ロゴスの小径 〜心の空洞を埋める方法〜

やさしい「哲学」が世界観を変えます。「スピリチュアル」で幸せになれないような気がする方へ。

自分を超える。

ロゴスの小径へようこそ。

大学の
私のニーチェの先生が急逝されてから
なんだかニーチェに触れるのが辛いと言うか。

そんなこともあり
科学哲学を中心に学んでいますが
最近またニーチェに心が戻ってきました。

科学哲学で考えることは
大きく分けると三つ。
簡単に(そしてわかりやすく、大げさに)言うと

世界とは、どうあるか(なんなのか)
世界とは どうあると考えられるのか
世界とは どうあるべきか

というようなことです。

世界とはどうあるか、は

そのまんま、

この世界、というものとはいったい何なんだという問いです。
人間とか全てを含めて。

私たちは、自分がいなくても
「世界」という入れ物というか、背景みたいなものがあると
信じています。
しかしそれは本当でしょうか?

自分が死んでも世界はそのままそこに存在する

と 言うことさえ

私たちにはできません。
だって死んでしまうんですからw

誰一人、それを証明できないですよね。

屁理屈みたいですが、しかし厳密にいえばそうなります。


よく、臨死体験、とか言って
トンネルを通ると花畑が・・・なんていいますが

あれは脳に酸素が行かなくなると
見てしまう現象とも近年言われていますし

そもそもどんなに死にかけても、
戻ってきて生きている人は科学的・哲学的定義では「死んでいません」。

死んだ人は戻ってこないのです。

となると、

二番目の
世界はどうあると考えられるか、つまり

私たちはどう世界を認識しているのか

を考えるしかなくなりますよね。



そして三番目の
世界はどうあるべきか。

これは倫理の問題です。

まあ、その元は知識、ということになりますが

つまり


世界はものすごく残酷で不平等なもので
人間は戦争で殺しあう愚かな生き物だと私たちが認識しているとして
それが世界の、ある意味本当の姿だとして


けれど、

世界は平等で、皆が愛し合うべきだ、

とする考えもできるわけです。

そしてそこに向かうのがベストとも言えるのかもしれませんが


どうあるべきだ、という定義もまた難しく
人や国によって違うので

そこでまた戦争になっちゃうわけですねw


戦争して殺しあう虚しい生き物。

これっていったいなんなの、
なんのために世界なんかあって人間なんかいるんだ?ということになると


1番目の、世界とはなんなのか

に戻ってしまうわけです。


そうです。これは哲学の根底の問い。
つまり答えはありません。

人間の意志の力で、3の、倫理を実現できそうなものですが

実際できていないのが世界なので
今後もできないでしょうね。

もちろんそれでも努力は必要だと思いますけれど。



さてそんな風に考えていると
結局は、
人間は短い一生を何かをして生きるしかない。

何か、とは人それぞれでいいのですが

ニーチェ
自分を超えて生きろ、と言うわけです。

とはいえ、
ニーチェの文章自体は
そんな生ぬるいものではなくw

ほとんどの人間はそれができずに
そこから目を背けて生きている、ということになります。
自分がいかに、生きる価値もないような生き方をしているか
読むたびに身につまされます。

が、ものすごく
一般市民(ニーチェ言うところの末人)に引き寄せて考えると


例えば陶芸家が
ものすごい練習と経験を積んで
その道を極めている、とか

ああ言うのに似ている気がします。

お金を稼ぐためなら、そこそこのものが作れればそれでいいはずなのに

自分が気に入らないと、
たたき割っちゃったりしてねw

そもそも、それが売れている人とは限りませんし。

でも、自分の納得したものでないと
我慢できないわけです。


それは他のことでも同じです。
スポーツだってそういう側面があるでしょうし

なにかの修行、ってそういうイメージですよね。

おいしいラーメンを作るための本気のスープづくり、なんかも
そんなような気がします。

勉強もそうかもしれません。


そうなると、なんでもいいような気がしてしまいますが
なんでもいいんですw

ただし、そこに必要なのは
「本気度」だと思います。


本気で、自分の限界を超えるような何かに
打ち込んでいるのか。

それが自分を超えていくということで
人間が生きる意味です。

他人がどう見るかとか
他人の評価とか
そんなものはどうでもいいし、後でいいんです。

まずは自分が超えられるのかどうか。


最近、制作を再開して
やっとその意味がわかるような気がしてきました。

以前は明らかに
他人の目(個展しようかな?人に見せたい、先生に褒められるように描こう、
公募に出そうかな?出したら入選するかな?などなど)とか
売れるだろうか、とか売れるように描こうだとか

そういうことを考えずにはいられませんでした。

純粋に絵を自分なりに追求していくことは
もちろんしていたはずなのですが

やはり、大学で学んでいる間は先生の目を意識しますし
私は社会に出てからずっとデザインやイラストの仕事をしていますから

それは人に見せる、見てもらうが大前提のものですので

自分なりに追求、というあたりが
難しかったように思います。


それに、今は昔と違って
「展覧会で賞をとれば画家になって有名になれる」的なルートは
少なくても日本にはありませんw

そのルートも、なくはないのですが、
どこの大学を出て、何先生の下で学び、
先生と同じ会に入って・・・というような

政治家みたいなwルートを経ないと得られないものです。

純粋に絵が上手ければ優勝する、というわけではないのは
フランダースの犬の時代から変わりませんw

まあ、そんな事実も私は
つい数年前に知ったのですがw


となると

何のために描くのか?

は、

自分を乗り越えるため

になってきます。

私にはそれがつまらないものに思えて
売れるような絵(イラスト)を描いてきたわけですが

売れるように、と描く時点でもうそれは
仕事です。

仕事であれば純粋に追及はできなくなります。当たり前ですよね。
追求するのは利益、になるわけですから。


まあ、それもあって昔から
芸術家は家がお金持ちでないと成り立たなかったわけです。
道楽ですねw 哲学だってそうですw


そうなると、描くことはもう楽しいことではなくなります。


まあ他にもさまざまな要因から描くことを中断してしまい

つい先日まで、もう描かなくてもあとの人生は哲学や読書で埋めるだけで
埋まっちゃうし幸せだからいっかー

なんて思っていたくらいです。


しかし先日
何を描いているのかに

やっと気づけました。


そして
自分を超える、その何かをつかむためには
妥協、なんてありえないんだと言うことや

人に見てもらうとか評価とか
そんなことはものすごく言ってみればどうでもいいことだった、

ということにも
今更ながら気づいたわけです。ああハズカシイ・・・

そんなものは、できちゃったものを
見せるなんなりすればいいんです。

見せるためのものを創る、と思った時点で
それはもう 純粋な芸術とはどこか違うものが混ざりこみます。


先日も書きました、大学の先生がくれた言葉。

もう一つあります。


もう描くのはやめるかもしれない、その価値を見いだせない、
と言った私に


では、あなたが美を求めているカどうか、ではなく

美の方があなたを求めているのか、を意識して描いてみなさい


と。



私は私の中にある、美を試す。

自分が満足いく作品が描けないなら
私の中に ミューズの女神はいなかった、ということになります。

それならもう描くことはやめて、
他人の素晴らしい作品を鑑賞した方がよほどいい、ということになります。


ちなみに
自分の趣味で、好きで描いていればいい

と割り切って描いている人は、そのままでいいんですよ?


週末の日曜の同僚との野球を楽しみにしている人は

プロの試験を受けるために猛練習を摘んだりしなくてもいいわけですw



そういった意味では、哲学他の学問が
私にはそうです。
別に死ぬほど追求して大学教授になろうとは(なれるかどうかは別の話ですがw)
全く微塵も思いません。

つまり、趣味程度で幸せなので、これでいい、ということになります。


そうではなくて、
自分を超えていくもの、というのを
自分の中に見つけて、それを超えようとすることだけが

突き詰めると「無」であるこの世界での

生きる意味

ということになります。


たまに、大成功したアイドルとかが、
そのままそこにいれば誰が見ても幸せなのに

急に職を変えたりして、人に忘れ去られていく、って
あるじゃないですか。

ああいうことなんだろうなと思います。

人がどう評価して、
どんなに称賛されても

自分だけはわかるはずです。
それが、自分を超えていくためのものかどうかが。

だから、成功していても
そこに留まることに意味を見いだせなくなっちゃうんでしょうね・・・。

もちろん、俳優として一生追求する、というように
それがその人の道である場合もあるので、
どちらか正しいというわけではないと思いますが。


お金につながるかどうか
人に褒められるかどうか

を基準に考えると
それは掴めないような気がします。

(もちろんそうなった方がいいに決まってはいますが、
それは後になってついてくるおまけみたいなもの、と言う感じがします。)


ちょっと話したいことがいくつか入り込んでしまいましたが
またおいおいテーマ別に思考してみたいと思います。

うーん、なんだかこのGWで自分がまた変わったなあ・・・


いかがでしたでしょうか。

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