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2005年05月10日 The 10 Greatest Novels of All Time

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世界文学を読みほどく (新潮選書)

世界文学を読みほどく (新潮選書)

池澤夏樹が自ら選定した世界十大文学について語る、という京都大学での講義録が本屋に置いてあった。なかなか面白そう。池澤氏によると、トマス・ピンチョンなんかも十大小説に入るようだ。

サマセット・モームの多分に偏った選択を端緒として、世界十大文学を決めようとする試みを行う人は後を絶たない。意外なところでは、谷沢永一なんかも行っているらしい。

ということで、僕も僭越ながら私的世界十大小説を決めてみる。

ビルデュングス・ロマンの代表格であり、「小説家」としてのゲーテの最高傑作の一つ。優れたハムレット論を内包しており、芸術小説として抜群に面白い。冒頭を除き恋愛の要素が薄いところは好き嫌いのわかれるところか。

レ・ミゼラブル (1) (新潮文庫)

レ・ミゼラブル (1) (新潮文庫)

ミュージカルでも有名な、19世紀フランス文学を代表する大作。序盤で、神父宅から食器を盗んだジャン・バルジャンが、神父から「与えるものは幸いなり」とばかりに罪を許されて、改心するに至る件は、個人的には近代小説が生み出した最高の場面の一つだと思っている。コレットマリウス、テナルディエ、ジャベールといった主要な登場人物の配置の仕方は絶妙である。

デイヴィッド・コパフィールド〈1〉 (岩波文庫)

デイヴィッド・コパフィールド〈1〉 (岩波文庫)

語りの構造が興味深い『荒涼館』も良いが、僕はイギリス小説最高峰としてやはりこれを押したい。エミリー、スティアフォース、アグニス、ユライア・ヒープといった登場人物たちの言動は一度読んだら忘れられない。

カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)

説明するまでもなく、近代文学が生み出した乗り越え不可能な傑作。カート・ヴォネガット曰く、「(かつては)『カラマーゾフの兄弟』には人生で必要なものが全て詰まっていた。」(『スローターハウス5』)

戦争と平和〈1〉 (新潮文庫)

戦争と平和〈1〉 (新潮文庫)

ヴァージニア・ウルフが世界最高の文豪と呼ぶレフ・トルストイ欧米ではアンナ・カレーニナ』の方が評価は高いのだが、僕は優れた群像劇たるこちらを推したい。大江健三郎が指摘するように主人公ピエール道化的な振る舞いも魅力的だ。NHK大河ドラマなどとは次元が違う面白さがある。

大学院で専攻しているジョイスを挙げたい。1920年代を境にして、文学主人公は若き芸術家たるディーダラスから、近代的な小市民であるブルームへと変貌を遂げる。20世紀文学の「古典」でありながら「古典」であることを拒むその前衛性。遊戯の文学であり、文学の遊戯である。

魔の山〈上〉 (岩波文庫)

魔の山〈上〉 (岩波文庫)

ゲーテの志を最良な形で受け継ぎ、自らを19世紀的作家と称したトーマス・マンの代表作。ヨーロッパ思想の根幹に至らんとする思弁的な小説であり、第1次世界大戦直前のサナトリウムを覆う異様な緊張感には目を見張るものがある。

灯台へ (岩波文庫)

灯台へ (岩波文庫)

 id:ryoto:20050225

イギリス・モダニズムの代表的存在であるヴァージニア・ウルフの傑作。時間の扱い方が上手く、その上手さをトーマス・マン的な思弁性に繋げるのではなく、卓越したストーリー・テリングと一体化させていく。彼女の手腕には舌を巻くしかない。

響きと怒り (講談社文芸文庫)

響きと怒り (講談社文芸文庫)

 id:ryoto:20050210

『アブサロム・アブサロム』とどちらを選ぶかで迷った。モダニズム文学は「文学の根付かない土地」アメリカ南部にて、世界に名だたるヨクナパトーファ・サガという大輪を咲かせた。語りの構造、時間の扱い方、文体の変化など、様々な面において20世紀文学の見本が詰まっているように思う。

真夜中の子供たち〈上〉 (Hayakawa Novels)

真夜中の子供たち〈上〉 (Hayakawa Novels)

 id:ryoto:20050216

20世紀後半の世界文学において、ヌーヴォ・ロマンなどと並んで重要な潮流がマジック・リアリズムであろう。インドという「メジャーな周縁」から現れた一人の才人は、英語小説の枠組みを破砕するようにして広げた。民話、イスラム教フォークナーガルシア・マルケスを深い渦に巻き込みながら、ラシュディは独自のケイオティックな世界を展開している。

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