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2015-03-05 課題図書は増えていくばかり

ただでさえ読まないとなあという本が積み上がっているというのに、昨日本屋にいったら「謎深き庭 龍安寺石庭: 十五の石をめぐる五十五の推理」なんてのを見つけてしまったり(迷ったけど買わなかった)。あと「いちえふ」の2巻も出てたし、ダウントン・アビーの新シーズンも始まるし、Jリーグも開幕だし、もうなんというかどうしろと。

[]逆問題の考え方 結果から原因を探る数学 (ブルーバックス)


結果から原因を探る数学『逆問題の考え方』: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」経由。


出版社の説明から一部抜粋。


「与えられた原因から起こり得るべき結果を予想する」のが、通常の問題で「順問題」

観測結果に基づいて現象の原因を決定するという逆問題


まあ、そういうこった。


特に面白かったのは「第7章 逆問題のジレンマ」で紹介された「正則化法」。これはちゃんと理解したい概念だなあ。これって社会科学の世界でも応用可能な気がするが、どうなんだろう。


「逆問題」「正則化」あたりでググると最小二乗法へ正則化を適用したlasso回帰とかRidge回帰とか出てくる。社会科学の分野では数値の精度もサンプリングも首を傾げたくなるような怪しげな回帰分析が大量に生産されているわけだが、このあたりの手法を適用したらかなりこの状況が改善されたりするんじゃなかろうか。




いわゆる「マクロ経済モデル」なんかは、精度がいいとはいえない各種経済指標を連立らしき方程式にぶっこんで経済成長率予想などを導出したりするわけだが、モデルによっては経済指標の変動にあまりに鋭敏だったりする。というか外れる。


なんかしらのイベントが起きたら、そのイベントがポジティブでもネガティブでも(戦争でもいいし、新しい大規模油田が見つかったとかでもいいし、銀行救済の合意が成立したでもいい)、とにかくなんかイベントが起きて経済指標にある種の非連続な動きが出ると、とたんにモデルの予測が破綻するんだよねえ。このあたりの悲惨な状況は「シグナル&ノイズ」でもさんざんネタにされてたけど、ほんと予測と呼べるようなシロモノじゃない。このへんの制御に正則化法みたいな手法が適用できたりするといいなあと。


ただ日本の場合、「消費税増税の影響は軽微」とか「消費税増税で社会保障に対する将来不安が解消するから消費は増える」などといった理屈もなんもあったもんじゃないポジショントークが「エコノミストの予想」としてメディアに掲載されてしまう状態なわけで、正則化だなんだ以前の問題ではあるんだが。




2015-02-26 図書館の貸出期間と延滞についての試論

図書館で本を借りるとしよう。現状の図書館システムでは、延滞をしたとしても(機能的な制約は一部で受けるものの)基本的に借りる側に物理的なコストは発生しない。あくまで倫理的な負担、例えば次に借りる人に迷惑をかけているかもしれないといった良心の呵責といった目に見えない負担だ。しかし貸出期間という制約によって、期間内で読み終わらないといけないという倫理上の動機が生じているのは経験上たしかだろう。


「仮に、図書館が延滞金を課すとどうなるか? 良心や倫理を金額換算してみると何が起きるのか、と言い換えてもいい。


「そう聞くと有名なこの実験(イスラエル保育園での実験(元論文(PDFファイル))(「その問題、経済学で解決できます。」など参照]))を思い出すだろう。私の予想の前半はこの実験の結果を踏襲したものになる。つまり延滞の増加だ。最悪の場合は蔵書の枯渇を招き図書館システム自体が維持不可能になるかもしれない。


「ただし、ある点で『図書館への延滞金の導入』は興味深い可能性も秘めているのではないかと考えている。それが予想の後半部分だ。


「『支払う額によって購読可能期間が異なる電子書籍』というものがあるとしよう。一週間なら100円、2ヶ月なら500円といった具合だ。実際、視聴可能な期間によって料金が異なる動画サービスはいくつもある。電子書籍なら購読可能期間の制御は簡単に実装できる。


「さてこのようなシステムを想定した場合、【図書館に支払う延滞金で確保できる期間】と【書籍の支払額に応じた購読期間】との比較が可能となる。どちらも『自分はこの本を読むのにどれくらいの期間が必要か』という(予想)時間の関数で記述が可能だ。この場合、定価が上限となり、定価を支払えば読むために無限大の時間を購入したことになる(逆に定価分の延滞金が発生したら、その書籍を買い取る権利を得たことになるかもしれない)。


「こうやって書籍の価格を購読期間という時間概念で置き換えると、【定価】というのは読み終わらなくてもいいという【怠惰権】【放置権】の値段を意味するのである。


「つまり現在の書籍の定価売り切りシステム(と延滞金のない図書館システム)は、皮肉にも購読者に『その本を読まなくてもいい』というオプションを与えてしまっている。購読可能期間に応じたよりきめ細かい価格を設定すれば、実は書籍の読了インセンティブは現状よりも高くなることが予想される。これは明らかに人類の知的厚生を改善することになる」


「いいから延滞してる本早く返してこい」

[][]IBM 奇跡の“ワトソン”プロジェクト: 人工知能はクイズ王の夢をみる


ちょっと前の本だけど、昨今の人工知能A.I.)の話題の中心にいるので、過去の経緯含めて斜め読み。買うまでもないと思ったので図書館で借りました。ちょっと延滞です。明日にでも返却します。すいませんでした。


アメリカのクイズ番組で優勝した華々しい結果にたどり着くまでの舞台裏がちゃんと書かれている本。予想通り。斜め読みでもつい引き込まれる面白さ。シンギュラリティに関してはわたくし「楽観的宇宙派」ですので、IBMのWatsonが早いとこ今の仕事をちゃっちゃっと片付けてくれないかなと思ってます。頑張れWatson!


読んでて思ったのが「やっぱりIBMの底力ってすごいよな」ってこと。日本でこのレベルの頭脳集積できてる組織ってもう多分ないよね。昔なら日立とかNTTあたりが対抗できたのかもしれないけど、もう多分無理だよね。第5世代コンピュータの反動と、長すぎたデフレ不況といった人災が原因なんだろうけどさ。


早いとこWatsonを日本語で使ってみたいな。