今年のおまけ(1) メダカ。

今年のあの暑い夏が過ぎ9月に入った頃、映画がずいぶん溜まってしまったから何とか年内いっぱいでケリをつけよう、と思っていた。
しかし、「バンコク散歩」が長くなり、その後の展覧会の模様も、ひとつの展覧会が1日で終わらず3日も4日もに亘るものもあり、多くの日数を食ってしまった。で、映画は樹木希林の6作のみとなってしまい年末となった。
今年もあと数日。
映画は来年とし、大したことでもないし、禄でもないことなのだが、今年こういうこともあったなということを幾つか載せようと考えた。余禄というか、余聞というか、拾遺というか、といったことなのだが、それらの言葉では固すぎる。それほどのものではない。
いや、ホントにどうでもいいことばかりなんだ。
だから、「おまけ」とした。
今日は「メダカ」。

先日の孫娘の七五三の折り、料理屋で祝いの会食をしたが、その料理屋の玄関先に大きな壺がある。

その中にメダカがいる。

その料理屋の人ではあるのだが、どういう人であるのか分からないおばさんというよりおばあさんがいる。この店の女性は皆さん着物を着ているのだが、このおばさんというかおばあさんの衣装はそのようなものとはほど遠いもの。白髪の髪がぐしゃぐしゃであろうと、そんなことは気にかけない。
何度かこの料理屋へ来ている私、ヒョッとしてこの人がこの料理屋のオーナーなんじゃないか、と思っている。
それの真偽はどうあれ、そのおばさんというかおばあさん、大きな壺に向かってこう叫ぶ。
「出ておいで、上がっておいで」、と。大きな壺の中のメダカ、腹がいっぱいの時にはさほどの反応はないが、腹の減っている時には、皆上へと上がってくるそうだ。

メダカに動きはあった。
昔、「めだかの兄弟」という歌があった、ということを思いだす。
めだかの兄弟は川の中、大きくなったらなんになる、鯉になる鯨になる。しかし、めだかの兄弟は、「めだかはめだか」、と。

このようにも。
メダカ、赤いヤツと白っぽいヤツがいるな。

メダカが泳いでいる壺も味がある。