J1第18節 : vs ジェフユナイテッド市原・千葉 @ フクダ電子アリーナ

まさか一週間前には、こんな気分で次の試合を終えられるだなんてまったく予想していなかった。当日の試合前ですら、戦う気持ちさえ見せてくれれば御の字だと思っていたというのに。
ここ最近の不調や、先週の浦和戦での大敗を受けて(漏れ伝わってくるところによると、それ以外の理由も大きいらしいけど)、前監督が解任され、新監督となって迎えた緒戦。東京は見違えるようなチームになっていた。いや、本来あるべき姿に戻った、と言ったほうが適当か。労を惜しまないチェイス、献身的なプレス、セカンドボールへの食らい付き、サイドへの展開、そういった、ここ最近の試合から失われていたものが一斉に帰って来たようだった。しかも、急がずにすむ局面ではゆっくりボールを回しながら相手の隙を狙う、といったように、前任監督のもとで過ごした半年間が決して無駄ではなかったということまで見せてくれるんだから、嬉しいこと極まりない。
ただ、昨日の試合ですべての心配事が解消されたか、と問われれば否定せざるを得ない。ディフェンスの受け渡しは怪しい箇所が多かったし(だから3点も獲られるんだけど)、逆転した後に試合を落ち着かせることもできなかった。それでも、あの戦いぶりを見せてくれるのなら満足できる。例え昨日の試合で同点に追い付かれたまま試合が終わっていたとしても、いや、それ以前に同点に追い付くことができなかったとしても、きっと試合後には、同じような拍手ができていたんじゃないかと思う。ああいう積極的な試合が観たかったんだよ。おかえりなさい、「俺の東京」


と、ここまで冷静に振り返ってはみたけど、試合中はそんなことを考える余裕もなかった。立て続けの2失点に打ちのめされながらもなんとか声だけは出し続け、ルーカスのゴールには飛び上がり、赤嶺のゴールに吠え、石川のシュートが決まった直後には記憶が曖昧になり、阿部の決勝点には誰彼構わず抱き合って喜んでいたもの。皆似たような思いをしてたんだなということは、一緒に試合を観ていた友人の涙や、試合が終わった後に集まった友人達の晴れやかな顔からよくわかった。あとはこの勢いが一時のものではなく、永続してくれることを願って。