ベイマックス。

恐らくコマ跡地にできたシネコンの半分程度の規模であろうが、近所にシネコンがある。
昨年の「アナ雪」ほど長期ではないが、昨年末からこの春先までそのシネコンの一画には、白いフワフワとしたものが立っていた。

白くフワフワとしたベイマックスの周りに男子高校生がいる。「アナ雪」が姉妹愛の物語ならば、「ベイマックス」は兄弟愛の物語。

「泣きたい時には、泣いてもいいんですよ」って、優しいんだ、ベイマックスは。

主人公は14歳の天才少年、ヒロ・ハマダ。
飛び級で高校は卒業したものの大学へは行かず、”ロボット・ファイト”に明け暮れている。”ロボット・ファイト”なる賭場があることなど、初めて知った。
ヒロが抱かれているのが、ヒロの兄貴でサンフランソウキョウ工科大学の学生であるタダシが作ったケア・ロボット、ベイマックス。限りない優しさでヒロを包みこむ。

ディズニー映画だ「ベイマックス」。
ケア・ロボット「ベイマックス」の発明者であるヒロの兄貴・タダシは、事故に巻き込まれ、と言うより事故の際恩師を助けようとして命を落としている。
ヒロ、その真相に迫る。兄貴の大学仲間であるハニー・レモン、フレッド、ゴー・ゴー、ワサビと共に。
ヒロは兄貴・タダシが死んだ事故の真相へ迫る。ベイマックスと共に。

ベイマックスって本当に優しい。「優しさで世界を救えるか」って。どう答える?
「あなたの心とカラダを守ります」って凄いことだよ。

ベイマックス、戦闘意欲も戦闘能力もゼロなんだ。が、ヒロを抱きしめる。
ヒロはと言えば、真相を追い、あちこちで闘う。歌舞伎仮面などと。歌舞伎仮面の正体は、ということにもなる。こうこうの男であった。さらに、その真相はってことに繋がる。原作は、「ビッグ・ヒーロー6」。私は知らないが、アメコミの世界を知る人には、”先刻承知の助”であるようだ。

電車が走っている。
舞台は、東京とサンフランシスコを足して2で割った町、サンフランソウキョウ。

「わらび餅」とか「みたらし団子」とか、日本語の看板が出てくると、気持ちいい。
ディズニーは考えているな。


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新宿ゴールデン街のバー「十月」からのメルマガもそのひとつ。
歌詠みであるママの今月の歌が5、6首記され、このひと月に観た映画も記されている。その「十月」のママが観ている映画は、毎月20本強。年間では250本ぐらいとなる。私の知る人では一番多い。
「映画館の中に住みたいくらい」、と言っているが、そうであろう。年に250本の映画を観る、ということは、感覚的には、ほぼ毎日映画館へ行っている、ということに近いであろうから。
映画というものは面白い。
映像のみならず、文学、美術、音楽、その他さまざまなジャンルのエキスパートが智恵のありったけを絞り出したもの。それらが合体した総合芸術である。
新宿ゴールデン街のバー「十月」のママには及びもしないが、ひと月に7、8本程度は観るようにしている。
昨年11月から映画とは間遠うになっていた。この間に観た映画、40本ばかりとなった。暫らく、それらを続ける。