この世界
梅田望夫さんが、小林秀雄の「近代絵画」を「ウェブ進化論」を書く時の
ロールモデルとしたと読み、久し振りに「近代絵画」を読み返してみました。
小林秀雄については、高階秀爾氏が随分昔ですが「美の回廊」の中で、
「画家の残した作品よりも画家の言葉の方にいっそう強く興味を寄せる批評家」と
書いており、そのことを同時に思い出しました。「近代絵画」を読み返している時、
たまたま別で小林秀雄のお孫さんの白州信哉氏が「小林は自分では物を見る能力が
劣ると思っていたらしく、『美は訓練しなくてはわからない』とたくさんの作品を見て、
感覚を磨いていた。」と書かれているのを見て、小林秀雄をしても「近代絵画」を
書く時には自分の美的直感を裏付けてくれる言葉が必要だったのかとも思いましたが、
文章の専門家である小林は無意識のうちに画家が残した言葉の魔力に引き寄せられていた
のかもしれません。「近代絵画」を読み返し言葉の豊さが印象に残りました。
今回アップロードした作品は、4月20日の作品と同じテーマで描いたものです。
題名:「この世界」(水彩、色鉛筆)