DerSimonian-Laird

複数のスタディがあり、それぞれのサンプルサイズをn_i、因子陽性サンプル数をm_iとしたときに、スタディの重みを、w_i=n_i+1に比例してとる(観測データからの母分散・・・)。因子陽性についての統計量x_ix_i=arcsin(\sqrt{\frac{m_i}{n_i+1}})+arcsin(\sqrt{\frac{m_i+1}{n_i+1}})
とし、複数スタディにおける、この統計量xのばらつき具合を評価して、\tauなる数値を得て、これから、各スタディのx_iの補正を行ったうえで、補正後x_iから、全スタディを通じた因子陽性比率の推定値を得る、手法。さらに、それに信頼区間を算出し、また、その推定値が帰無仮説における値をまたがない確率としてP値を得る。
推定値を計算してみるエクセルはこちら。その検算のためのサンプルでは、前記事掲載のこちら

オッズ比、相対危険度、信頼区間

エクセルはこちら
Rのrmetaをエクセル化したもの
少し不安なのは、Rのrmetaパッケージのソースを見た限りでは、信頼区間の算出は、推定量(ORなど)について、その対数をとって、算出SEをもとに上下限を正規分布近似で出していることになっており、Rのそれは、確かにそうなっている。実際には、Rのrmetaのprint.meta.DSL関数の表示部分(丸めて表示)を少しいじって

print.meta.DSL<-function (x, ...) 
{
    conf.level <- x$conf.level
    ci.value <- -qnorm((1 - conf.level)/2)
    cat("Random effects ( DerSimonian-Laird ) meta-analysis\n")
    cat("Call: ")
    print(x$call)
    ci <- exp(x$logDSL + c(-ci.value, 0, ci.value) * x$selogDSL)
    cat(paste("Summary ", x$statistic, "= ", ci[2], 
        "    ", conf.level * 100, "% CI ( ", ci[1], 
        ", ", ci[3], " )\n", sep = ""))
    cat(paste("Estimated random effects variance:", round(x$tau2, 
        2), "\n"))
}

としてやれば、上側と下側について、対数として対称になっていることが確かめられるが、前記事掲載のこちらでの上下限は、丸めの誤差だけかどうか、少し不安。ただし、オリジナルペイパー等に戻っても、特に、Rが実装している方式(漸近近似で上下確定)以外の方法を用いているらしき形跡はないので、大丈夫としよう。

メタアナリシス

オリジナルペイパー
Random-effects model for meta-analysis of clinical trials: An update
Rebecca DerSimoniana,et al.
リンク
信頼区間 リンク

Heterogeneity in Meta-Analyses of Genome-Wide Association Investigations

John P.A. Ioannidis1,2,3*, Nikolaos A. Patsopoulos1, Evangelos Evangelou1
PLoSリンク
PDF1
PDF2
リンク

  • Funnel plot
    • 横軸に、スタディの効果の強さ(ORなど)をとり、縦軸にスタディの正確さに対応する量(スタディサンプルサイズなど)をとって、2次元プロットすると、パブリケーションバイアスがなければ、横軸について左右対称な山型、1ピーク(漏斗(ろうと・じょうご)をさかさまにした形)になる。このことを確認するための図。ネガティブ側のスタディが欠けると、形の左右差がくずれて、効果の弱い側の点が少ないプロットとなる。
  • Fixed effects model と random effects model
    • 複数のスタディにつき、効果の強さが同一であるとする仮定をするのがfixed effects model、スタディ間では効果の強さが異なる(こともある)ことを仮定するのがrandom effects model
    • 手法としては
      • Fixed effects model
        • Mantel-Haenszel method
        • Peto method
        • General variance-based method
      • Random effects model