ウルフ・オブ・ウォールストリート。

ブラピであったり、ジョージ・クルーニーであったり、ジョニー・デップであったり、と今を盛りのハリウッドのドル箱スターは何人もいるが、今や、この男を外すわけにはいかない。レオナルド・ディカプリオである。
『タイタニック』のレオ様は、はるかな昔。
昨年の『華麗なるギャッツビー』での存在感、その前のクエンティン・タランティーノの『ジャンゴ 繋がれざる者』での冷酷非情な農場主役、クリント・イーストウッドの『J・エドガー』でのこれも人間離れしているFBI長官・フーバー役、このところのディカプリオ、ワル役、汚れ役が板についている。
これもそう。

アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、脚色賞、主要な賞にノミネートされた。ディカプリオにとっては、4度目のアカデミー賞ノミネートである。
1980年代後半、ウォール街にジョーダン・ベルフォートというワルがいた。ベルフォート、株式ブローカーなんだ。
無一文から、僅か26歳で年収4900万ドル(49億円)を稼ぎ出す。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』、そのベルフォートの回想録を映画化した。
ベルフォート、あと少しで週給100万ドル(1億円)だった、なんてうそぶいている。学歴もコネもなにもないところから、成り上がっていく。金がすべて、との考えの下、ヤバすぎる人生を歩む。
酒池肉林、それに加えてドラッグ、というヤバいことこの上ない人生に突入する。当然、バンバン稼ぐ金もヤバい金。
FBIにも目をつけられる。が、FBIにも賄賂を掴ませようとするワルなんだ。しかし、ついには捕まる。詐欺とマネーロンダリングの疑いで。実刑を食い、服役している。
このような金こそがすべて、というヤツ、いつの時代にもどのような国にもいるな。

マーティン・スコセッシとレオナルド・ディカプリオが組むのは、5作目となる。

映画史上、最強のタッグ。ディカプリオ、今度こそオスカーを手にすることができるのか。

こういう物語である。
ディカプリオ、商業作としてでなく、役者としてこの作品に賭けていたそうだ。

全篇、酒とセックスとドラッグまみれである。下品この上ない映画ではある。
Fで始まるあの4文字言葉、500回以上発せられる。ドキュメンタリー以外では、F・・・がこれほどわめかれたのは最多だそうだ。これもハリウッド。
が、ディカプリオ、今回もオスカーを逃した。気合いは入っていたのだが。


錦織圭、全米オープン決勝で敗れた。
グランドスラムの頂点まで、あと一歩であったのだが。
残念無念。残念至極。