ラシンvsR・マドリー


リーグ連覇へとひた走るマドリー。
今節はマルセリーノ・ラシンとのアウェーゲーム。
開幕前、「ジギッチがいなければ残留争いは必至だ」と発言していたのはマルセリーノ監督。
ところがどっこい、現在5位。4位のアトレティコとの勝ち点差はわずかに1。
残留争いどころかCL圏内争いを繰り広げる躍進ぶり。
マルセリーノ監督の評価は日増しに高まるばかりです。
セビリアの敏腕SDモンチが来季の監督招聘のために接触したとかしないとか。
前日にアトレティコ、そして6位のセビリアが揃って敗れたこともあり、
勝てばいよいよクラブ初のCL出場が見えてくるという状況。


では、スタメンです。



             トーニョ


        モラトン    セサル・ナバス
ピニジョス                    アヨセ


        ドゥーシェル   コルサ
ホルヘ・ロペス               オスカル・セラーノ


        ムニティス     チテ




             ラウール
ロッベン                     ロビーニョ


        スナイデル    ディアラ


              ガゴ


エインセ                   セルヒオ・ラモス
        カンナバーロ    ペペ


            カシージャス




ラシンは4−4−2。好調のドゥーシェルと、ムニティスandチテの2トップに注目。
サブにはスモラレクというジョーカーが控えています。
CBはガライが負傷で長期離脱も大きく崩れていません。
この辺りもマルセリーノの手腕でしょう。


一方のマドリーはルートの離脱以来、一貫した形。
DFラインはシュスターの理想とする4人を久しぶりに起用できました。
グティが累積警告で出場停止のため、ディアラが入るもガゴがアンカーは変わらず。


主審はムニス・フェルナンデスさん。




・試合開始。積極的に仕掛けたのはマドリー。
ラシンも大人しく自陣に引きこもるタイプではないだけに好ゲームの予感が漂う。


・6分、ゴール正面の位置からスナイデルのFK。
こぼれ玉をロッベンがシュートも、DFの素早いブロックでコーナーに逃れられる。
さすがに守備の決まりごとが徹底されているラシン。


・相変わらずラシンのフォアチェックは抜群の統率力。
マドリーは何度もカシージャスにバックパスで戻すシーンが見られる。
しかし決して消極的なパスはせず、ラシン相手にダイレクトパスで何度もアタックを試みる。


・13分、ダイレクトパスの連続でラシンの中盤を突破したスナイデルから左に開いたロビーニョへ。
タメを作って上げたクロスにラウールが飛び込み、わずかに合わせてゲット!
先制したのはマドリー。完全にDFラインの裏を取ったラウールの勝利。


・15分、CKのセカンドボールを拾ったラシン。
右サイドでもらったオスカル・セラーノがカンナバーロを難なくかわして折り返し。
コルサが合わせるも、枠を外す。ディアラの素早いカバーが光った。


・ここまではラシンがフォアチェックからショートカウンターを狙い、
マドリーはダイレクトパスで攻め入るという展開。
リーガ屈指の統率されたプレスを相手に、恐れずにパスをクルクル回すマドリー。
前節もそうだったが、シーズン終盤になってこのパフォーマンスは素晴らしい。
この2試合、そのパス回しの中心にいるのはスナイデルだ。
ディアラについては後で記述します。


・17分、オスカル・セラーノがエリア内で倒されるも、シュミレーションで逆イエロー。


・20分に出た支配率はラシン37%マドリー63%。
相変わらずパスがクルクル回り、あわやの場面を何度も作り出す。


・25分あたりからラシンが攻勢を強めてくる。
ホルヘ・ロペス→チテ→ムニティスと繋いでシュートも防がれる。
ラシンは攻撃を必ずシュートで終えることを徹底している。あと少しの精度が足りないのが惜しいが。


・33分、モラトンにイエロー。ファール数はラシン4-5マドリー。イエローは2-0。


・36分、フォアチェックで奪ったラシンがショートカウンター
ムニティスのスルーパスに抜け出したチテがカシージャスと1−1に。
しかしここは聖カシージャスに軍配が上がる。


・39分、ロッベンが40m単独突破からスナイデルへオランダラインのパス。
正面やや左からの巻いたシュートは曲がりきらずゴール右へ。
シュート数はラシン5-4マドリー。支配率は44%−56%。


・41分、右サイドのエリア際でラシンにFKのチャンス。
オスカル・セラーノのFKにセサル・ナバスが飛び込むもシュートしきれず。


・43分、チテのミドルシュートカシージャスがセーブ。
ラシン怒涛の攻撃。スタンドとの一体感もプラスに働いている。


・44分、ラシンのCK。本数はなんとラシン6-1マドリー。
クロスがディアラの手に当たった跳ね返りをオーバーヘッド気味に素早い反応でもう一度クロス。
完全にフリーだったセサル・ナバスのヘディングは僅かにゴール左に外れる。
頭を抱えるセサル・ナバス。初めての決定的な形だっただけに同点にしたかったところ。
クロスを上げたラシンの選手は誰だったか。いい反応だった。


【前半総括】
予想通りの好ゲーム。ラシンは攻守の切り替えが非常に早いものの、
マドリーが深い位置まで侵入するのでなかなかいい形でカウンターに繋げない。
キビキビした試合にセルヒオ・ラモス1人が乗り切れていない印象。
攻撃に絡むこともほとんどなかった。


ラシンは攻撃の精度がいまひとつ足りない。悪いとも言えないが、良いとは間違いなく言えないw
チテとムニティスのチェックはすごい。どこまでも執拗にボールを追いかける。
DFラインも高くて、最終ライン、中盤、前線の3つのラインが
綺麗に連動してプレスを仕掛ける組織力には舌を巻く。バルサ見習えと言いたい。
残留争いが予想されていたチームをここまで鍛え上げたマルセリーノって一体w


しかしそのプレスをマドリーが突破していたのも事実。
ダイレクトパスをクルクル回す中心にいたのは、スナイデルと・・・ディアラである。
ディアラについてまずどうしても一言、言いたいことがある。


『前節のレビューで、あんなこと書いてごめんなさい』


守備だけが取り柄なんて、どの口が言ったのか。この口かw
この試合では持ち前の運動量を生かして常にいいタイミングでパスを受けれる位置にいた。
パス精度もタッチも十分及第点。もちろん守備もできるとあって存在感は抜群だった。
潤滑油という感じの役割だろうか。
高い確率でパスがディアラを経由しているのには驚いた。
私はマドリーの中盤はグティありきという考えを持っていたが、グティなしでもこの3人なら十分やっていける。
というか、グティスーパーサブに固定というのも面白いと思った。
スナイデル、ディアラ、ガゴは全員攻守共に計算できる戦力だとわかったので、
アンカーをガゴに固定して完成度を高めれば、かなり強い中盤ができそうである。
バルサに対しては、秘かにダブルボランチにした方がいいと思っているが、
マドリーは間違いなく逆三角形だろう。


DFラインについては、カンナバーロがやはり問題になるだろうか。
前半も軽い対応や、一発で取りに行って簡単にかわされるシーンがあった。
やはりCBはエインセの方がいいと思う。逆にエインセはSBでは機動力が乏しい。
この試合ではセルヒオ・ラモスだけでなくエインセが絡んだ攻撃もなかったので、断定はできないが。


後半は、いつマルセリーノがジョーカーを切ってくるのかに注目したい。




・後半開始にあたって、両チーム選手交代はなし。
後半からマドリーは明らかに守備の意識を高めている。
ラシンは前半終了前の勢いそのままにマドリーゴールを攻め立てる。


・4分にチテ、6分にピニジョスにそれぞれイエロー。
マドリーはSBがハーフラインよりも前に行くことがなくなる。
ロッベンロビーニョの突破に任せている印象だが、単独では限界がある。


・12分、マドリーが守備にシフトしたのを見て、マルセリーノはここを勝負所と見たようだ。
オスカル・セラーノに代えてジョーカーのスモラレクを投入。
チテとスモラレクの2トップ。ムニティスを左に。システムはそのまま4−4−2。
オスカル・セラーノはいい動きをしていただけに、少々残念。


・14分、ディアラから右のロビーニョへ渡り、そのままシュートもトーニョがセーブ。
やはり攻撃が単発的になったマドリー。縦への意識が足りていない。
残り30分以上を耐え切れるのか。攻撃もしっかりしないと危ないと思うのだが・・・。


・18分、FKのこぼれ玉をムニティスがつないで、チテがオーバーヘッドでゴールを狙う。
これは枠の右にそれる。ハイボールの競り合いといい、チテはやはり身体能力が抜群に高い。
シュート数はラシン9-5マドリー。決定機は4-2。


・20分、ムニティス⇔パブロ・アルバレス
ムニティス代えてしまうのか・・・。残念。


・23分、スモラレクがドリブル突破からチテへスルーパス
完全に抜け出したかに見えたが、エインセが素晴らしいカバーリング
完全に1点もののパスだっただけに、お前は阿修羅か?と思ってしまった。
DFラインに空いた穴はまず見逃さない。
それにしてもこの試合を通して、セカンドボールはほとんどラシンが拾っている。
後半に限っては全て拾っているのではないか。


・30分、ロビーニョイグアイン
CKの数はラシン7-3。
ここにきて両チーム苦しくなってきたようだ。中盤に大きくスペースが生まれてきている。
特にラシンはここまでのハードワークでさすがに運動量が落ちてきた。
しかし精神力はまったく衰えていないのが見ていてよくわかる。


・32分、スナイデルのループパスにロッベンが抜け出し、完全にGKと1対1に。
しかし後ろのDFを意識したのか、力んでしまったのかシュートはゴール右へ。
ここで決めていれば、ラシンの体力からして決定的なゴールだったが・・・。
これが響かなければいいが。


・34分、ガゴから中盤の大きく空いたスペースにいたスナイデルへ長いパス。
そこから左に開いたロッベンに展開し、グラウンダーのクロス。
完全にDFを出し抜いてニアに飛び込んだラウールが合わせるも、トーニョがファインセーブ。
こぼれ玉にラウールが詰めてトーニョと接触。そこへイグアインが走りこんできて決める。
しかしその前にキーパーチャージの判定でノーゴールに。
なかなか試合を決めれないマドリー。嫌な予感が漂う。


・直後の35分、カンナバーロにイエロー。これで次節は出場停止。
さらに好位置でのFKだったが、これは壁に当ててしまう。


・36分、コルサ⇔オルテマン
ここから必至に力を振り絞るラシン。
怒涛の波状攻撃で1分半、マドリーをゴール前に釘付けにする。
完全に受けに回ったマドリー。なんとか耐え切る。


・38分、ロッベン⇔バルボア
さらに44分にはスナイデル⇔バチスタ。
ファール数はラシン8-15マドリー。イエロー4-1
マドリーはカウンターからバルボアが抜け出すもシュートまでは行けず。
もうクタクタのラシンにとってバルボアのスピードは殺人的。
しかしそれでも気持ちは切れない。ロスタイムは3分。
支配率は43%−57%、決定機は4-4


・終了間際の48分、ラシンのパスミスからイグアインがついに決定的な2点目をゲット!
マドリーはベンチから選手が飛び出してきて、まるで優勝したかのような喜び方。
この様子からも、苦しい試合だったことがよくわかる。


・その直後に終了のホイッスル。スタンドのファンから最初に飛び交ったのは、
ブーイングではなく満場のラシンコール。
敗れたとはいえ、この日の戦いぶりは素晴らしかった。



【後半総括】
ネットを見ていると「R・マドリーはラシンに2−0で快勝」というような記事を目にした。
どの口で言っているのだろうか。その口か!
結果的に2−0だったが、内容的にはドローが妥当だろう。
それほどラシンは頑張った。前半はマドリー、後半はラシンという試合。
セットプレーで1点返せていれば、ラシン勝利も十分ありえた。
マルセリーノのスモラレク投入の時間帯はやはり正しかった。
彼が入って明らかに流れがラシンに傾いた。


しかしラシンの再三のアタックを跳ね返したマドリーDF陣も固かった。
Man of the Matchにはペペを選出。
得意の、ドリブルで攻撃にアクセントを加えるということはなかったが
(マドリーがパス回しに苦労しなかったことが要因だろう)
この試合も90分間集中力が切れず、ラシンがボールを奪って攻撃に転じた瞬間のカットが光っていた。
後半にマドリーが守りに入ってからは、楔のパスを受けるFWに一切前を向かせなかった。


マドリーは攻撃に関してはバランスが取れていて、パスがよく回り、
ボールも人も動くスピーディなサッカーが出来ていた。
しかし守備に関してはセットプレーが不安。
ここはもっと練習で徹底してほしいところだろう。
優秀なプレースキッカーのいるチームや、
アルメリアのようなセットプレーが豊富なチームにはやられそうだ。


マルセリーノ監督は、やはり来季は引き抜きが濃厚だろう。
中堅チームを率いてここまでのサッカーを見せれる監督が他に何人いるだろうか。
彼のサッカーがタレントを抱えるビッグクラブに浸透すれば、恐ろしいことになりそうである。
しかしこのサッカーでCLと掛け持ちをすると、間違いなく来季は残留争いだろう。
その意味でもセビリアが最終節で4位に滑り込み、
マルセリーノはセビリアの監督に就任してCL初挑戦、というシナリオを期待したい。





前日にバルサが引き分け、ビジャレアルはマドリーと同じ日にバジャドリードに勝利。
これで順位表はこうなった。
1位  R・マドリー  72
2位  ビジャレアル  62
3位  バルセロナ   61


マドリーはビジャレアルとの直接対決で2勝しているため、
ビジャレアルは逆転優勝のためには残り5試合でマドリーよりも11も多く勝ち点を獲得しなければならない。
バルサクラシコに2-0で勝利したとしても、それプラスあと勝ち点8が必要になる。
どちらも実現は限りなく不可能に近い。
間違いなくこれでリーガは決着だ。
今後は2位争いと、4位争いに注目したい。
というか、頼むからセビリアの試合を放送してくれW社。
今節はアルメリアとの直接対決だったのに、なぜ放送がないのか・・・。
つくづく冷遇されているな。そのうちデル・ニドがW社に怒鳴り込んでくるぞww


人気ブログランキング  ←気が向いたらクリックお願いします^^

カタルーニャ・ダービー


共に不調通しの一戦。約1ヶ月勝てないバルサと、4連敗のエスパニョール。
ダービーとはいえ、腑抜けた試合になりそうな予感w
もはや逆転優勝が風前の灯、絶対に勝利しなければならないバルサ
ホーム・カンプノウで、昨年3連覇を打ち消したエスパニョールを料理できるでしょうか・・・。


では両チームのスターティングです。

続きを読む

R・マドリーvsムルシア


相変わらずの久々更新ですw今回からちょっと書き方を変えてみようと思います^^


今節は満身創痍の首位マドリーが残留争い真っ只中のムルシアをホームに迎えた一戦です。
バルサの試合から書こうと思ったんですが、あまりの体たらくに書く気を無くしましたw


では、スタメンです。

続きを読む

A・マドリーvsバルセロナ


本日は注目のカードのレビューになります。
首位マドリーを追う2位バルサ
一方、今年に入って絶不調。監督解任の噂もチラホラのアトレティコ
両チームともに絶対に勝ち点3のほしい試合です。
ではスタメンから。

続きを読む

グダグダ書いてます


今さらなんですが、WOWOWの放送形態をなんとかしてください。
なぜイケイケでCL控えてるセビリアの試合の放送がない???
前々節のエスパニョール戦もなかったし、まったくもって理解できない。


特にエスパニョールはシステムが4−2−3−1.
中盤にデ・ラペーニャというパサーがいて、1トップは快速エベルトン。
絶好の仮想フェネルバフチェだったと思うのですが・・・
この試合でセビリアは4得点の快勝だったものの2失点。
ハイライトだけじゃわからんし・・・。



それからいろんなブログ見てて思ったんですが・・・






このブログ、プロフィールだせぇorz


近いうちに変えようww

セビリアvsサラゴサ


久しぶりだな〜。試合は毎週欠かさず見てるんですが、なかなか書く時間がなかった。
というかオンラインゲームにはまってまして、そればっかりやってましたからねorz
しかし、今日から!今回こそは、しっかりと更新していきたいと思います。


さて、今日のレビューは昨シーズンのベストマッチセビリアvsサラゴサです。
ちなみに今シーズンここまでのベストマッチは第21節のR・マドリーvsビジャレアルです。
マドリーの強さが最も感じられ、ビジャレアルも真っ向から強い王者に立ち向かった一戦。
リーガのエンターテインメントを全て凝縮したかのような素晴らしい試合でした。
バルセロナのサッカーが見るに耐えないほど酷くなってしまった今、
このベストマッチを塗り替える可能性があるのはセビリアぐらいのものでしょう。
その意味でも今回の対戦は期待していました。
では両チームのスタメンをどうぞ。

続きを読む