街に飛び出す作品展。

「街中ミュゼ」、という言葉があるそうだ。
市や町の道路や公園などに彫刻作品が置かれている、というのはあちこちにある。多くの自治体、その身の丈にあったことをしている。「街中ミュゼ」、それとはやや異なる試みらしい。個人であろうと法人であろうと、場を提供しようという立場とアート作家を結びつけようというもの。作家の立場から言えば、作品が長く展示される、という喜びがある。
この秋、小澤潔や山宣と同じく古い仲間である犬飼三千子から案内状が来た。「街に飛び出す作品展」の。

三田の建築会館のギャラリー入口。

このようなものらしい。
今、あちこちにマンションなどを作っているスターツが後援しているようだ。

私が行ったのは、最終日、10月25日の夕刻。
ギャラリー内は多くの人であふれていた。中へ入ることはできない。犬飼三千子を探すことさえできない。

表彰式のようなことが行われていた。
受賞者や主催者、後援者の挨拶があった。
一連の行事が終わった後、「皆さま、ささやかですが、外のイヴェント広場に飲み物などをご用意しておりますので、外へお移りください」、というアナウンスが流れた。

人が少なくなったギャラリー内に入ることができた。
左の作品は、西田和恵≪考える花≫。
「?」、「はてな」を表わすその姿、たしかに 考えている。

手前の三本足の作品は、関本直枝≪歩歩Ⅲ≫。

犬飼三千子≪merge≫。
”merge”、犬飼の作品で初めてみるタイトル。

ギャラリー内、人は少なくなった。

信ケ原良和≪森とオオタカ≫。
秋葉原からつくばEXで20数分、「オオタカの森」という駅がある。今、シャレた街となっている。「オオタカ・ジェンヌ」なんて言葉も生まれ。駅の近辺、スターツもマンションを建てている。

五十嵐通代≪明け方の夢2017≫。

小原輝子≪日時計≫。
作者の小原輝子は日時計作家である。
左下には、さまざまなところに日時計を設置したことが記されている。札幌、函館、仙台、江ノ島、箱根、・・・、さらにハワイ、ハンブルク、上海と。
真ん中は、岩手県吉里吉里海岸公園に設置していた日時計は、2011年、あの大震災でガレキとなった。
が、右側は、今、2018年8月、復旧工事が行われ、日時計も元通りに直すことが出来た、と記されている。

このような作品もあった。
石井春≪無題≫。

皆さん、建築会館の中庭で飲んだり食ったりしている。「どうぞ」と声をかけられ私も中庭へ出た。
犬飼三千子が紙コップに入れたビールを持ってきてくれた。が、私はまったくの部外者。
ビール一杯を飲み、犬飼に「オレはこれで失礼するよ」と言ってその場を去った。

建築会館の中庭にも幾つもの作品があった。
このような。
安部大雅≪起伏するかたち≫。



そうなんだ。オレたち。