こまめな達成感の認知

「…はモチベーション維持に必要なことが心理学的にも明らかです。ゲーミフィケーションにおいても主要な構成要素の一つです。被験者が積んどくリストを書いたことでなんとなく達成感を得るのはごく自然な心理状態と思われます」
「ふむ。実験を続けたまえ」

日本史の誕生―千三百年前の外圧が日本を作った (ちくま文庫)


僕は高校時代に日本史を選択してなかったので、実は日本史はよく知らない。小説で読んだり、経済史的な本を読んだりしてる程度だ。それでも面白かった。

日本の歴史は、当たり前のことだが、世界史の一部分として書かなければならない。(p.1)

歴史は言葉による世界観の表現であり、単なる事実の記録ではない。(p.18)


うむ。


著者の背景や業績や思想の位置づけなんかの詳しい話はこのへんを見てもらったほうがいい。
⇛ 1011夜『日本史の誕生』岡田英弘|松岡正剛の千夜千冊
⇛ 【書評】世界史のなかの満洲帝国(宮脇淳子): 極東ブログ


日本の中国との関わり方(当然付随して「韓半島」とも関わるわけだが)の原型を提示している本だと思う。そう遠くない将来に起きるであろう中国の混乱が日本にどのような影響を及ぼすのかについて考える視座を与えてもらった。ただいろんなところで発表した論考をまとめた本なので、各章の内容にかなりの重複があって、自分がいまどこを読んでいて、なにがこの章の主題なのかを見失いがちだった(あれ、さっきもこれ読まなかったっけ?的な)。そのうち「世界史の誕生─モンゴルの発展と伝統 (ちくま文庫)」も読んでみるつもり。


日本史の誕生―千三百年前の外圧が日本を作った (ちくま文庫)

日本史の誕生―千三百年前の外圧が日本を作った (ちくま文庫)

男のパスタ道 日経プレミアシリーズ


究極のペペロンチーノを作るまでの試行錯誤(実験かな)を記録した本。作者のプロフィールを見て一瞬萎えそうになったが、読み始めれば一気に読めたし、ペペロンチーノを作りたくなったし、太めのパスタと太白ごま油を買ってきてしまったし。


料理界隈は科学的、という言葉があれなら実証的な検証があまり行われていない領域に思える。そんな中で、調理行為を科学的に分析した本はなるべく読むようにしている。この本もその系譜に属する一冊だと思う。


「その系譜」として例えば水島弘史氏の「強火をやめると、誰でも料理がうまくなる! (講談社+α文庫)」とか、「料理の科学〈1〉素朴な疑問に答えますシリーズ」とか、「Cooking for Geeks ―料理の科学と実践レシピ (Make: Japan Books)」とか。こうしてみるとけっこうあるな。料理の上達のコツの一つにこの手の本を読むというのもありだと思いますよ。


男のパスタ道 日経プレミアシリーズ

男のパスタ道 日経プレミアシリーズ