ーまぼろしの翼ー 島谷晃展(続き×2)。

大学の講義と同じく1時間半に及んだ早見堯の講演の後、もうひとつの展示室へ入る。

麦藁帽子にドローイングの島谷のフクロウ帽子が迎えてくれる。

島谷晃、油彩画やアクリル画、水彩画、またオブジェやボード、銅版画や石版画、さらに幾つかのお寺の壁画や天井画、さまざまな表現ジャンルに挑んでいるが、屏風も面白い。

身体を痛め杖を突いている早見堯も、講演を終えて入ってきた。
その視線の先は・・・

早見堯が島谷晃後期の傑作のひとつというこの屏風。
≪The voice of time(ときの声・にわとり)≫。
1998年。キャンバスにアクリルを用いた二曲一隻屏風。スペース行樹蔵。

講演の中で若冲の作品と対比して、確か「多数のイメージの組み合わせ」、と話していた。

近づく。
ドロッピングだ。
ドロッピングに関しては、早見堯、ドロッピングの代名詞・ジャクソン・ポロックの「32番」を含む考察を記した論文を発表している。が、今日はパソコンの調子が悪い。で、今日は先を急ぐ。早見堯の考察については、明日にする。

≪The dream of crane(つるの夢)≫。
1996年。水彩・紙。二曲一隻屏風。岩瀬山西念寺蔵。

≪Mother’s love(愛・ふくろう)≫。
1998年。水彩・紙。二曲一隻屏風。岩瀬山西念寺蔵。

左側の壁面。

≪永遠に≫。
1995年。アクリル・キャンバス。額装。岩瀬山西念寺蔵。

島谷晃、その生涯にいったいどれほどの女人を描いてきたか。概ね美しい女人を。

右側の壁面。
水彩やアクリルで描かれた数々の作品。そのタイトルは・・・
≪散華(天女弾弦)≫、≪散華(天女奏笛)≫、≪散華(天女散華)≫、≪散華(鳳凰)≫、≪散華(蜻蛉)≫、・・・。
おやじギャグを飛ばし喧嘩が好きな島谷が散華に至ったこと、面白い。