしまえば当然。ただ、エロ関連と言ってもリンク先がエロでなくてはならないということではなく、リンクの説明文にエロの匂いが感じられるということです。

クリック率基本式

アクセス数をデイリー単位(00:00〜23:59)で考える。
1月1日00:00にサイトaからサイトbにリンクが張られたとする。

  • 仮定
    • サイトaにアクセスする人は、サイトaの常連しか居ない。
      • (常連:ブックマーク等からサイトを訪れる人)
    • サイトbにアクセスする人は、aから飛んできた人とサイトbの元々の常連の二種類しか居ない。
    • サイトaの閲覧者は、サイトaに張られたリンクがどこのページへのものなのか分からない。

この仮定より、次の式が導かれる。

B=B_n+Ar-zr

ただし、A:サイトaの1月1日のアクセス数、B:サイトbの1月1日のアクセス数、Bn:サイトbの常連の数、z:サイトa、b両方の常連である人の数、r:サイトaにおけるクリック率である。
この式をrについて解くと、

\LARGE r=\frac{B-B_n}{A-z}

となる(ただし、A≠zの時のみ。A=zの場合、rは不定となる)。これをクリック率基本式とする。
で。このクリック率基本式の使い道はと言うと…… よく分かりません。

その他参考資料

個人WEBサイト文化研究所 主任私記 - 研究メモ:被アクセスの基本式

http://d.hatena.ne.jp/madness/20050515/1116164285

complex fractionCOLUMN(テキストタイトルとアクセス数)

http://homepage3.nifty.com/logical/column105.html

complex fractionCOLUMN(日記才人とテキスト庵に於ける実験)

http://homepage3.nifty.com/logical/column128.html

「流体アクセス力学」という名前について

「個人WEBサイト文化研究所 主任私記(id:madness)」のこの記事において、

「アクセスの流れを研究し、その意味するところを正確に分析し、アクセスを自由に制御する方法の開発を目指す学術分野」を「アクセス力学」と名付けることにしました。

と書かれたいたものを拝借。これに「日々流れ行くアクセス数」という意味を込めて「流体」を頭につけました。正確な「流体」の意味とはちょっと違うけど気にしない。


今後も何か流体アクセス力学に関する事柄は取り上げていこうと思っています。