そったく日記

三重県消防学校

救助オープンカレッジ開催される(消防長会主催オープンカレッジ−古米校長奮闘記)


鈴鹿市石薬師町にある三重県消防学校では、11月19日三重県消防長会主催第17回救助オープンカレッジが開催されました。

 第1訓練は、狭所スペースからの退避訓練です。爆発現場から障害物のある狭所から2人一組で脱出します。濃煙で視界ゼロの設定です。梁や鉄筋、ロープ等の障害物を避けて脱出します。空気呼吸器(ボンベ)に障害物が引っ掛かり、外さないと脱出困難な場合もあります。隊員2人を結ぶ命綱やカラビナも場合によっては、一時的に外す必要があります。濃煙の中でパニックを起こさないため、隊員相互及び無線による本部とのコミュニケーションが絶対的に重要です。空気残量が少なくなると警報がなります。それでも脱出できないペアは、1人だけでも脱出し、救助隊を要請する判断に迫られます。

第2訓練は、緊急時の隊員救出訓練です。火災による輻射熱やフラッシュオーバーを避けるため、2階の窓や脱出口で頭部と片側半身だけ乗り出した姿勢で倒れた要救助消防士を救出する訓練です。3連梯子を要救助消防士の脇腹の直下につけて、正三角形に近い角度を確保し、隊員1人で要救助消防士をはしごに滑らせながら救出する方法やベルトのカラビナにロープを結んで救出する方法の訓練が行われました。フラッシュオーバーが予想される緊急時のため、防火衣等を着装した要救助消防士を念頭に置き、迅速さを重視した救出方法です。

この日の講師の言葉によれば、火災現場において最も優先すべきことは、「自身の生き残りと仲間の消防士の生き残り」このためには、強い意志とあらゆる知識・技術・経験を向上しつつ、総動員して現場活動に当たることです。最も安全で確実かつ迅速な救助方法や脱出方法を選択し、決断し、決定することが求められます。

救助に携わる消防士は、今後とも、人命を預かる救助隊員として、地域住民の生命財産を守る崇高な使命を持つ消防人としての意欲と気概、こだわり「妥協しないでとことん追求する姿勢を持つこと」をもって、さらに精進に励んでください。(HM)