寧静致遠 其の二

6月9日のブログにも書きました
交流展で上海に訪問した際に 湖州市の書画の
邵 阿オ 先生に頂いた「寧静致遠」の書は僕の宝物であり
額装が出来上がったばかりです

この 「寧静致遠」 ねいせいちえん とは、、、
諸葛亮孔明が 子を誡めるという意味で子孫に残した家訓
「誡子書」 に出てくる言葉であります

夫君子之行 静以修身 倹以養徳
非澹泊無以明志 非寧静 無以致遠
夫学須静也 才須学也
非学無以広才 非志無以成学
滔慢則不能励精 険躁則不能治性
年与時馳 意与日去 遂成枯落 多不接世
悲窮廬守 将復何及


君子たる者の行いは 静に構えて修練し
何事も控えめに振舞い
人の模範となる様 徳を養う事である

無欲でなければ 志を抱き続ける事は出来ない
また 寧静に構えなければ大きな仕事は
成し遂げられないものだ

静かに構えるだけで学ばなければ 才能は向上しない
また 志を失えば 学ぶ努力を継続できない

人を見下す心があれば 自分を奮い立たせる事も出来ないし
物事に集中しない者は 性格も浮ついてくる

年は 時間と共に 瞬く間に過ぎ
意志は 日と共に 去りゆき

遂に枯れ果てて 世の中との関わりも薄れていく
そうなってから 悲しみ慌てても

もう どうにもならないのである。



まあ、こんな内容でして
ホントその通りだなと思い 僕もそういう気持ちで今まで
織物をやってきたつもりなんです

あの日、 12才年下の 同じ寅年の僕に
邵 先生が作品の束の中から ゴソゴソ選んで
この言葉の書を渡してくれたのは

作り手としての初心を忘れず 頑張りなさいという
暖かいメッセージが あったのでした
日本に帰ってから この意味を知り
ちょっと 感激しています

あの書は 後藤家の家宝と致します。